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細いロウソクの炎だけが、ささやかにダンジョン内を照らす。芯に魔術紋を施した特殊なロウソクだ。こめた魔力のぶんだけ燃えるので、うまく調整して、どれくらい寝たかの目安にする。大抵、朝近くに消えるようにしておき、太陽の見えないダンジョンでの時間の目安にする。
ローゼは、きちんと魔物避けを施し、安全を確保したうえでシュラフにくるまって、ロウソクの横ですやすやと眠っている。
(あぁ、ローゼさんの寝顔見たい……いや、我慢我慢)
穏やかなローゼと対象的に、岩陰で耐えるアッシュだった。
これは、仕事なのだ。
じろじろ寝顔をみるとか、失礼極まりない。
なので。
(ロウソクの炎チェックしよ)
ちゃんと灯りがついているか。
魔物忌避剤は働いているか。
変な魔物が近寄ってたりしないか。
そんな大義名分とともに、こっそりのぞくアッシュであった。
(あぁー、寝言いってるローゼさんもかわいい……って、いかんいかん)
頬をつねりつつ、邪念が入らないよう気をつける。
そんな己との戦いにふけること数時間。
ふと、妙な気配にアッシュは気づいた。
(なんだ……? ローゼさんの荷物から、魔力が増大する気配)
壁際に立てかけてあるバッグパック。
その一部が、もぞりと動いた気がした。
目を凝らすアッシュの前で、もぞもぞが次第に大きくなる。
ついには、留具がピンとはずれて、なかから黒くて丸いものが飛び出してきた。
気づかず眠り続けるローゼの顔の横にころがりつき、ゆるく三回ほど回転して止まる。
(なんだ、あれ?)
どくん。
鼓動にも似た振動とともに、それの内側から魔力が膨れ上がった。
(魔物……!)
アッシュがブーツの両脇を勢い良く叩き、仕込んでおいた魔術紋に魔力を流す。
加速と消音。
その両方をオンにし、岩陰から勢い良く飛び出した。
無音で、しかし霞むほどの速さでローゼのすぐ近くに駆け寄り、黒い球体をひっつかむ。
それはすでにぱかりと半分に割れ、そこから伸ばした黒い紐状のものをローゼに伸ばそうとしていた。
つかんだそれを勢い良く遠くにぶん投げる。
それは見る間に空中で、形を変えた。
正確には、球体の中から、姿を現した。
モジャモジャとした蔓を何本も伸ばし、その真ん中にぐるりと瞳が現れる。その色は、赤。
その魔物の形を、アッシュはみたことがあった。
(発芽したベルシュガー!? しかも、黒だと)
「う、ううん」
すぐ近くで、ローゼの小さな声が聞こえた。
ベルシュガーに気を取られすぎて、いまだにローゼの近くにいることに気づいたアッシュは、慌ててその場を飛び退く。
幸いにも、ローゼは気づかず、またすやすやと穏やかな寝息をたてはじめた。
(お疲れのローゼさんを起こさぬよう、静かに処理しなければ)
だいぶローゼから距離が離れた地底池の近く。
そこに、さきほどのベルシュガーがいた。
すでに球体の面影はなく、まるでへびのような蔦をぐるりと何本も生やし、下側の蔦で器用に横歩きしている。
「ピッピッピッ」
もしかしたら、歩くのは初めてなのかもしれない。
小さく鳴きながら楽しそうにヨチヨチしている。
(悪いが、眠るローゼさんの近くに、魔物をはびこらせるわけにはいかないんでな)
アッシュは腰の剣を抜き、チャキリと構えた。
狙いはベルシュガーの赤い目だ。
「ピピイッ!ピーーッ!!」
殺気に気づいたのか、ベルシュガーが慌てて飛び上がって甲高く鳴く。
「しずかにしろっ! ローゼさんが起きちゃうだろうがっ」(小声)
パニクったベルシュガーは、アッシュの声に余計に慌ててふためき、くるくると同じところをまわっている。
アッシュは、一瞬でベルシュガーへと距離を詰め、その目を貫こうとして、ふと思った。
(いやこれ、一応ローゼさんのメインクエストの採集対象だよな)
あたりまえだが、死んだベルシュガーは採集対象に含まれない。
メインクエストが達成できず、涙にくれるローゼの姿が、アッシュの脳裏に浮かんだ。
(とりあえず、捕獲にするか)
一旦、剣を鞘におさめ、捕獲用の魔物ネットを出そうとしたそのとき。
ぞくりとうなじが粟立ち、アッシュは反射的にその場を飛び退いた。
刹那、鈍い音とともに今までアッシュがいた地面に矢が刺さる。
目を凝らせば、ダンジョンの闇の中にいくつもの影がみえた。
(ちっ、さっきのベルシュガーの声に惹かれて魔物が集まってきたか)
十体ほどの異形の影。
様々な種類の魔物が、赤い目を鋭く光らせながらアッシュをにらんでいる。
あるものは爪をとがらせ、またあるものは、かつて人間から奪ったらしい錆びた剣をかまえている。基本、二足歩行のオークやゴブリンといった亜人系の魔物だ。
彼らを見て、アッシュはわずかに目を細めた。話しながら、じっくり観察する。
「まあ、落ち着こう。俺は、しずかにしておきたい。君たちはまだ胴と首がつながっていたい、だろ?」(小声)
アッシュの言葉に、褐色の肌のクアオークがでてきて下あごから生えた牙をふりながら、ぶるるんと顔を揺らす。小生意気に人間風情がとでも言いたげに、赤い目でアッシュをじろりとにらんだ。
クアオークが、ゴツゴツした岩みたいな胸を反らし、めいっぱい空気を吸いむ。
「ちょ、まっ」(小声)
「ウオオオオ⸺」
「しーっ! ちょっと、しーーーっ!」(小声)
いきなり気持ちよく轟音をぶっぱなすクアオークに焦るアッシュ。
そんな声を出されたら、ローゼが起きてしまう。
「ウオ?」
「むこうで! 寝てる人が! いるからしずかに!」(小声)
身振り手振りで、クアオークに事情を説明する。
「ウオオオオオオオ!」(小声)
「よし、それでよし」(小声)
ぐっと親指を立てたアッシュに、クアオークもつられて親指をたてる。
「じゃあ、お互い納得したということで。お前たちは静かに俺を襲うわけ?」(小声)
「ウオッ!」(小声)
小声ながら威勢のよいクアオークの吠え声に、アッシュは腰の剣に手をかけた。
「なら、俺も容赦はしない。ダンジョン保護法24条の特別条項に則り、正当防衛の権利を行使させてもらう!」(小声)
ダンジョン保護法⸺ダンジョン内の生態系を守る義務を冒険者に課した法律である。基本的に踏破済みのダンジョンにのみ適用される。
クエスト以外での採集もしくは魔物討伐禁止とか、ダンジョン内で普通の火を使ってはいけないとか、ゴミを残してはいけないなど様々あり、破ると罰金や禁固刑といった罰則もある。
24条は、魔物討伐を原則禁止とした条項だ。特例として、正当防衛の場合は魔物に危害をくわえてもよいことになる。
ちなみに、さきほどのベルシュガーは、ローゼに手を出そうとした時点でアッシュ的には重罪も重罪。正当防衛の拡大解釈で、クエスト対象でなければ滅殺の刑であった。
「ウオオオオオオオ!」(小声)
「グキャキャアアア!」(小声)
「ギャルルルルルル!」(小声)
「フゴフゴフゴ!」(小声)
おもいおもいの小声で襲い来る魔物たち。
無駄に静かな攻防が、ダンジョン十五層で繰り広げられた。
ローゼは、きちんと魔物避けを施し、安全を確保したうえでシュラフにくるまって、ロウソクの横ですやすやと眠っている。
(あぁ、ローゼさんの寝顔見たい……いや、我慢我慢)
穏やかなローゼと対象的に、岩陰で耐えるアッシュだった。
これは、仕事なのだ。
じろじろ寝顔をみるとか、失礼極まりない。
なので。
(ロウソクの炎チェックしよ)
ちゃんと灯りがついているか。
魔物忌避剤は働いているか。
変な魔物が近寄ってたりしないか。
そんな大義名分とともに、こっそりのぞくアッシュであった。
(あぁー、寝言いってるローゼさんもかわいい……って、いかんいかん)
頬をつねりつつ、邪念が入らないよう気をつける。
そんな己との戦いにふけること数時間。
ふと、妙な気配にアッシュは気づいた。
(なんだ……? ローゼさんの荷物から、魔力が増大する気配)
壁際に立てかけてあるバッグパック。
その一部が、もぞりと動いた気がした。
目を凝らすアッシュの前で、もぞもぞが次第に大きくなる。
ついには、留具がピンとはずれて、なかから黒くて丸いものが飛び出してきた。
気づかず眠り続けるローゼの顔の横にころがりつき、ゆるく三回ほど回転して止まる。
(なんだ、あれ?)
どくん。
鼓動にも似た振動とともに、それの内側から魔力が膨れ上がった。
(魔物……!)
アッシュがブーツの両脇を勢い良く叩き、仕込んでおいた魔術紋に魔力を流す。
加速と消音。
その両方をオンにし、岩陰から勢い良く飛び出した。
無音で、しかし霞むほどの速さでローゼのすぐ近くに駆け寄り、黒い球体をひっつかむ。
それはすでにぱかりと半分に割れ、そこから伸ばした黒い紐状のものをローゼに伸ばそうとしていた。
つかんだそれを勢い良く遠くにぶん投げる。
それは見る間に空中で、形を変えた。
正確には、球体の中から、姿を現した。
モジャモジャとした蔓を何本も伸ばし、その真ん中にぐるりと瞳が現れる。その色は、赤。
その魔物の形を、アッシュはみたことがあった。
(発芽したベルシュガー!? しかも、黒だと)
「う、ううん」
すぐ近くで、ローゼの小さな声が聞こえた。
ベルシュガーに気を取られすぎて、いまだにローゼの近くにいることに気づいたアッシュは、慌ててその場を飛び退く。
幸いにも、ローゼは気づかず、またすやすやと穏やかな寝息をたてはじめた。
(お疲れのローゼさんを起こさぬよう、静かに処理しなければ)
だいぶローゼから距離が離れた地底池の近く。
そこに、さきほどのベルシュガーがいた。
すでに球体の面影はなく、まるでへびのような蔦をぐるりと何本も生やし、下側の蔦で器用に横歩きしている。
「ピッピッピッ」
もしかしたら、歩くのは初めてなのかもしれない。
小さく鳴きながら楽しそうにヨチヨチしている。
(悪いが、眠るローゼさんの近くに、魔物をはびこらせるわけにはいかないんでな)
アッシュは腰の剣を抜き、チャキリと構えた。
狙いはベルシュガーの赤い目だ。
「ピピイッ!ピーーッ!!」
殺気に気づいたのか、ベルシュガーが慌てて飛び上がって甲高く鳴く。
「しずかにしろっ! ローゼさんが起きちゃうだろうがっ」(小声)
パニクったベルシュガーは、アッシュの声に余計に慌ててふためき、くるくると同じところをまわっている。
アッシュは、一瞬でベルシュガーへと距離を詰め、その目を貫こうとして、ふと思った。
(いやこれ、一応ローゼさんのメインクエストの採集対象だよな)
あたりまえだが、死んだベルシュガーは採集対象に含まれない。
メインクエストが達成できず、涙にくれるローゼの姿が、アッシュの脳裏に浮かんだ。
(とりあえず、捕獲にするか)
一旦、剣を鞘におさめ、捕獲用の魔物ネットを出そうとしたそのとき。
ぞくりとうなじが粟立ち、アッシュは反射的にその場を飛び退いた。
刹那、鈍い音とともに今までアッシュがいた地面に矢が刺さる。
目を凝らせば、ダンジョンの闇の中にいくつもの影がみえた。
(ちっ、さっきのベルシュガーの声に惹かれて魔物が集まってきたか)
十体ほどの異形の影。
様々な種類の魔物が、赤い目を鋭く光らせながらアッシュをにらんでいる。
あるものは爪をとがらせ、またあるものは、かつて人間から奪ったらしい錆びた剣をかまえている。基本、二足歩行のオークやゴブリンといった亜人系の魔物だ。
彼らを見て、アッシュはわずかに目を細めた。話しながら、じっくり観察する。
「まあ、落ち着こう。俺は、しずかにしておきたい。君たちはまだ胴と首がつながっていたい、だろ?」(小声)
アッシュの言葉に、褐色の肌のクアオークがでてきて下あごから生えた牙をふりながら、ぶるるんと顔を揺らす。小生意気に人間風情がとでも言いたげに、赤い目でアッシュをじろりとにらんだ。
クアオークが、ゴツゴツした岩みたいな胸を反らし、めいっぱい空気を吸いむ。
「ちょ、まっ」(小声)
「ウオオオオ⸺」
「しーっ! ちょっと、しーーーっ!」(小声)
いきなり気持ちよく轟音をぶっぱなすクアオークに焦るアッシュ。
そんな声を出されたら、ローゼが起きてしまう。
「ウオ?」
「むこうで! 寝てる人が! いるからしずかに!」(小声)
身振り手振りで、クアオークに事情を説明する。
「ウオオオオオオオ!」(小声)
「よし、それでよし」(小声)
ぐっと親指を立てたアッシュに、クアオークもつられて親指をたてる。
「じゃあ、お互い納得したということで。お前たちは静かに俺を襲うわけ?」(小声)
「ウオッ!」(小声)
小声ながら威勢のよいクアオークの吠え声に、アッシュは腰の剣に手をかけた。
「なら、俺も容赦はしない。ダンジョン保護法24条の特別条項に則り、正当防衛の権利を行使させてもらう!」(小声)
ダンジョン保護法⸺ダンジョン内の生態系を守る義務を冒険者に課した法律である。基本的に踏破済みのダンジョンにのみ適用される。
クエスト以外での採集もしくは魔物討伐禁止とか、ダンジョン内で普通の火を使ってはいけないとか、ゴミを残してはいけないなど様々あり、破ると罰金や禁固刑といった罰則もある。
24条は、魔物討伐を原則禁止とした条項だ。特例として、正当防衛の場合は魔物に危害をくわえてもよいことになる。
ちなみに、さきほどのベルシュガーは、ローゼに手を出そうとした時点でアッシュ的には重罪も重罪。正当防衛の拡大解釈で、クエスト対象でなければ滅殺の刑であった。
「ウオオオオオオオ!」(小声)
「グキャキャアアア!」(小声)
「ギャルルルルルル!」(小声)
「フゴフゴフゴ!」(小声)
おもいおもいの小声で襲い来る魔物たち。
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