131 / 135
第7章 大罪天使の降誕
第131話 きっとお前はヒーロー①
しおりを挟む
「おい黒フード!! 今何しやがった!?」
胸を抉られたアポキュアスはみるみる顔色が悪くなりその場に倒れ込んでいる。明らかに異常だ。
「私は商人.......取引に対しての守秘義務がありますので......では、アポキュアス様、また後で会いましょう」
「――おい待て!!――――消えた......」
黒フードはまた一切の痕跡も残さず消えてしまった。
今はとにかくアポキュアスだ!
「アポキュアス!! 大丈夫か!?」
仰向けにして見てみるが胸に傷は無い......
「マツル......今すぐ私を殺せ......」
「何言ってんだよ!! まだ俺の頼み聞いて貰ってないのにそんな事出来るわけないだろ!?」
ナマコ神様!! 今どういう状態か解析できるか!?
『ちょっと待って!! そんなにすぐには......!!』
「頼む......早く!!」
「はいそうですかなんて出来るわけ無いだろ!? クソっ......俺の所に化けて出てくるんじゃねぇぞ」
責めて苦しまないように......その首を落とす!!
「うぁぁぁぁァッ!!」
だが、その一瞬の迷いが事態を取り返しのつかない程悪い物にしてしまった。
刃が首に触れる瞬間、アポキュアスの身体から魔力が爆発的に放出され、俺は遥か後方まで吹き飛んだ。
半径数百メートルに渡って周囲は更地になり、支配領域を覆っていた結界も消滅した。
「ゴホッ......一体何が――――ッッ!?」
そこにあったのは、巨大な次元を超越した、七色の歪な七面体だった。
現代アートのような見た目......ニシュラブが闇の欠片を取り込んだ時にそっくりな......まさか!?
「あの時黒フードは闇の欠片を取り込ませていたのか......?」
だとしたら......コイツはやばい!!
「ォォォォオン......」
傲慢の体に圧力をかける技ッ!!!!
「グアッ......アアアアアア!!!!」
あそこからまだ能力が強くなってるのか!?
身体の至る所からメキメキと音がする......圧力を斬ろうにも腕が全く動かせないんじゃ不可能!
「根性ォ......圧力......跳ね飛ばせェ!!!!」
よし立てた!! 重力が俺の所だけ1000倍になったみたいなイメージだけど後はジャンプして斬れば――――
「ォォォォォン」
今度はなんだ!?
次の瞬間、更地になった地面が地下深くまでくり抜かれた。
上と下から同じ大きさの圧力を加えられていることで俺は穴に落ちる事なく浮いている......少しでも動いたら真っ逆さま必至!! 動けねぇ!!
「ォォォォォン......」
次の叫びで、上空に静止していたくり抜かれた地面が元に戻り始めた。いや、俺を攻撃範囲に固定したまま落ちてきた。
「まさか!? 俺を地下深くに埋めちまおうって事か!? まずい!! これは本気でまずい!!」
さすがの俺でも地下数百キロに埋められたら根性でもどうにかならない......てかあれが激突してきた時点で終わりだわアホ!!
「ならば俺がやる事はただ一つ!! 落ちてくる地面を受け止める!! かかってこいやぁ!!!!」
闘気を出来るだけ腕に集める......死ぬ気よりも死ぬ気で!!
「ハァァァァァァァッ!!!!!!」
地面がバンザイをした両手に衝突する。
一瞬、ほんの一瞬だけ地面は落下速度を落としたが、なんの抵抗を示す事もなく俺を巻き込み落ちていった。
「やっぱり斬れば良かったァァァァァ!!」
これだけは......これだけは言いたくなかったのについ口から漏れてしまう!!
「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇ~!」
次の瞬間、地面は割れ、俺は救い出された。
俺を背負っているのは、大柄な体躯をした、俺もよく知っている鬼だった。
「ッ!! お前はァ!!」
「フハハハハ!! 天を統べ、大地を裂く大空の鬼牙!! 誰かが助けを呼んでいる......誰かが俺を呼んでいる! 正義のヒーロー! クーガーマン!! ここに参上!!」
胸を抉られたアポキュアスはみるみる顔色が悪くなりその場に倒れ込んでいる。明らかに異常だ。
「私は商人.......取引に対しての守秘義務がありますので......では、アポキュアス様、また後で会いましょう」
「――おい待て!!――――消えた......」
黒フードはまた一切の痕跡も残さず消えてしまった。
今はとにかくアポキュアスだ!
「アポキュアス!! 大丈夫か!?」
仰向けにして見てみるが胸に傷は無い......
「マツル......今すぐ私を殺せ......」
「何言ってんだよ!! まだ俺の頼み聞いて貰ってないのにそんな事出来るわけないだろ!?」
ナマコ神様!! 今どういう状態か解析できるか!?
『ちょっと待って!! そんなにすぐには......!!』
「頼む......早く!!」
「はいそうですかなんて出来るわけ無いだろ!? クソっ......俺の所に化けて出てくるんじゃねぇぞ」
責めて苦しまないように......その首を落とす!!
「うぁぁぁぁァッ!!」
だが、その一瞬の迷いが事態を取り返しのつかない程悪い物にしてしまった。
刃が首に触れる瞬間、アポキュアスの身体から魔力が爆発的に放出され、俺は遥か後方まで吹き飛んだ。
半径数百メートルに渡って周囲は更地になり、支配領域を覆っていた結界も消滅した。
「ゴホッ......一体何が――――ッッ!?」
そこにあったのは、巨大な次元を超越した、七色の歪な七面体だった。
現代アートのような見た目......ニシュラブが闇の欠片を取り込んだ時にそっくりな......まさか!?
「あの時黒フードは闇の欠片を取り込ませていたのか......?」
だとしたら......コイツはやばい!!
「ォォォォオン......」
傲慢の体に圧力をかける技ッ!!!!
「グアッ......アアアアアア!!!!」
あそこからまだ能力が強くなってるのか!?
身体の至る所からメキメキと音がする......圧力を斬ろうにも腕が全く動かせないんじゃ不可能!
「根性ォ......圧力......跳ね飛ばせェ!!!!」
よし立てた!! 重力が俺の所だけ1000倍になったみたいなイメージだけど後はジャンプして斬れば――――
「ォォォォォン」
今度はなんだ!?
次の瞬間、更地になった地面が地下深くまでくり抜かれた。
上と下から同じ大きさの圧力を加えられていることで俺は穴に落ちる事なく浮いている......少しでも動いたら真っ逆さま必至!! 動けねぇ!!
「ォォォォォン......」
次の叫びで、上空に静止していたくり抜かれた地面が元に戻り始めた。いや、俺を攻撃範囲に固定したまま落ちてきた。
「まさか!? 俺を地下深くに埋めちまおうって事か!? まずい!! これは本気でまずい!!」
さすがの俺でも地下数百キロに埋められたら根性でもどうにかならない......てかあれが激突してきた時点で終わりだわアホ!!
「ならば俺がやる事はただ一つ!! 落ちてくる地面を受け止める!! かかってこいやぁ!!!!」
闘気を出来るだけ腕に集める......死ぬ気よりも死ぬ気で!!
「ハァァァァァァァッ!!!!!!」
地面がバンザイをした両手に衝突する。
一瞬、ほんの一瞬だけ地面は落下速度を落としたが、なんの抵抗を示す事もなく俺を巻き込み落ちていった。
「やっぱり斬れば良かったァァァァァ!!」
これだけは......これだけは言いたくなかったのについ口から漏れてしまう!!
「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇ~!」
次の瞬間、地面は割れ、俺は救い出された。
俺を背負っているのは、大柄な体躯をした、俺もよく知っている鬼だった。
「ッ!! お前はァ!!」
「フハハハハ!! 天を統べ、大地を裂く大空の鬼牙!! 誰かが助けを呼んでいる......誰かが俺を呼んでいる! 正義のヒーロー! クーガーマン!! ここに参上!!」
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる