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第6章 灰の反逆
第93話 灰の男③
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「――まさかお前を完封する為に改良した【灰防御魔法・雫の虚城】がこうも簡単に破られるとは......そこだけは褒めてやっても良いが......お前はもう駄目だな。“次”へ行くのは俺だ」
あああああクソクソクソ!! 防御壁壊した位じゃ勝てないとは思ったけどあのガラスの散弾くらってなんでお前は立ち上がれるんだよ!!
もう限界だ......意識が......飛ぶ...!
「さらばだマツル......お前の負けだ【灰魔法 灰葬槍】――――」
生成された灰の槍が喉元に突き立てられる......負ける? 結局何も知れず......弱いまま......
「ガァァァァァア゛ッ!!!!」
違うだろ...!! 勝つんだよ! ここで死ぬ事は俺が許さねぇ!!
「何故立ち上がれる......何故そうも勝ちを諦めない目ができる......何がお前をそうさせる!!」
「ホノラから......お前の妹から任されてんだわ......適当にボコって来いって......まだ俺は一発も入れてねぇ!! それにまだ負けてねぇ!! 文句あるか!?」
「少し声を荒らげただけで口から血が吹き出し、立つことすらやっとのお前に! 俺が負けると言うのか!? 良いだろう! やってみろよ!!」
「妹の頼みを無下にするいいお兄ちゃんじゃねぇかオイ!!」
「黙れ!! お前に俺達兄妹の何が分かる!!」
「分かんないね!! お前の激重シスコン感情なんざ分かりたくもねぇ!! 一遍死んで心入れ替えて来いや!!【闘気変換】!!!!」
ぐぁぁぁイッテェ!! これが最後のチャンス......闘気を維持し続けるのは不可能!! どう足掻いても後一ラウンド......絶対にモノにする!!
「――あれだけの大口を叩いたんだ......すぐ死んでくれるなよ!【次元魔法 次元瞬動】」
なんじゃあの動き!? レオノラだけ時を削っているような細かい瞬間移動!!
『あれは次元魔法! 術者が文字通り次元を超えた移動・攻撃をしてくるよ!! どこであんな魔法を......』
クソ強じゃねぇか!! あの野郎まだ隠し玉持ってたのかよ!!
「【我流“防御剣術”流静――――」
『ダメだマツル君!! 防御したら!!』
「何――!?」
「遅い」
レオノラの拳は防御に回った刀身をすり抜け俺の顔面を抉った。
「ガフッ――!!......すり抜け――?」
『“次元魔法”は防御を無視して攻撃が出来る......すり抜けも攻撃も術者の思いのままさ』
先に言えよ体力更に無くなったじゃねぇか!!
――でも、さっきの一撃で霧も晴れたし透明になってない所を見るにガラスの防御壁も使ってない! なら俺にだってやりようはある!
レオノラの動きをよく観察しろ......凄い速さで瞬間移動を繰り返してるとは言っても必ず攻撃は俺の間合いで繰り出される......馬鹿の一つ覚えみたいにカウンターだがこれしかない!
「――死ね」
明らかに右拳を隠しての特攻! 何がどこから来る!? 相手はどこへでも瞬間移動できる、視野を広げ――
「警戒しているな。なら正面だ」
飛ばなかった!? 絶対に受けるな......この距離ならどんな打撃も避けられる。
【灰魔法 灰投げ】
打撃でもすり抜けでもないただの灰!? ちょっと吸い込んだ......でも何も無い? 俺の周りに灰が漂っているだけだ。
目眩し......?
俺が目眩しだと判断するまでに使ったコンマ数秒。その間にレオノラは既に次の魔法を使用していた。
「知っているか? 粉に火をつけると爆発するんだ」
この灰は目眩しなんかじゃない!! 周囲を爆薬に囲まれた状態であの火種は避けようが――――
【“合技”灰燼爆破】
「グァァァァァァ!!!!」
闘気じゃ魔法は防げない!! 身体が――焼ける!!!!
生を急ぎ過ぎた......爆炎を吸い込んじまった......また更に喉から肺にかけて灼けちまった......今日だけで身体壊し過ぎだろ。
「グア......カ......!」
熱さで逆に意識が覚醒した......大丈夫。まだ戦える!
「まだ生きているのか......? 下手に頑丈なのも不便な物だな」
「マ゛ダダ!! オレはまだ......負けちゃいねぇ......!!!!」
もう闘気を維持する気力もねぇ......後一発! 後一発だけ俺に撃たせてくれ!!
「カッ!! どうしたクソ兄貴!! オレは死んでねぇぞ!?」
「どうやったら死ぬんだ? 心臓でも潰せば流石にどうだ?」
ご丁寧に正面から俺の胸目掛けてストレート!! だがお前ならここから――
「後ろに行くだろ!!」
「!?」
ビンゴ!! 後ろに瞬間移動してからの回し蹴りだ!! これをカウンターする!!
「なら正面がガラ空きになるよな?」
ここから更に正面への瞬間移動!? 刀は後ろに回しちまってる!! 受けられない――――!!
「なんてな」
闘気を纏わせた左脚での回し蹴りがレオノラの蹴りと交差する。ノーガードの俺を蹴るつもりだったからか脚がすり抜けない。いける!
肉弾戦特化の闘気を纏ってるんだ! 押し勝つのは俺だ!
「刀を後ろへ振り抜く胴の回転を利用した正面への回し蹴りだと!?」
レオノラが反動で大きく体勢を崩した!!
全身がこれ以上動かすなって絶叫している......だが!! 勝つなら今しかねぇ!!
「レオノラ!! お前は壁だ!! 邪魔な壁は俺がぶち壊す!!【必殺!! 超最強無敵パンチ】!!」
「ぐぁぁぁぁぁッ!!」
俺の全てを込めた一撃は顔面にめり込み、レオノラはそのまま意識を失った。
◇◇◇◇
「うぐ......ここは......」
「よう、目が覚めたか? お兄ちゃん」
俺が体力を回復させる為にしばらく休んでいると、レオノラは目を覚ました。
「――最後の蹴りと拳......俺と同じ動き......我が愛する妹に教えて貰ったのか?」
急にどうしたんだコイツは?
「別に教えて貰った訳じゃねぇよ。喧嘩しまくってたら自然と覚えただけだ」
一回もホノラには勝てた事無いけどな。
「そうか......本当に君は......認めたくは無いが先に戦闘不能になった俺の負けだ。約束通り、今回の俺の一連の行動について少し話をしようか」
あああああクソクソクソ!! 防御壁壊した位じゃ勝てないとは思ったけどあのガラスの散弾くらってなんでお前は立ち上がれるんだよ!!
もう限界だ......意識が......飛ぶ...!
「さらばだマツル......お前の負けだ【灰魔法 灰葬槍】――――」
生成された灰の槍が喉元に突き立てられる......負ける? 結局何も知れず......弱いまま......
「ガァァァァァア゛ッ!!!!」
違うだろ...!! 勝つんだよ! ここで死ぬ事は俺が許さねぇ!!
「何故立ち上がれる......何故そうも勝ちを諦めない目ができる......何がお前をそうさせる!!」
「ホノラから......お前の妹から任されてんだわ......適当にボコって来いって......まだ俺は一発も入れてねぇ!! それにまだ負けてねぇ!! 文句あるか!?」
「少し声を荒らげただけで口から血が吹き出し、立つことすらやっとのお前に! 俺が負けると言うのか!? 良いだろう! やってみろよ!!」
「妹の頼みを無下にするいいお兄ちゃんじゃねぇかオイ!!」
「黙れ!! お前に俺達兄妹の何が分かる!!」
「分かんないね!! お前の激重シスコン感情なんざ分かりたくもねぇ!! 一遍死んで心入れ替えて来いや!!【闘気変換】!!!!」
ぐぁぁぁイッテェ!! これが最後のチャンス......闘気を維持し続けるのは不可能!! どう足掻いても後一ラウンド......絶対にモノにする!!
「――あれだけの大口を叩いたんだ......すぐ死んでくれるなよ!【次元魔法 次元瞬動】」
なんじゃあの動き!? レオノラだけ時を削っているような細かい瞬間移動!!
『あれは次元魔法! 術者が文字通り次元を超えた移動・攻撃をしてくるよ!! どこであんな魔法を......』
クソ強じゃねぇか!! あの野郎まだ隠し玉持ってたのかよ!!
「【我流“防御剣術”流静――――」
『ダメだマツル君!! 防御したら!!』
「何――!?」
「遅い」
レオノラの拳は防御に回った刀身をすり抜け俺の顔面を抉った。
「ガフッ――!!......すり抜け――?」
『“次元魔法”は防御を無視して攻撃が出来る......すり抜けも攻撃も術者の思いのままさ』
先に言えよ体力更に無くなったじゃねぇか!!
――でも、さっきの一撃で霧も晴れたし透明になってない所を見るにガラスの防御壁も使ってない! なら俺にだってやりようはある!
レオノラの動きをよく観察しろ......凄い速さで瞬間移動を繰り返してるとは言っても必ず攻撃は俺の間合いで繰り出される......馬鹿の一つ覚えみたいにカウンターだがこれしかない!
「――死ね」
明らかに右拳を隠しての特攻! 何がどこから来る!? 相手はどこへでも瞬間移動できる、視野を広げ――
「警戒しているな。なら正面だ」
飛ばなかった!? 絶対に受けるな......この距離ならどんな打撃も避けられる。
【灰魔法 灰投げ】
打撃でもすり抜けでもないただの灰!? ちょっと吸い込んだ......でも何も無い? 俺の周りに灰が漂っているだけだ。
目眩し......?
俺が目眩しだと判断するまでに使ったコンマ数秒。その間にレオノラは既に次の魔法を使用していた。
「知っているか? 粉に火をつけると爆発するんだ」
この灰は目眩しなんかじゃない!! 周囲を爆薬に囲まれた状態であの火種は避けようが――――
【“合技”灰燼爆破】
「グァァァァァァ!!!!」
闘気じゃ魔法は防げない!! 身体が――焼ける!!!!
生を急ぎ過ぎた......爆炎を吸い込んじまった......また更に喉から肺にかけて灼けちまった......今日だけで身体壊し過ぎだろ。
「グア......カ......!」
熱さで逆に意識が覚醒した......大丈夫。まだ戦える!
「まだ生きているのか......? 下手に頑丈なのも不便な物だな」
「マ゛ダダ!! オレはまだ......負けちゃいねぇ......!!!!」
もう闘気を維持する気力もねぇ......後一発! 後一発だけ俺に撃たせてくれ!!
「カッ!! どうしたクソ兄貴!! オレは死んでねぇぞ!?」
「どうやったら死ぬんだ? 心臓でも潰せば流石にどうだ?」
ご丁寧に正面から俺の胸目掛けてストレート!! だがお前ならここから――
「後ろに行くだろ!!」
「!?」
ビンゴ!! 後ろに瞬間移動してからの回し蹴りだ!! これをカウンターする!!
「なら正面がガラ空きになるよな?」
ここから更に正面への瞬間移動!? 刀は後ろに回しちまってる!! 受けられない――――!!
「なんてな」
闘気を纏わせた左脚での回し蹴りがレオノラの蹴りと交差する。ノーガードの俺を蹴るつもりだったからか脚がすり抜けない。いける!
肉弾戦特化の闘気を纏ってるんだ! 押し勝つのは俺だ!
「刀を後ろへ振り抜く胴の回転を利用した正面への回し蹴りだと!?」
レオノラが反動で大きく体勢を崩した!!
全身がこれ以上動かすなって絶叫している......だが!! 勝つなら今しかねぇ!!
「レオノラ!! お前は壁だ!! 邪魔な壁は俺がぶち壊す!!【必殺!! 超最強無敵パンチ】!!」
「ぐぁぁぁぁぁッ!!」
俺の全てを込めた一撃は顔面にめり込み、レオノラはそのまま意識を失った。
◇◇◇◇
「うぐ......ここは......」
「よう、目が覚めたか? お兄ちゃん」
俺が体力を回復させる為にしばらく休んでいると、レオノラは目を覚ました。
「――最後の蹴りと拳......俺と同じ動き......我が愛する妹に教えて貰ったのか?」
急にどうしたんだコイツは?
「別に教えて貰った訳じゃねぇよ。喧嘩しまくってたら自然と覚えただけだ」
一回もホノラには勝てた事無いけどな。
「そうか......本当に君は......認めたくは無いが先に戦闘不能になった俺の負けだ。約束通り、今回の俺の一連の行動について少し話をしようか」
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