34 / 135
第3章 兄と妹
第34話 サラバンド王国騎士団長②
しおりを挟む
何故かホノラの兄と戦うことになった俺は、例によってギルド地下の訓練場に来ていた。
国王の凱旋パレードを見に来ていた人がそのまま観客席に入ったので、ギルドマスターと戦った時より多く人が来ていた。
「――じゃあホノラ兄、ルールはどうする?」
「無い。死ぬまでやろう」
おっかねえなまじで! コイツ本当は危険人物だろ!
「流石にそれは私が許しません。どちらかが降参させるか、戦闘不能の状態になったら勝負ありとします!」
立会人のウィールの提案を、ホノラ兄は渋々だが受け入れてくれた。マジで俺の事殺すつもりだったんかいワレェ......
「――では、サラバンド王国騎士団長筆頭“レオノラ”様対! 冒険者ギルド、サラバンド支部Bランク冒険者“マツル”さん! 試合――――開始です!」
――――
さてどうするか......確かギルドマスターと戦った時は突っ込んで負けたからな、今回は様子を伺ってみるか......
ホノラ兄......レオノラだっけ? はローブを脱ぎ、長い髪を纏めて動きやすい服装になっている。だが魔法を使う為の杖等は持っていない......どうやって魔法を使うんだ?
そういえば俺だとは知らなかったけど目無しの魔獣事件解決の立役者が剣士だって事は知ってたよな......
アイツは俺の情報知ってて俺は知らないって既に不利じゃねぇか!?
「――おい、あまり流暢にしていると貴様の負けが確定するぞ?」
「だったら俺が攻撃を始めたらテメェの負けが確定するけどいいのか?」
「じゃあやってみるといいさ」
舐めやがって......! じゃあお望み通り斬ってやるよ!
「疾!!」
全身の力を足に移動させ、踏み込みの速度を上げる!
俺の間合いに入った瞬間! 足に込めた力を腕に移動!! これで終わりだァッ!!
必殺の威力を込めた剣激が人の反応を軽く超える速さで腕に命中する。
ギィィン!!!!......
しかし響く音は鋼と何か硬い物を打ち付けた様な音だった。
「硬い!?」
いや、ただ硬いだけじゃない。それなら簡単に斬れるはずだ.......
「不思議かい? この程度の貴様が救国の英雄だのとは笑わせてくれる......」
レオノラは俺を馬鹿にしたような、ニヤついた顔で話しかけてくる。
「ンだとテメェ......! 余裕こいてられるのも今のうちだぞ!?」
俺は休む間を与えないように連続で攻撃を繰り出した。
三十分程斬り続けただろうか......しかし全てダメージになることは無く、ただ虚しい金切り声 音を響かせるだけだった。
「クソ......これじゃあ俺が先にバテちまう!」
レオノラはピンピンしてるのに俺の息が上がってきた。肩で大きく息をしないと酸素の供給が間に合わない。
「あぁ......もう終わりか。じゃあ、大人しく負けを認めてもらおう」
心底退屈そうな表情のレオノラが俺に降参を勧めてくる。
「まだ俺負けてねぇからな!? 絶対その無敵余裕面をボコボコの泣き顔に変えてやるわぁ!!!!」
大きく息を吸い込め! 次の行動のエネルギーに全てを変えろ!!
「――――貴様の負けだよ」
大きく息を吸い込んだ瞬間、肺に凄まじい激痛が走る。
「ゲホッゴホッ......!」
咳が止まらない......肺が痛い......
口に当てていた手を見ると大量に吐血していた事が分かった。肺と気道から出血したであろう血液は手に収まり切る事はなく地面にボタボタと滴っている。
「な゛ん゛だ......ごれ゛」
これがレオノラの魔法って事か......!?
――――後書き――――――――――
ホノラの兄、レオノラは一体なんの魔法を使っているのか! みんなで考えて見て欲しいです!
国王の凱旋パレードを見に来ていた人がそのまま観客席に入ったので、ギルドマスターと戦った時より多く人が来ていた。
「――じゃあホノラ兄、ルールはどうする?」
「無い。死ぬまでやろう」
おっかねえなまじで! コイツ本当は危険人物だろ!
「流石にそれは私が許しません。どちらかが降参させるか、戦闘不能の状態になったら勝負ありとします!」
立会人のウィールの提案を、ホノラ兄は渋々だが受け入れてくれた。マジで俺の事殺すつもりだったんかいワレェ......
「――では、サラバンド王国騎士団長筆頭“レオノラ”様対! 冒険者ギルド、サラバンド支部Bランク冒険者“マツル”さん! 試合――――開始です!」
――――
さてどうするか......確かギルドマスターと戦った時は突っ込んで負けたからな、今回は様子を伺ってみるか......
ホノラ兄......レオノラだっけ? はローブを脱ぎ、長い髪を纏めて動きやすい服装になっている。だが魔法を使う為の杖等は持っていない......どうやって魔法を使うんだ?
そういえば俺だとは知らなかったけど目無しの魔獣事件解決の立役者が剣士だって事は知ってたよな......
アイツは俺の情報知ってて俺は知らないって既に不利じゃねぇか!?
「――おい、あまり流暢にしていると貴様の負けが確定するぞ?」
「だったら俺が攻撃を始めたらテメェの負けが確定するけどいいのか?」
「じゃあやってみるといいさ」
舐めやがって......! じゃあお望み通り斬ってやるよ!
「疾!!」
全身の力を足に移動させ、踏み込みの速度を上げる!
俺の間合いに入った瞬間! 足に込めた力を腕に移動!! これで終わりだァッ!!
必殺の威力を込めた剣激が人の反応を軽く超える速さで腕に命中する。
ギィィン!!!!......
しかし響く音は鋼と何か硬い物を打ち付けた様な音だった。
「硬い!?」
いや、ただ硬いだけじゃない。それなら簡単に斬れるはずだ.......
「不思議かい? この程度の貴様が救国の英雄だのとは笑わせてくれる......」
レオノラは俺を馬鹿にしたような、ニヤついた顔で話しかけてくる。
「ンだとテメェ......! 余裕こいてられるのも今のうちだぞ!?」
俺は休む間を与えないように連続で攻撃を繰り出した。
三十分程斬り続けただろうか......しかし全てダメージになることは無く、ただ虚しい金切り声 音を響かせるだけだった。
「クソ......これじゃあ俺が先にバテちまう!」
レオノラはピンピンしてるのに俺の息が上がってきた。肩で大きく息をしないと酸素の供給が間に合わない。
「あぁ......もう終わりか。じゃあ、大人しく負けを認めてもらおう」
心底退屈そうな表情のレオノラが俺に降参を勧めてくる。
「まだ俺負けてねぇからな!? 絶対その無敵余裕面をボコボコの泣き顔に変えてやるわぁ!!!!」
大きく息を吸い込め! 次の行動のエネルギーに全てを変えろ!!
「――――貴様の負けだよ」
大きく息を吸い込んだ瞬間、肺に凄まじい激痛が走る。
「ゲホッゴホッ......!」
咳が止まらない......肺が痛い......
口に当てていた手を見ると大量に吐血していた事が分かった。肺と気道から出血したであろう血液は手に収まり切る事はなく地面にボタボタと滴っている。
「な゛ん゛だ......ごれ゛」
これがレオノラの魔法って事か......!?
――――後書き――――――――――
ホノラの兄、レオノラは一体なんの魔法を使っているのか! みんなで考えて見て欲しいです!
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる