【完結】奪われたものを取り戻したかった

「妹を虐げて殺した君は、聖女にふさわしくない。婚姻の約束はなかったことにする」
 アルフレッド王子が宣言した。その隣には、悲し気な顔を作った聖女オディットがいた。
 リリアーヌに愛を語った優しい王子は、もういない。
 全て、聖女オディットに奪われてしまった。

 リリアーヌは生まれつき、魔力を生み出す魔力核に欠陥があった。そのため、妹から魔力を奪って生きてきた。アルフレッド王子の隣に立つために、妹の魔力核を奪って聖女になろうとした。
 しかし、移植手術が終わった後、リリアーヌとして目覚めたのは妹だった。

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