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第6章 灰の反逆
第107話 宴①
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「何かを忘れているような......」
何がとは分からないがそんな気がしてならない。
「「「うーん......?」」」
ロージー、ガブリエーラさん、パンナも何かを忘れている事に対して心当たりがあるようで頭を抱えている。
インキクセー湿原に来てドンパチ始める事早数時間、それなりに色々あって誰も細かい事を覚えていないと言うのもあり、みんなして頭を抱えていた。
「――わかったわ!!」
突然声をあげたのは多分何も分かっていないホノラである。
「......一応聞こうか?」
「みんなお腹が減ってるのよ! ここに来てからみんな気を張っててお腹が減った事に気付かなかった! そうじゃない?」
「そんな訳ねーだろうがァッ!? 違うんだよ俺達が忘れかけてるのはなんかこう......もっと重要な事なんだよ......!?」
「とは言っても、確かに腹減ったなぁ......」
「みんなで食事を摂ってからでも思い出すのは遅くないんじゃなくて?」
「我が愛す......ホノラの言う通りだ。先に飯にしないか」
そもそも悩んでない組がホノラの空腹発言に同意する。
確かに腹はめっちゃ減っている。減っているのだが......
「大体こんな荒れた湿地のど真ん中に食料はねーだろ」
「確かに。あーあ! どっかに食えそうな魔獣の一匹や二匹いねぇかなぁ!」
「そんな都合良くいる訳――――」
ん? 待てよ......? 魔獣.....移動......モフロー......!?
「そうだよモフロー!! アイツ確か上位混沌竜と戦うって向こうに残ってたよな!?」
「ハッ!!!!」
「そうよモフローちゃん!!」
「完全に意識から飛んでたよね......ごめん」
「ウォォォォォン!!!!」
直後、地響きを伴い雷鳴とモフローの雄叫びが聞こえてきた。
「まさか!? あいつまだ戦ってるんじゃぁ......」
「何? 今度はドラゴン!? 楽しみ!」
「待てホノラ。ドラゴンは危険だ! もしその美しい肌に傷でも付いたら......」
「うっさい兄貴!」
「お前ら後にしてくれねぇかなぁ!! とにかく今は急ぐぞ!!」
俺達は全員でモフローの声がした方へと向かうのだった。
◇◇◇◇
「なぁマツル、」
向かっている途中、ロックが話しかけてきた。
「ん? どうしたんだ?」
「そのモフロー? とやらが戦ってる上位混沌竜は研究者としての一面も持つニシュラブの創り出した改造魔獣の最高傑作だ。通常の上位混沌竜は火、水、風の三属性を操るが改造された奴はそこに地の属性も入れて四属性を同時に操る」
「まじかよ。モフローはとんでもない奴相手にしてんだなぁ......」
「それに加えてその鱗は全くと言っていいほど魔法、物理共に通らん。それに体内に仕込まれた魔力回路は無限の魔力を生み出しその爪と牙は万物を破壊する。おまけに死に直面すると魔力回路が自動的に暴走し自爆する機能まで――」
「もう分かった! 俺の想像の五倍位強いのがよく分かった!」
でもまぁこのメンツで負ける方が難しいとは思うが、念の為用心しておいた方が良いな。
そんな事を話しているうちに、モフローと別れた辺りまで来ていた。
「モフロー!! 大丈夫か!? こっちは全部片付いたから助けに来た......ぞ?」
俺達が目にしたのは驚愕の光景だった。
「おぉ小僧!! それにみんな揃って......なんか若干人数が増えた気がするがちょうどいい! 小僧! 少しその刀を貸してくれ! 解体が上手くいかんでな......」
モフローはその身に一つの傷もなく、地に伏し、完全に事切れた上位混沌竜を自らの爪で一生懸命解体しようとしていたのだった。
何がとは分からないがそんな気がしてならない。
「「「うーん......?」」」
ロージー、ガブリエーラさん、パンナも何かを忘れている事に対して心当たりがあるようで頭を抱えている。
インキクセー湿原に来てドンパチ始める事早数時間、それなりに色々あって誰も細かい事を覚えていないと言うのもあり、みんなして頭を抱えていた。
「――わかったわ!!」
突然声をあげたのは多分何も分かっていないホノラである。
「......一応聞こうか?」
「みんなお腹が減ってるのよ! ここに来てからみんな気を張っててお腹が減った事に気付かなかった! そうじゃない?」
「そんな訳ねーだろうがァッ!? 違うんだよ俺達が忘れかけてるのはなんかこう......もっと重要な事なんだよ......!?」
「とは言っても、確かに腹減ったなぁ......」
「みんなで食事を摂ってからでも思い出すのは遅くないんじゃなくて?」
「我が愛す......ホノラの言う通りだ。先に飯にしないか」
そもそも悩んでない組がホノラの空腹発言に同意する。
確かに腹はめっちゃ減っている。減っているのだが......
「大体こんな荒れた湿地のど真ん中に食料はねーだろ」
「確かに。あーあ! どっかに食えそうな魔獣の一匹や二匹いねぇかなぁ!」
「そんな都合良くいる訳――――」
ん? 待てよ......? 魔獣.....移動......モフロー......!?
「そうだよモフロー!! アイツ確か上位混沌竜と戦うって向こうに残ってたよな!?」
「ハッ!!!!」
「そうよモフローちゃん!!」
「完全に意識から飛んでたよね......ごめん」
「ウォォォォォン!!!!」
直後、地響きを伴い雷鳴とモフローの雄叫びが聞こえてきた。
「まさか!? あいつまだ戦ってるんじゃぁ......」
「何? 今度はドラゴン!? 楽しみ!」
「待てホノラ。ドラゴンは危険だ! もしその美しい肌に傷でも付いたら......」
「うっさい兄貴!」
「お前ら後にしてくれねぇかなぁ!! とにかく今は急ぐぞ!!」
俺達は全員でモフローの声がした方へと向かうのだった。
◇◇◇◇
「なぁマツル、」
向かっている途中、ロックが話しかけてきた。
「ん? どうしたんだ?」
「そのモフロー? とやらが戦ってる上位混沌竜は研究者としての一面も持つニシュラブの創り出した改造魔獣の最高傑作だ。通常の上位混沌竜は火、水、風の三属性を操るが改造された奴はそこに地の属性も入れて四属性を同時に操る」
「まじかよ。モフローはとんでもない奴相手にしてんだなぁ......」
「それに加えてその鱗は全くと言っていいほど魔法、物理共に通らん。それに体内に仕込まれた魔力回路は無限の魔力を生み出しその爪と牙は万物を破壊する。おまけに死に直面すると魔力回路が自動的に暴走し自爆する機能まで――」
「もう分かった! 俺の想像の五倍位強いのがよく分かった!」
でもまぁこのメンツで負ける方が難しいとは思うが、念の為用心しておいた方が良いな。
そんな事を話しているうちに、モフローと別れた辺りまで来ていた。
「モフロー!! 大丈夫か!? こっちは全部片付いたから助けに来た......ぞ?」
俺達が目にしたのは驚愕の光景だった。
「おぉ小僧!! それにみんな揃って......なんか若干人数が増えた気がするがちょうどいい! 小僧! 少しその刀を貸してくれ! 解体が上手くいかんでな......」
モフローはその身に一つの傷もなく、地に伏し、完全に事切れた上位混沌竜を自らの爪で一生懸命解体しようとしていたのだった。
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