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第1部 貴族学園編
17 モンスター競争
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「次は、あの有名なSランク冒険者、クリストファー・ゴールドウィンの娘、レティシアちゃんです。おや、今日は父親が護衛役ではないようですね。黒い騎士服。もしかして、ブラーク辺境騎士団でしょうか?」
放送席で、アナウンス担当者が余計なことを言ってくれる。
上級貴族のテントでお茶会をしていた夫人方が、一斉に私を見た。
やめてくれ。
「嬢ちゃん、ダンジョン門をくぐったら、一目散にカードまで走れ。俺が先発でモンスターを食い止める。後ろは振り返るな。ただ、まっすぐに走れ!」
騎士さんが指示を出してくれる。うん、そうだけど、でも、カードのあるテーブル遠いなぁ。
「では、用意スタート!」
合図とともに、私は黒い騎士服の背中を見ながら、まっすぐに走った。できるだけ早く。騎士さんに迷惑はかけられない。
「!」
横の衝立からペンキ砲モンスターが出て来た。
撃たれる!
そう思ったけど、黒い大きな背中が前に出た。
その瞬間、モンスター役の人が、ばたっと倒れた。
「え?」
なんで? 攻撃した? え、攻撃はダメだよ。失格だよ。
「嬢ちゃん止まってないで、早く走れ」
後ろから騎士さんにせかされて、疑問でいっぱいになりながらも、言われるまま走る。
あ、またモンスター!
今度も、私の隣に騎士さんが立っただけで、モンスター役の人が地面に座り込んだ。
なんで? 騎士さんは何もしなかったよね?
私は、口で呼吸しながら、テーブルの上に手を伸ばした。カードの入った封筒は2つしかない。私とリョウ君の分。どっちにしよう? 考える時間もなかったので、手前のカードを手に取った。後は、戻るだけ。
「はあ、はあ、はあ」
全速力で!
前後を騎士に挟まれて、私は一生懸命走った。
クラスメイトの歓声が聞こえる。
みんな私を応援してくれてる。
「っ!」
ペンキ砲を抱えたモンスターは、騎士さんを見ただけで、腰を抜かして倒れた。
あと、少しでゴールだ。やった。やり切った。走ったよ!
ゴール前に立つリョウ君に、持っている封筒を振って見せた。
「ゴーーーーーール」
アナウンスが響いた。
ああ、気持ちいいゴールだ。
タイムはどれくらい? 10位以内に入れるんじゃない?
でも、期待した私のタイムはなかなか出なかった。
召使い先生が呼ばれて、審査員席に行ってしまった。
「えー、ただいまの競技には、護衛役による威圧が使われておりました。保護者から、ルール違反ではないかとの声がありましたので、協議中です。しばらくお待ちください」
タオルで汗を拭いていると、アナウンスが流れた。
「え?」
威圧? さっきのモンスター役の人が倒れたのはそのせい?
「ふざけんな、威圧なんて出してねえよ。俺らが本気で威圧したら、あんな奴ら3日は寝てるぞ」
「戦いの場では闘気は自然にもれだすんだよ。たかが武者震いを威圧だと? なめてんのか?」
私の護衛役の騎士さんが、審査員席に怒鳴りこみに行った。
どうしよう。大変なことになった。
不安になる私に、リョウ君が寄り添ってくれる。
「だいじょうぶだよ。姉さま」
「うん……」
「ねえ、レティちゃんは契約獣カードなんだった?」
「私のを見て、綺麗な蝶々よ」
「私は、大きなカマキリ」
ルビアナちゃんとアニータちゃんが私の気を反らそうとカードを見せてくれた。カードには綺麗なイラストが描かれている。
ん? 契約獣なのに、なんで虫の絵?
私は急いで手に持ったままの封筒から、カードを取り出した。
「! ひぃっ!」
悲鳴とともに取り落としそうになる。
「きゃっ! これ何?」
「こわい……、あ、ごめん」
のぞき込んだ女子二人も、カードから距離を取った。
「む、むかでー!」
足がたくさん生えた長い虫の絵が、リアルに染色されて描かれていた。あまりの気持ち悪さに、私はカードをぽとりと落とした。
「ムカデじゃなくて、ヤスデだね。ほら、1つの節から2本の足が出てるよ。毒を持たない無害な生き物だよ」
リョウ君がカードを拾って、虫博士みたいなセリフとともに、私に渡した。
やめてくれ、虫は大嫌い。絵でも見たくないし、触りたくもない。
「あ、えっと。ほら、契約獣はね、本当の虫じゃなくてモンスターだから」
「そうよ。うちのお母様の契約獣は金魚型だけど、本当の魚じゃないから空中に浮かんでいるの」
「うん、うん。うちのママのミミズ型の契約獣も、土に潜らないしね」
一生懸命に私を慰めようとしてくれる友達の言葉に、ますます疑問が増える。とりあえず気持ち悪い虫のリアルな絵が描かれたカードは、封筒に入れて見えないようにした。
契約獣っていったい何なの? 魔力を増やすペットみたいなものだと思ってたけど。
実際、父様の狼型の契約獣は大きな犬みたいだし、たまにしか見ないけど、母様の契約獣は見た目はモグラそのものだ。
「契約獣は魔力の強さで決まるから、うちみたいな男爵家は虫型だよね」
「わたしは子爵家だから、きっと魚だと思うわ。綺麗な見た目だといいのだけど。お母様の金魚は尾びれがひらひらで、本当に美しいのよ」
「いいなぁ。わたし、このカードみたいなのだといいのにな。カマキリって、大きくて強くてかっこいいでしょ」
雑談している間に審判の結果が出たようだ。アナウンスが聞こえて来た。
「ええー、先ほどの競技の威圧が、有効か無効かについてですが、……モンスター役の警備隊員が証言をひるがえしました。……あー、つまり、あれは威圧ではなく、黒騎士の顔が怖かっただけだそうです。……あー、威圧ではない。そういう結論になりました。……えー、異議のある方は、辺境騎士団まで来ていただけたら、いつでも本気の威圧を御覧にいれますとのことです」
言いにくそうに説明が聞こえて来た。
「よかったね、姉さま」
にっこりとリョウ君が笑ってくれたけど、私はちょっと複雑になった。
いいのかな。こんなんで?
でも、まあ、私の足が遅かったせいで、タイムは今の所15番。良くも悪くもなかったよ。
「それでは、タンポポ組最後の園児による、モンスター競争です! 気を取り直して。リョウ・ゴールドウィン君です。先ほどのお嬢さんの弟、あの紫眼のクリスことSランク冒険者、クリストファー・ゴールドウィン男爵の嫡男です。護衛役を務めますのは、先ほどと同じ、ブラーク辺境伯家の騎士です。顔が怖いので、モンスターの皆さんは腰を抜かさないように警戒してください」
アナウンスが聞こえて、リョウ君がスタート地点に立った。
放送席で、アナウンス担当者が余計なことを言ってくれる。
上級貴族のテントでお茶会をしていた夫人方が、一斉に私を見た。
やめてくれ。
「嬢ちゃん、ダンジョン門をくぐったら、一目散にカードまで走れ。俺が先発でモンスターを食い止める。後ろは振り返るな。ただ、まっすぐに走れ!」
騎士さんが指示を出してくれる。うん、そうだけど、でも、カードのあるテーブル遠いなぁ。
「では、用意スタート!」
合図とともに、私は黒い騎士服の背中を見ながら、まっすぐに走った。できるだけ早く。騎士さんに迷惑はかけられない。
「!」
横の衝立からペンキ砲モンスターが出て来た。
撃たれる!
そう思ったけど、黒い大きな背中が前に出た。
その瞬間、モンスター役の人が、ばたっと倒れた。
「え?」
なんで? 攻撃した? え、攻撃はダメだよ。失格だよ。
「嬢ちゃん止まってないで、早く走れ」
後ろから騎士さんにせかされて、疑問でいっぱいになりながらも、言われるまま走る。
あ、またモンスター!
今度も、私の隣に騎士さんが立っただけで、モンスター役の人が地面に座り込んだ。
なんで? 騎士さんは何もしなかったよね?
私は、口で呼吸しながら、テーブルの上に手を伸ばした。カードの入った封筒は2つしかない。私とリョウ君の分。どっちにしよう? 考える時間もなかったので、手前のカードを手に取った。後は、戻るだけ。
「はあ、はあ、はあ」
全速力で!
前後を騎士に挟まれて、私は一生懸命走った。
クラスメイトの歓声が聞こえる。
みんな私を応援してくれてる。
「っ!」
ペンキ砲を抱えたモンスターは、騎士さんを見ただけで、腰を抜かして倒れた。
あと、少しでゴールだ。やった。やり切った。走ったよ!
ゴール前に立つリョウ君に、持っている封筒を振って見せた。
「ゴーーーーーール」
アナウンスが響いた。
ああ、気持ちいいゴールだ。
タイムはどれくらい? 10位以内に入れるんじゃない?
でも、期待した私のタイムはなかなか出なかった。
召使い先生が呼ばれて、審査員席に行ってしまった。
「えー、ただいまの競技には、護衛役による威圧が使われておりました。保護者から、ルール違反ではないかとの声がありましたので、協議中です。しばらくお待ちください」
タオルで汗を拭いていると、アナウンスが流れた。
「え?」
威圧? さっきのモンスター役の人が倒れたのはそのせい?
「ふざけんな、威圧なんて出してねえよ。俺らが本気で威圧したら、あんな奴ら3日は寝てるぞ」
「戦いの場では闘気は自然にもれだすんだよ。たかが武者震いを威圧だと? なめてんのか?」
私の護衛役の騎士さんが、審査員席に怒鳴りこみに行った。
どうしよう。大変なことになった。
不安になる私に、リョウ君が寄り添ってくれる。
「だいじょうぶだよ。姉さま」
「うん……」
「ねえ、レティちゃんは契約獣カードなんだった?」
「私のを見て、綺麗な蝶々よ」
「私は、大きなカマキリ」
ルビアナちゃんとアニータちゃんが私の気を反らそうとカードを見せてくれた。カードには綺麗なイラストが描かれている。
ん? 契約獣なのに、なんで虫の絵?
私は急いで手に持ったままの封筒から、カードを取り出した。
「! ひぃっ!」
悲鳴とともに取り落としそうになる。
「きゃっ! これ何?」
「こわい……、あ、ごめん」
のぞき込んだ女子二人も、カードから距離を取った。
「む、むかでー!」
足がたくさん生えた長い虫の絵が、リアルに染色されて描かれていた。あまりの気持ち悪さに、私はカードをぽとりと落とした。
「ムカデじゃなくて、ヤスデだね。ほら、1つの節から2本の足が出てるよ。毒を持たない無害な生き物だよ」
リョウ君がカードを拾って、虫博士みたいなセリフとともに、私に渡した。
やめてくれ、虫は大嫌い。絵でも見たくないし、触りたくもない。
「あ、えっと。ほら、契約獣はね、本当の虫じゃなくてモンスターだから」
「そうよ。うちのお母様の契約獣は金魚型だけど、本当の魚じゃないから空中に浮かんでいるの」
「うん、うん。うちのママのミミズ型の契約獣も、土に潜らないしね」
一生懸命に私を慰めようとしてくれる友達の言葉に、ますます疑問が増える。とりあえず気持ち悪い虫のリアルな絵が描かれたカードは、封筒に入れて見えないようにした。
契約獣っていったい何なの? 魔力を増やすペットみたいなものだと思ってたけど。
実際、父様の狼型の契約獣は大きな犬みたいだし、たまにしか見ないけど、母様の契約獣は見た目はモグラそのものだ。
「契約獣は魔力の強さで決まるから、うちみたいな男爵家は虫型だよね」
「わたしは子爵家だから、きっと魚だと思うわ。綺麗な見た目だといいのだけど。お母様の金魚は尾びれがひらひらで、本当に美しいのよ」
「いいなぁ。わたし、このカードみたいなのだといいのにな。カマキリって、大きくて強くてかっこいいでしょ」
雑談している間に審判の結果が出たようだ。アナウンスが聞こえて来た。
「ええー、先ほどの競技の威圧が、有効か無効かについてですが、……モンスター役の警備隊員が証言をひるがえしました。……あー、つまり、あれは威圧ではなく、黒騎士の顔が怖かっただけだそうです。……あー、威圧ではない。そういう結論になりました。……えー、異議のある方は、辺境騎士団まで来ていただけたら、いつでも本気の威圧を御覧にいれますとのことです」
言いにくそうに説明が聞こえて来た。
「よかったね、姉さま」
にっこりとリョウ君が笑ってくれたけど、私はちょっと複雑になった。
いいのかな。こんなんで?
でも、まあ、私の足が遅かったせいで、タイムは今の所15番。良くも悪くもなかったよ。
「それでは、タンポポ組最後の園児による、モンスター競争です! 気を取り直して。リョウ・ゴールドウィン君です。先ほどのお嬢さんの弟、あの紫眼のクリスことSランク冒険者、クリストファー・ゴールドウィン男爵の嫡男です。護衛役を務めますのは、先ほどと同じ、ブラーク辺境伯家の騎士です。顔が怖いので、モンスターの皆さんは腰を抜かさないように警戒してください」
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