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エチゼンの暴走(2)
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「これ!どうしたんですか?!」
エチゼンに手首をつかまれて、アキラの顔が青ざめて固まった
「昨日…コノエくんとそういうプレイをしただけ…」
「仕事の前日はしないって約束、また守ってもらえなかったんですか?!」
エチゼンの剣幕に、アキラの黒目が怯えて震えた
「ごめんなさい…」
エチゼンは、自分の正義感がまた暴走していることに気づいて、アキラの手を離した
アキラは手首をさすって、
「…本当は、別れ話をしたんです」
と告げた
「それで…縛られたんですか?」
「…」
アキラはそれ以上何も語らなかった
ヒヤなら、全部相手にぶちまけて、押し付けて、甘えて、逃げるだろう
だが、アキラはそうはしない
全部自分でカタをつけようとしている
エチゼンはスマホを取り出して、コノエに電話をかけた
※※※※※※※※※※※
「こんなところで何してるんですか?」
緑人は、タキと同じ姿勢で壁に寄りかかった
「諏訪さんこそ…」
「俺は仕事です。このアニメ、VODで番外編の配信が決まって、ゲスト声優として俺が出るんですよ」
「ああ、そういえば…」
最近はすべて出版社主体で、タキは言われた仕事をこなしているだけだった
タキは、少し前に出版社からオリジナルストーリーを書いてくれと言われ、【クロ】ことタカユキをモデルにした官能小説【喪に喘ぐ】をアニメ向けに手直ししたことを思い出した
「どの役ですか?アニメにいなかった新キャラと言えば…」
「まだリリース前ですよ?よくご存じですね」
「まあ、僕が書いたから…」
緑人が大きな目をさらに大きく見開いて、タキを見た
「黒滝邦って、あなただったんですか…」
最近は、こういう反応にも慣れたが、有名俳優に言われると感慨深いものがある
タキは別に売れたいとか、有名になりたいと思って書いていたわけではない
ただ、日々思うこと、面白いと思うこと、興味を持ったことを妄想で膨らませていったら作品が出来上がっていただけのことだ
エチゼンに手首をつかまれて、アキラの顔が青ざめて固まった
「昨日…コノエくんとそういうプレイをしただけ…」
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「ごめんなさい…」
エチゼンは、自分の正義感がまた暴走していることに気づいて、アキラの手を離した
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「…本当は、別れ話をしたんです」
と告げた
「それで…縛られたんですか?」
「…」
アキラはそれ以上何も語らなかった
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だが、アキラはそうはしない
全部自分でカタをつけようとしている
エチゼンはスマホを取り出して、コノエに電話をかけた
※※※※※※※※※※※
「こんなところで何してるんですか?」
緑人は、タキと同じ姿勢で壁に寄りかかった
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「ああ、そういえば…」
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「黒滝邦って、あなただったんですか…」
最近は、こういう反応にも慣れたが、有名俳優に言われると感慨深いものがある
タキは別に売れたいとか、有名になりたいと思って書いていたわけではない
ただ、日々思うこと、面白いと思うこと、興味を持ったことを妄想で膨らませていったら作品が出来上がっていただけのことだ
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