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第7章 大罪天使の降誕

第122話 俺は見くびっていた②

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「――先ずはゆっくり話し合い......って感じでも無さそうだな......俺との喧嘩は高価くつくぞ?」

「殺す!!」

 真っ先に突っ込んできたのは赤髪か。

 こーゆう直線的な攻撃は受け流すに限る!

 刀の側面を拳に当てて......後ろへ衝撃を流す!!

「――なァっ!?」

 そうすりゃ自ずと体勢が崩れる......そこを転がす!!

「足元がお留守だな!!」

「いてっ!!っ~ッ!!」

 弱い......本当に幹部か? 

 ナマコ神様、ホノラ達は大丈夫か?

『今の所はなんの問題もないね。でも、いつどうなるかは分からないよ』

 まじかよ......早いトコこの三人をどうにかしないとだな。後は地面から突然出てきたあの魔道具の解析も頼む。

『分かった。マツル君も気を付けてね』

「――余所見してんじゃ――――ねぇッ!!!!」

「動きが単調。特筆して速い訳でもない。当たらねぇよ」

「舐めんてんじゃねぇよイライラすんなァ!!!?」

「スピードが上がった!?」

 受け流すタイミングを間違えたらダメージがデカすぎる......ここは真っ向勝負力比べだ!!

 刀と拳の衝突!! 凄まじいパワーだが受けられない威力じゃ――――!?

 パワーも数段上がった!?

「ラアッ!!!!」

「痛ってぇ......それがアンタの魔法か?」

「誰がテメェみたいなクズ野郎に教えるかよ!! 今だアヴァア!!!!」

「当然、一対一なんて誰も言っていませんので、全力で。貴様を無力化する」

 白髪!? いつの間に後ろへ!? 不意打ちには常に注意を払っていた......気配が無い......んな事あるか!?

強欲魔法ユニークマジック 強欲な収穫祭サグラヴァ・フェスティバル

 魔法!! まずい殺られる!!

「ぐぁぁぁぁ!!......あ?」

 なんともない......不発?

「――オラオラァ!! 今度はこっちの番だ!!!!」

 クソ!! 今度は赤髪かよ!! どうして火力が上がったか分からん以上防御すらも危険!! 避けに徹する!!

 それにしてもあの金ピカロボット......アイツも仲間だろう......? 何故手を出してこないんだ?

「クソクソクソ!! なんで避けンだよさっさと死ねクソが!!」

 あれ? さっきあんなに爆発的に上がったパワーとスピードが落ちた......貯めて一気に放つような魔法もしくはユニークスキル、それか何かを燃料にして身体能力を上げる能力のどちらかか?

「私を怒らせるんじゃねぇよ街が吹き飛ぶだろうがァァァァ!!!!」

 ダッシュの風圧でレンガ舗装の地面が吹っ飛んだ!? また速くなった!!――てか速くなり過ぎだろ!?

 でも見えない速さじゃない! 剣技で弾く!!

【我流“防御剣術”流静ながし 颯免そうめん】――――

 突然、右腕に神経のみを焼かれるような激痛が走った。

「ぐあッ!?」

 いや、走ったと感じた頃には、もう何も感じなくなっていた。

 右腕が動かなくなった。刀を落としてしまえば、もう防御なんてする事は出来ない。

った!!」

「グッ.......!!!?ブッ......」

 烈火の如き怒りが腹の中で爆発した。衝撃は体外へ噴き出し、俺の背から後ろは空間が燃え上がった。

「イーラ......コイツには聞かなきゃいけないことがあるのに! 死んでないわよね......?」

「そんな事私が知るか! 私はイラつかせてくる野郎を殴っただけだ! 死にたきゃ勝手に死んでる!」

「アヴァもイーラも落ち着け。本当は無力化だけする予定だったが、死体からでも情報を引き出す方法は幾らでもある。貴様等が持って行け」

「あーあ、死んでたらせっかく“奪った”右腕使えないじゃん! 研ぎ澄まされたいい腕だと思ったの――――」

「オイオイ......誰が死んでるって?」

「この傷でまだ動くのかァ!? 早く死ねよ!!」

「まだ右腕使えるじゃん! 奪っといてよかった!」

「だが、この傷ではそう長くは保たないだろう」

 あーもうクッソ痛ぇ......そんな事より俺の右腕。白髪の言動から察するに不発と思ってたあの魔法。あの魔法は相手の体の一部分を奪う魔法だったんだ......あーもう油断した! 

「どうするマツル。今ここで我等に捕まり、大人しく情報を吐くなら、無事に返してやってもいいぞ?」

「だから何も知らねぇッつってんだろ自己中金ピカロボットがァ!!!!」

「まだ戦う気!? 本気なの!? もうソレ振れないのよ!」

「本気も本気超本気!! 右手で刀使えなくても左手で使えば良いだけなんだよ!! マジで本気出すから! 後悔しても遅いんだかんな!!【闘気変換】!!!!」

 さて第二ラウンド!! とっととケリを着ける!!
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