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第6章 灰の反逆
第71話 まさかあいつかそんな事①
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「マツル様ですね? お話は伺っております。先ずはこちらへ」
ノヴァーリスのギルド本部へ到着すると、すぐさま受付の人が出てきて俺達は関係者以外立入禁止の転移魔法陣へと案内された。
「マツル君! 良かった......」
ロージーが俺に駆け寄り肩に手を置いて安堵のため息をする。
転移したその先の部屋には、ロージー、ウィールさん、フリージアさん、パンナ達、クーガとガブリーさんがいた。
「みんな! 俺達がいない間サラバンドで何があったんだ!!」
全員が黙り何も喋らない......
「マツル君達が休暇を取っている間、僕とウィールはノヴァーリスに来ていて何があったのか分からないんだ......」
ロージーはそう言って頭を抱えた。
「はっ......俺から何があったのかを話そう......」
次に重く口を開いたのはパンナであった。普段のテンションからは想像出来ないほど顔に闇を落としており、酷くやつれている。
「あれは数日前の事だ――――」
パンナは俺達がいない間に何が起きたのか、自分の経験した事を話してくれた――――
~~~~~~~~
俺とヤリナ、モクナはクエストの報告とついでにもう一つクエストを受ける為にギルドへ行ったんだ。
「ハッ!!!! 依頼が無い!? しかも受付にも誰も居ないぞ!!!!」
「依頼が無いって事は困ってる人も居ないって事ですね!!!! 流石はパンナ様だぜ!」
「サラバンドの困り事を片っ端から解決していく! その手腕に俺たちは惚れてるんだ!!!!」
「「あそれパンナ! パッンッナ!!」」
たまたまギルドの依頼が全てなかったので大人しく帰ろうとしたら......
「何騒いでんだよパンナ......今日はもうみんな出払っちまってたぶん誰も帰ってこねぇぞ?」
メツセイさんが誰もいない”ヨージ“で一人酒を飲んでたんだ。
どうやら俺達とメツセイ以外の冒険者はみんなクエストに行っているらしく、それ以外のギルド職員もみんな何かしらの用事でいなくなってしまったらしい。
「ハッ!!!! よくわからんがメツセイは誰もいないのをいい事に勝手に店の酒を飲んでいるのだな!!」
「う......お前らにも分けてやるから内緒にしてくれよ?」
ここで事件は起こった。突然沈み込むような地響きが起こり、膨大な数の魔力が突如として出現したのだ。
そこへ俺達が行くと、そこでは魔王ニシュラブの配下を名乗る魔人の軍勢が人々を襲い、街を破壊していた。
当然俺達は戦ったが歯が立たず......メツセイがそこに一人残り俺達を逃がしてくれたんだ......
「この事をギルマスや兄ちゃん達に伝えろ! だからお前は生きなきゃならねぇ!!」
「ッ! すまないメツセイ......」
俺達はメツセイを見捨てて逃げた。
~~~~~~~~
「――という訳だ......」
「なんだよそれ......なんで急に街の中に魔人が現れるんだ? 街のみんなは? どうしたんだよ!」
誰も何も答えない......
「マツル君......とても言い難い事なのですが......街の人は生存者も、遺体も、何一つ見つかってないのです......」
「襲われていたのに? 大体、メツセイやパンナの他にも王国騎士団の人達とかいただろ! それにレオノラだっている! アイツがいて勝てない相手なんて.....」
俺がレオノラの名前を出した途端、俺達三人以外の表情が明らかに硬くなった。
何かに怯えるような、自分たちが伝えなければならない事実さえも自分たちで疑っているような、そんな表情だ。
「実は......その魔王ニシュラブの軍勢を率い、メツセイが俺とヤリナ、モクナを自分の命を懸けてまで逃がさなければならなかった、その相手こそが......サラバンド王国騎士団長、レオノラだったんだ」
ノヴァーリスのギルド本部へ到着すると、すぐさま受付の人が出てきて俺達は関係者以外立入禁止の転移魔法陣へと案内された。
「マツル君! 良かった......」
ロージーが俺に駆け寄り肩に手を置いて安堵のため息をする。
転移したその先の部屋には、ロージー、ウィールさん、フリージアさん、パンナ達、クーガとガブリーさんがいた。
「みんな! 俺達がいない間サラバンドで何があったんだ!!」
全員が黙り何も喋らない......
「マツル君達が休暇を取っている間、僕とウィールはノヴァーリスに来ていて何があったのか分からないんだ......」
ロージーはそう言って頭を抱えた。
「はっ......俺から何があったのかを話そう......」
次に重く口を開いたのはパンナであった。普段のテンションからは想像出来ないほど顔に闇を落としており、酷くやつれている。
「あれは数日前の事だ――――」
パンナは俺達がいない間に何が起きたのか、自分の経験した事を話してくれた――――
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俺とヤリナ、モクナはクエストの報告とついでにもう一つクエストを受ける為にギルドへ行ったんだ。
「ハッ!!!! 依頼が無い!? しかも受付にも誰も居ないぞ!!!!」
「依頼が無いって事は困ってる人も居ないって事ですね!!!! 流石はパンナ様だぜ!」
「サラバンドの困り事を片っ端から解決していく! その手腕に俺たちは惚れてるんだ!!!!」
「「あそれパンナ! パッンッナ!!」」
たまたまギルドの依頼が全てなかったので大人しく帰ろうとしたら......
「何騒いでんだよパンナ......今日はもうみんな出払っちまってたぶん誰も帰ってこねぇぞ?」
メツセイさんが誰もいない”ヨージ“で一人酒を飲んでたんだ。
どうやら俺達とメツセイ以外の冒険者はみんなクエストに行っているらしく、それ以外のギルド職員もみんな何かしらの用事でいなくなってしまったらしい。
「ハッ!!!! よくわからんがメツセイは誰もいないのをいい事に勝手に店の酒を飲んでいるのだな!!」
「う......お前らにも分けてやるから内緒にしてくれよ?」
ここで事件は起こった。突然沈み込むような地響きが起こり、膨大な数の魔力が突如として出現したのだ。
そこへ俺達が行くと、そこでは魔王ニシュラブの配下を名乗る魔人の軍勢が人々を襲い、街を破壊していた。
当然俺達は戦ったが歯が立たず......メツセイがそこに一人残り俺達を逃がしてくれたんだ......
「この事をギルマスや兄ちゃん達に伝えろ! だからお前は生きなきゃならねぇ!!」
「ッ! すまないメツセイ......」
俺達はメツセイを見捨てて逃げた。
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「――という訳だ......」
「なんだよそれ......なんで急に街の中に魔人が現れるんだ? 街のみんなは? どうしたんだよ!」
誰も何も答えない......
「マツル君......とても言い難い事なのですが......街の人は生存者も、遺体も、何一つ見つかってないのです......」
「襲われていたのに? 大体、メツセイやパンナの他にも王国騎士団の人達とかいただろ! それにレオノラだっている! アイツがいて勝てない相手なんて.....」
俺がレオノラの名前を出した途端、俺達三人以外の表情が明らかに硬くなった。
何かに怯えるような、自分たちが伝えなければならない事実さえも自分たちで疑っているような、そんな表情だ。
「実は......その魔王ニシュラブの軍勢を率い、メツセイが俺とヤリナ、モクナを自分の命を懸けてまで逃がさなければならなかった、その相手こそが......サラバンド王国騎士団長、レオノラだったんだ」
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