傷口に甘い声 〜推し声優と同じ名前の客と仲良くなる話〜

星むぎ

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「洗い終わったよ。これどうする?」
「そこに置いといてもらえれば。結局洗ってもらっちゃってすみません」
「ううん。あんなに美味しいの食べさせてもらったんだもん、これじゃお礼にもならないよ」
「はは、ありがとうございます」

 綺麗に完食してご馳走様と手を合わせ、怜は食器くらい洗わせてほしいと買って出た。
 疲れているだろうから平気だと梓は断ったが、どうしてもと食い下がる怜に渋々首を振ってくれた。
 頑固ですね、と梓に笑われるのを、怜は不思議と嫌いじゃなかった。


「じゃあ怜さんこっち。コーヒー飲みましょ。ミルクが二つで砂糖がひとつ、ですよね」
「わ、ありがとう。あれ? 梓くん家ではミルクとか入れたりするんだ?」

 梓の手がソファをぽんぽんと優しくたたいて、怜を誘う。隣に腰を下ろし、ミルクピッチャーに注がれたミルクとスティックのシュガーをありがたく頂戴する。
 外で食事をする時、食後に二人でコーヒーを飲むことは度々あった。その時の怜の好みを覚えていてくれた喜びと共に、疑問が浮かび上がった。
 梓は決まってブラックで飲むのだ。そんな梓でも専用の砂糖などを常備しているものなのだなと思ったのだが、カップの中でくるくるとスプーンを回す怜の手元を見ながら、梓は何でもないことのように答える。

「いえ、俺は家でもブラックですよ。これは怜さん用に買ってきました」
「僕用?」
「はい。俺使わないし、他に誰かが来て飲むわけでもないし。怜さんがまた来て使ってくれないと減らないんで。よろしくお願いします」
「へ……こ、こちらこそ?」
「ふふ、はい」

 組んだ膝に頬杖をつきながら、梓は首を傾げてその瞳の中に怜を映す。
 梓はとびきり優しい子だけれど、たまに少し強引さを滲ませて、我が儘みたいなことを言う。
 それが誰かを嗤ったり傷つけるようなものなら非難のしようもあるが、決まって怜を甘やかすような台詞なのだ。
 拒む理由も意味もなくて、いつも怜はこくりと頷くだけ。それをくり返して、戻れない所まで来てしまったような気がしている。


「そうだ。ねぇ怜さん、昨日聴いたんですか?」
「聴いた? えっと、何が?」
「昨日買ったCDですよ。相山梓の」
「あ……うん。もちろん聴いたよ」
「ベッドに入ってから聴くんでしたっけ」
「うん、そう」

 何を聞かれたのか分からなかった自身に、怜は静かに驚く。
 相山梓の新作を手にしたら、今までの自分ならしばらくはその事で頭がいっぱいだったはずだ。
 昨夜は『すぐ聴きたいだろうから』と梓に提案され、早いうちに解散となった。申し訳なく思いながらも、パソコンを介してスマートフォンにCDを取り込んだ。
 入浴も翌日の準備も全て済ませ、布団に潜りこんで幸せな約七十分を過ごした。
 そのルーティンは確かに怜を元気づけて、日々を彩る大事なエッセンスなのに。
 今日は忙しい合間に思い出すのだって、梓の事ではなかったか。

「どうでしたか?」
「どう、って?」
「感想、どんな感じか聞いてみたいなぁって」
「感想……」
「怜さんは、相山梓のどんなところが好きなんですか?」
「それは……」

 その質問はともすれば、よく知らない誰かに問われたら冷やかしとも取れるものかもしれない。けれど相手は梓で、そんな事があるはずもない。
 真摯な梓の瞳に、怜は同じように真剣に返さなければと背筋を伸ばす。
 漂う空気はどこか息を飲むもので不思議な心地もするけれど、今はそれに構うところじゃないと、二人で過ごしてきた時間たちが怜に言う。

「好きになったきっかけは前に言ったと思うんだけど、何だろう、すっと入って来るんだよね。傷だらけだったところに染み込んで、優しく包んでくれると言うか」
「…………」
「はは、ちょっと言い方がクサかったかな」
「そんな事ないです、それで?」
「それで、えっと……」

 塞ぎ込んでばっかりだった怜が相山梓を知ってしばらくした頃、ノリに『最近アニキが少し元気になった』と安心した顔を見せられた事があった。その時に実は……と今みたいに話したのを思い出す。
 それでもどこが好きだとか、そこまで誰かに伝えるのは初めてだ。
 少し覚える緊張に照れくささと、それから知ってもらえる喜びが確かに入り混じる。
 聞いてくれるのが梓だからきっと余計に。

「声が、好き。どんな人なのか顔も何も知らないというか、敢えて見ないようにしてるんだけど……優しい人なんだろうなって思えちゃうくらい。それから、お芝居がすごく上手なんだと思う。僕は相山さんしか知らないから他の人と比べたりは出来ないんだけど、本当に凄くて、それで――……」

 怜が彼の存在を知った時、既に発売されていたシチュエーションCDは一枚。昨日購入したものを入れて、合計四枚。
 多いのか少ないのかも分からないけれど、それらはまるで違ったキャラクターで、これは本当に全てが同じ人の声なのかと面食らったこともある。
 それほど彩り豊かな声色で紡がれる世界は、しっかりと命がそこにあるのだ。

 そうやってたどたどしくも相山梓の事を怜が言葉にする間、梓は一瞬たりとも怜から目を逸らさなかった。
 時折細められる瞳、そっと引き込まれる下唇。
 ささやかな梓の表情の変化から怜も目が離せないでいると、久しぶりに梓が口を開く。

「器用な人、なんですかね」
「器用?」
「いろんなキャラクターをこなせるんでしょ? そうなのかなって」
「うーん……器用と言うか、真摯に向き合ってるんだろうなって僕は思うよ」
「……真摯?」
「うん。キャラクターは確かに作られたものかも知れないけど、相山さんがちゃんとひとりひとりを生きてる感じ」

 そうだ、真摯という言葉がよく似合う。梓が覗かせる瞳のように、ひとつひとつのストーリーが聴き手の心に入って来てしっくりと馴染む。
 だから好きなのだ。

「本当に凄いんだよ。僕が特にお気に入りなのは、ひとつ前の落ち着いた大学生役のものなんだけど。昨日買ったのは、高校生のちょっとやんちゃな子で。ちょっとだけ、本当にちょっとだよ? 好きなタイプではないかもなんて思ってたんだけど……ふふ、聴いてみたらやっぱり好きだった。それで……って、わっ!」

 相山梓のいいところを再確認した怜は、饒舌になった。綻ぶ顔を自覚したその時。腕を引かれた衝撃に一瞬何が起こったのか分からず、怜の口も体もぴたりと固まる。
 一体何が……困惑した頭のすぐそばで聞こえる梓の呼吸に、抱きしめられているのだとやっと理解する。

「ちょ、あ、梓くん? どうし……」
「怜さん、怜さん……」
「っ、梓くん?」

 まるでうわ言のように怜の名前をくり返し呼びながら、縋るみたいな腕にきゅっと力が込められる。
 なんで、どうして……ちっとも分からず、けれど振りほどく事も出来ない。したくないのだ。

「梓くん? どうしたの?」
「……こうしたらダメですか?」
「ダメ、というか……」
「じゃあイヤ?」
「イヤ、でもないけど、その……」

 数時間前、職場のロッカールームでノリと交わした会話を思い返す。
 こんなこと、普通恋人同士がすることだ。梓と怜、友達であるはずの自分達がすることじゃない。
 梓の背にあとほんの少しで触れそうだった手を、怜は握りこむ。
 ちゃんと言わなければいけないのだ、どんなに自分がこの体温を手放したくなくても。

「僕達がこういう事するのは変かな、とは思うよ」
「変?」
「だって、普通は恋人がすること、でしょ? 友達はしないんじゃないかな」
「っ、俺は!」
「あ……」

 弾かれるように体を離した梓は、怜の両肩を掴んでその顔を見せた。
 どうしてそんな顔をしているのだろう。怜は胸が苦しくなってしまう。
 梓が今にも泣きそうな顔をしているから。

「俺は、俺は怜さんが……」
「梓くん? あ、あの、近いよ?」
「怜さんと、キスだってしたいと思ってるよ」
「へ……はは、そんな、冗談、だよね?」
「冗談なんかじゃない。ねえ怜さん、ダメ?」

 怜の頬を包むように手を添えて、じりじりと距離を詰められる。堪らず怜も後ずさりするけれど、二人掛けのソファではすぐに肘置きにぶつかってしまった。
 小首を傾げられたって、こんなの頷くわけにいかない。だけど首を振れもしないのだから、怜は参った。
 こんな瞬間に諦めるみたいに自覚して、認めるしかないくらい膨らんだ想いにようやく降参する。

 梓が好きだ。

「怜さん」
「梓くん、やめよ? ね?」

 僅か数センチを空けて、すぐそこに梓の顔がある。梓の体温に炙られるみたいに、一秒毎にふつふつと体が熱くなる。
 だって駄目だ、好きだからこそ駄目だ。戯れなキスを受け入れたらきっと、いや絶対、辛くなるだけだから。

 体を反らす様にして、怜は梓と自分の触れてしまいそうな唇の間に手のひらを翳す。
 すると梓はムッとした顔を覗かせたかと思うと、あろうことか怜の手のひらに唇を押し当てた。

「あっ、な、な……」
「怜さん、手、どいて?」
「だ、だめ」
「俺の事きらい?」
「ふぁっ、あ、あずさく……」

 啄むような手のひらへのキスが止まない。艶やかな瞳が怜を射抜いて、ねだる呼吸が肌をなぞり上げる。逸る鼓動は体を痺れさせ、突き放すことも叶わない。
 怜の手首に梓が触れて、心許ないこの砦を取り去ろうとしているのに。

「ね、きらい?」
「きらいなわけ、ない」

 梓の両手についに手首が握りこまれる。
 力ずくならまだよかった、強引なようで優しい力加減が怜の頭を混乱させるのだ。
 逃げるなら今だと言われているようで、だけどここから抜け出せない。自分の意志で受け入れているように思わせられる。
 駄目なのに、だめなのに……こつりと合わさった額から染みこむ熱に、浮かされてしまいそうだ。

「じゃあ、いい?」
「だめ、あずさくん、だめだよ」
「本当に? 俺のせいにしていいです、それでもだめ?」
「っ、そんな……だ、だめ……」
「怜さん……震えてる。俺の事こわい?」
「こわくないよ、こわくない。でも……」

 本当は怖い。だけどそれは歯止めが利かなくなるだろう自分の心で、また傷つく事だ。
 梓のことが怖いなら、そもそもこんな風に一緒にいるわけがない。

「怜さんとキスしたい。嫌だったらまた遮って。そしたら諦める」
「あ……」

 掴まれていた手が解放され、またそこに口づけて、最後の決定権を梓は怜に委ねる。
 そんなのずるい。
 恋人じゃなくたって、傷つくと分かり切っていたって。本当はどうしたいのかと自分に問えば、浅ましい欲が素直に“したい”と言うのだ。
 梓の好きなようにされてしまいたい。切り裂かれるような痛みを抱えていく事になったって。

「怜さん……このままだとしちゃうよ? いいの?」
「っ……」

 触れるか触れないかの数ミリのすき間、今度は耳へと唇を添えて梓は囁く。
 大きな手が怜の髪をくしゃりと撫で、そのまま頬へと一瞬唇が触れた。

「怜さん可愛い」
「か、かわいくない」
「可愛いよ。俺の服着て、一生懸命話してくれて、真っ赤な頬してる。凄くかわいい」
「やっ」

 注がれる言葉が耐えられないほど恥ずかしい。
 思わず顔を背けると、また頬にキスが落ちてくる。

「怜さん、本当にしちゃいますよ? どうして逃げないの?」
「っ、だって……! あ、梓くん、の……」
「…………?」

 梓の事が好きだからだと言えたら、どんなに良いだろう。
 けれど言えるはずがなかった。
 きっと梓はそんなんじゃない。言ったら離れてしまうかもしれないと、やっぱり恐怖が襲うから。

「い、いやじゃない、から、だよ」
「怜さん……っ!」

 息を飲んだ梓が、俯いた怜を掬い上げるように早急に唇を押し当てた。恋が弾けて、甘酸っぱく軋む胸が怜を責め立てる。すぐに離れた唇に梓の息が当たって、目眩がしそうだ。食むようなキスをしながら角度を変え、頬と髪を撫でられ、錯覚してしまいそうになる。
 梓とキスをしている。キスをして撫でてくれている。
 好かれているのだと思い込みたくなる。

「あずさ、く……んっ、ん、はぁっ」

 このままソファが崩れて、底の見えないどこかへと落ちていってしまいそうだ。
 思わず梓の背にしがみつくと、息を荒げた梓の指がふやけた唇をつう、と辿る。

「怜さん、口開けて? 舌、入れたい」
「あ、あっ」
「ん、上手です」

 促されるままおずおずと口を開くと、瞳を眇めた梓にまた捉えられる。梓の濡れた舌先がもぐりこみ、粘膜を擦り合わせる行為に二人して夢中になった。ぬるついた舌が絡んで、尖らせた先で擽られ、今度は引きずり出されて梓の口内で吸われてしまう。
 朦朧とした意識に視界が潤み、このまま溶けてしまいそうだと夢の様な事を思った時。
 キスを止めた梓が、今度は耳に口づける。

「怜さん、ここ、平気?」
「ん……ここ? って?」
「ここです。ほら」
「っ、へ……あ、やっ……み、見ないで」
「キス、気持ちよかった?」
「あ……っ」

 甘ったるく囁く声が何を指すのか、すぐには分からなかった。けれど人差し指で足の付け根をトントンとノックされ、誘導された視線で気づく。
 いつの間にかそこは張り詰めている。キスだけで勃ってしまったのだ。
 添えられた指先に今度はゆるく掻かれ、浅ましく腰が揺れてしまう。梓が貸してくれた下着を濡らして、梓の服を押し上げている光景があまりにショックで涙がぼろりと零れる。こんなところ、見られたくはなかった。

「っ、怜さん? 大丈……」
「や……もう、帰る」
「え? ちょ、怜さん待って!」
「や、だめだよ梓くん、触らないで」
「っ、怜さん……」

 よろよろと立ち上がる怜に、梓が手を伸ばす。
 引き止めようとしたのか、それとも支えようとしてくれたのか。
 どちらであっても、梓の手を怜は拒んだ。
 触られたくない、触らせられない。
 はしたない体に、梓みたいな美しい人が触れたらいけない。
 夢は簡単に醒める。
 冷や水を浴びたように、火照る熱は一気に引いてゆく。
 思いの外低く響いてしまった自身の声を取り繕う余裕もなく、怜はぐしゃぐしゃになった顔を隠すように前髪を握りこんだ。

「じゃあね。えっと、今日はご飯ご馳走様でした。この服は洗って返すね」
「怜さん、俺……」
「大丈夫だよ、大丈夫。勘違いなんてしないから安心して?」
「へ……ち、違っ!」
「梓くんと僕は友達、だから」
「怜さん……」

 バッグを掴み、まるで泣きだしそうな梓を見ていられなくて踵を返す。そんな顔させてごめんね。そう伝えたいのに、喉がつかえて言えそうにない。
 鼻を啜り、玄関へと向かう。


 どうしてこんなことになってしまったのだろう。一緒に梓の料理を食べて、コーヒーを飲んで、相山梓の話をして……楽しかったはずの思い出が、過ちで塗り替えられる。
 自分のせいだ、全て。
 ちゃんと駄目だと制すことが出来ず、欲しがってしまった自分のせい。

「ごめんね、ごめん」

 入った時はろくに見ることも出来なかった廊下に、怜の声が溶ける。
 梓にすら届かず床に落ちた言の葉が、割れれば二度と元に戻らないガラスのように砕け散った。
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