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第6章 灰の反逆

第108話 宴②

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「おぉ小僧!! それにみんな揃って......なんか若干人数が増えた気がするがちょうどいい! 小僧! 少しその刀を貸してくれ! 解体が上手くいかんでな......」

「モフロー......? 何? これ」

「ん? 我と戦った上位混沌竜ハイカオスドラゴンであるが?」

 硬い鱗を裂きたいのか爪でカリカリしながらモフローは何の気なしに答える。

「まず何がどうなったか聞かせてくれるか?」

「おお小僧も聞きたいか! 我の激闘の一部始終を――――!!」

 モフローは手を止め、嬉しそうにしっぽをぶん回しながら話してくれた。

~~~~

「さて上位混沌竜ハイカオスドラゴン......どう戦おうか?」

「ゴァァァァァッ!!」

 ヤツは対峙した時とにかく我に咆哮を浴びせてきたのよ。

「クハハ! 我も貴様のような強き魔物と戦えるのが嬉しいぞ! だから――――」

「ゴァァァァァッ!!!!!!」

「......それで――――」

「ゴァァァァァッ!!!!!!!!」

「............」

 とにかく我の口上も、ヤツに対する賛辞の言葉もまるで聞く耳を持たず咆哮を続け、挙句の果てに我が喋ってる途中で襲いかかって来たのよ。

「我の話を最後まで聴けやトカゲ風情がァァァァッ!!!! 【閃狼魔法・深淵乱剛雷アビスサンダーレイ】!!」

「ゴッ――――!? ァ?」

 んでなんかイラッとしたのでヤツの魔法が我に届くより先に我が魔法を放ったら死んだ。

~~~~

「――と言う訳なのよ」

「なるほどね......ってなるかあっ!? ロックさん!? なんか事前情報と随分違うんですけど!?」

 この話を聞いて、ただ一人を除き全員が唖然としていた。

「いや、まさかこの魔獣があのドラゴンを一撃で屠っているとは......」

 上位混沌竜ハイカオスドラゴンのヤバさを一番知っているであろうロックとコリンは開いた口が塞がらなくなっている。

「ズルい! なんでそんな強そうなドラゴンのこと先に教えてくれなかったの!? 私も戦いたかったのに!」

「ホノラは今度もっと強い奴と戦わせてあげるから今暴れるのは止めなさい」

「暴れないわよ!?」

「マツル貴様......我が妹を猛獣か何かだと勘違いしていないか......?」

「いや、別にそんな事は......」

「マツル君達賑やかだねー!」

 ダメだまとめ役がいねぇ!!

「――ねえ、それでなんでモフローちゃんは上位混沌竜ハイカオスドラゴンを解体しようとしていたの? 素材関連なら解体しない方が高く買い取って貰えるのに......」

 ガブリエーラさんの質問が飛ぶ。
 確かに。一生懸命肉の部分を取り出そうとしているのも謎......まさか!?

「うむ、貴様らがここへ帰って来る時にきっと腹を空かせているだろうと思ってな。肉の準備をしていたのだよ」

「て事はつまり......?」

「「「ドラゴン肉で焼肉大パーティだァァァァッ!!!!」」」
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