16 / 38
4.別れの言葉は誰のため?
守りたいものー流生sideー
しおりを挟む
「ねえ、流生兄」
後ろから翔矢の声がする。
「とわに言ったんだね。自分は白川じゃないって」
「ええ。どうしてそれを?」
「話し方で分かるよ」
それだけ言って翔矢はソファに腰をかけた。
怜から話を聞いた時にはもう、彼女に打ち明ける準備は出来ていた。
特別な理由……。
そんなことは誰が見ても分かりきっているのに、それに気付けなかったなんて。きっとそれほど彼女の中で大切にしてきたものなんだろう。
もちろんそれは尊重すべきだったんだけど……。
まあ、それにしても私の弟は何を考えているんだろうね。あの子自身が彼女への想いに気付いていないというのに。気付いていないのに、この選択が彼女のためだと思っている。私からすれば本当はあの子自身の気持ちを大切にして欲しいんだけど。
「それにしても、山桜……かあ」
「え?」
「あれ、花言葉でしょ?流生兄の考えていることくらい分かってるよ。まあ、でもそれを知ったところで、とわは気付きそうにもないけどね」
山桜の花言葉
あなたに微笑む
どんなに離れていても、君を想っているよ。たとえ暗闇で見えなくたとしても、そしてたとえ君が他の人を見つけたとしても微笑むから。だから俺のことは気にしなくていい。君にとっての一番の幸せがそこにあるなら、そっちを選んでほしい。
それがあの町の子の本当の願いで、山桜で伝えたかった姫への本当の想い。好きっていう想いが何よりも大きかったからこそ、彼は姫の幸せを一番に願った。自分で守られるなら、自分が幸せにしてあげられるなら……それ以上のことはない。だけど、本当の姫の幸せはどこにあるんだろう。それを考えた結果の山桜だったんだ。
でもこのことにとわ様が気付かなくて良かったのかもしれない。
これは彼女と白川の物語。
これに気付くってことは、弟は想いを悟られてしまうわけで…。格好悪いじゃない。
まさかあの子の願いはとわ様の幸せで、そのために自分じゃない他の兄弟を選ばせているなんて。
「流生兄はさ、これでいいと思ってるの?」
「どういうことですか」
「兄ちゃんのことだよ。とわが自分の想いに気付いたなら僕が対象から外れるのも時間の問題だと思う。流生兄、前も言ったよね?とわの幸せを、兄ちゃんのことを想うなら、これは終わらせなきゃって」
いつになく真剣な翔矢。こんな姿は見たことがなかった。
分かってるんですよ、それは。でも……。
「僕自身のことはとわに話すよ。もちろん兄ちゃんとの約束だからそれ以上は言わない。けど、分かってるよね、流生兄。時間はもうないんだよ」
──!
はっとさせられた、いや、もともと知っていること。でも誰かが口に出すことでそれは現実味を増してしまうから、皆暗黙の了解で言わなかった。
「分かって…ます」
そう言うのがやっとで、それ以上の言葉は出てこなかった。
「じゃあ行ってくるね」
翔矢はリビングから出ていった。
彼女は今、涼に連れられて森の方へ行っているから、多分彼女の部屋で待つつもりなんだろう。
翔矢でさえも分かっていること…。
開かれた窓から流れる風に誘われるように自然と窓へ近づいた。
『終わらせなきゃ』
翔矢の言葉が脳裏を何度も行き交う。
でも、きっとこれを終わらせようと言えばあの子は頑固と拒否するんだろう。
幸せ……とは?
目を閉じる。静かな時間が私を包んだ。
***
「兄貴、お願いがあるんだけど」
「どうしたんですか、あなたらしくもない。いや、こうやって頼んでもらえることはずっと私の願いでしたけれど。今日は元気がないですね」
するとハハ、と声を漏らして顔を覆った。
「分かるんだ、何も言ってないのに」
「そりゃ、兄弟ですから。それであなたの願いとは?」
「ん…ああ。さっき聞いたんだ。花沢財閥がアメリカに行くって。でもとわだけは残るらしい。だから白川家から行けないかな…とわのところに。まだ誰もやる人が決まってないんだ」
「ええ。いいですよ。で、結果はどうだったんです?出たのでしょう?」
こくりと頷いたその姿にちょっとした不安を覚えつつ、それでも急かすように続けた。
「どう…だったんです?」
「出たよ。これで決心がついた。ずっといろいろ考えてたんだけどさ、でもこれで腹は決まったから」
何の話をしているのか分からなかった。その決心がどんな結果から生まれたものなのかも。目の前にある笑顔が本物か偽物かなんて、今の私には判断がつけられなかった。
「ですから、結果は──」
「なあ、兄貴。俺、とわと約束してんだ。知ってるよな?」
「……ええ。あれだけ、頑張っていたのですから」
「うん。資格も取ったし、あとはとわに会って話して契約を結ぶ……それだけ、だったのになあ」
涙が一つ溢れてゆく。
「まさかっ……」
「兄貴、二人を集めてくれ」
私は目を離せなかった──今まで一度も見たことがないその涙から。
「あいつ、本当は寂しがり屋なんだ。母さんのことについて触れたことはないけど、たまに悲しそうに空を見るときがある。俺までいなくなったら、あいつはどうなるんだろう。いや、もしかしたらとわは俺を忘れているのかもしれない。だけど、もし覚えていてくれてたら……そしてそれで寂しくなったら。俺が原因でとわに寂しさを与えたくないんだ。俺、とわの笑顔が好きだから。約束も笑顔もどっちも守りたい」
「一体、どうするつもりで──」
「兄貴、俺がいなくなるって言ったらとわはどうなる?約束が守れないって言ったら?でも……もし代わりの俺がいたら、どちらも守れると思わない?」
「──?」
揺るぎない真っ直ぐな瞳。これこそいつもの瞳で、とわ様のことになると自分自身の想いさえも捨ててしまう意志の表れ。
分かってる…この瞳を見せるときはいつだってやり通してしまう。それに彼女のことならなおさら……。
「もう少し早くからあなたの異変に気付いていれば……」
「ううん、違うよ。早さなんて関係なかっただろうし。運命だったんだよ。だからさ兄貴、頼んだよ」
無理やり作られた笑顔はぎこちなくて。だからこそ、私だけは笑わなくては。
「分かりました。でも一つ聞かせてください」
「何?」
「とわ様への想いはどうするのですか?」
「想いって……?」
「えっと、ほら何か特別な──」
うーん、と声を出してから、パッと顔を上げる。
「とわは特別だよ。八年間忘れることはなかった。俺の願いはただ一つ、とわの幸せだけ。とわの笑顔が守られれば、それで十分」
「それはあなたの幸せですか?」
「うん」そう言って微笑み、耳にそっと手を触れた。
「願いであり、幸せであり」
──ああ、そっか。
笑って見つめる目がとても切なくて。
ごめんね、分かるんですよ。どんなに強がっても、笑っても。あなたの癖だけは正直だから。その癖はいつだって言いたいことが上手く言えない時に、そして自分の気持ちに嘘をつく時に表れる。
兄弟じゃなければ気付かなかったっただろうに。そうしたらその秘めた想いは誰にも知られず、あなたの心の中で静かに消え、そしてきっとあなたもそれを望んでいただろうに。
気付かなければ良かったと、初めて思った。そしたら私も淡々とその頼み事を実行したのに。でも、違うでしょう?
あなたの想いは、あなたの願いも幸せも、本当は……。
***
そっと目を開ける。
分かってるんです。けれどもう始まっている。あの子の描いたシナリオ通りに。
時を戻すことは出来なくて──出来たのだとしたら、多分こんなふうにはならなかった。
もし時があの子を変えてしまうのなら、今、兄として──。
「まだ間に合いますよね?──悠里」
後ろから翔矢の声がする。
「とわに言ったんだね。自分は白川じゃないって」
「ええ。どうしてそれを?」
「話し方で分かるよ」
それだけ言って翔矢はソファに腰をかけた。
怜から話を聞いた時にはもう、彼女に打ち明ける準備は出来ていた。
特別な理由……。
そんなことは誰が見ても分かりきっているのに、それに気付けなかったなんて。きっとそれほど彼女の中で大切にしてきたものなんだろう。
もちろんそれは尊重すべきだったんだけど……。
まあ、それにしても私の弟は何を考えているんだろうね。あの子自身が彼女への想いに気付いていないというのに。気付いていないのに、この選択が彼女のためだと思っている。私からすれば本当はあの子自身の気持ちを大切にして欲しいんだけど。
「それにしても、山桜……かあ」
「え?」
「あれ、花言葉でしょ?流生兄の考えていることくらい分かってるよ。まあ、でもそれを知ったところで、とわは気付きそうにもないけどね」
山桜の花言葉
あなたに微笑む
どんなに離れていても、君を想っているよ。たとえ暗闇で見えなくたとしても、そしてたとえ君が他の人を見つけたとしても微笑むから。だから俺のことは気にしなくていい。君にとっての一番の幸せがそこにあるなら、そっちを選んでほしい。
それがあの町の子の本当の願いで、山桜で伝えたかった姫への本当の想い。好きっていう想いが何よりも大きかったからこそ、彼は姫の幸せを一番に願った。自分で守られるなら、自分が幸せにしてあげられるなら……それ以上のことはない。だけど、本当の姫の幸せはどこにあるんだろう。それを考えた結果の山桜だったんだ。
でもこのことにとわ様が気付かなくて良かったのかもしれない。
これは彼女と白川の物語。
これに気付くってことは、弟は想いを悟られてしまうわけで…。格好悪いじゃない。
まさかあの子の願いはとわ様の幸せで、そのために自分じゃない他の兄弟を選ばせているなんて。
「流生兄はさ、これでいいと思ってるの?」
「どういうことですか」
「兄ちゃんのことだよ。とわが自分の想いに気付いたなら僕が対象から外れるのも時間の問題だと思う。流生兄、前も言ったよね?とわの幸せを、兄ちゃんのことを想うなら、これは終わらせなきゃって」
いつになく真剣な翔矢。こんな姿は見たことがなかった。
分かってるんですよ、それは。でも……。
「僕自身のことはとわに話すよ。もちろん兄ちゃんとの約束だからそれ以上は言わない。けど、分かってるよね、流生兄。時間はもうないんだよ」
──!
はっとさせられた、いや、もともと知っていること。でも誰かが口に出すことでそれは現実味を増してしまうから、皆暗黙の了解で言わなかった。
「分かって…ます」
そう言うのがやっとで、それ以上の言葉は出てこなかった。
「じゃあ行ってくるね」
翔矢はリビングから出ていった。
彼女は今、涼に連れられて森の方へ行っているから、多分彼女の部屋で待つつもりなんだろう。
翔矢でさえも分かっていること…。
開かれた窓から流れる風に誘われるように自然と窓へ近づいた。
『終わらせなきゃ』
翔矢の言葉が脳裏を何度も行き交う。
でも、きっとこれを終わらせようと言えばあの子は頑固と拒否するんだろう。
幸せ……とは?
目を閉じる。静かな時間が私を包んだ。
***
「兄貴、お願いがあるんだけど」
「どうしたんですか、あなたらしくもない。いや、こうやって頼んでもらえることはずっと私の願いでしたけれど。今日は元気がないですね」
するとハハ、と声を漏らして顔を覆った。
「分かるんだ、何も言ってないのに」
「そりゃ、兄弟ですから。それであなたの願いとは?」
「ん…ああ。さっき聞いたんだ。花沢財閥がアメリカに行くって。でもとわだけは残るらしい。だから白川家から行けないかな…とわのところに。まだ誰もやる人が決まってないんだ」
「ええ。いいですよ。で、結果はどうだったんです?出たのでしょう?」
こくりと頷いたその姿にちょっとした不安を覚えつつ、それでも急かすように続けた。
「どう…だったんです?」
「出たよ。これで決心がついた。ずっといろいろ考えてたんだけどさ、でもこれで腹は決まったから」
何の話をしているのか分からなかった。その決心がどんな結果から生まれたものなのかも。目の前にある笑顔が本物か偽物かなんて、今の私には判断がつけられなかった。
「ですから、結果は──」
「なあ、兄貴。俺、とわと約束してんだ。知ってるよな?」
「……ええ。あれだけ、頑張っていたのですから」
「うん。資格も取ったし、あとはとわに会って話して契約を結ぶ……それだけ、だったのになあ」
涙が一つ溢れてゆく。
「まさかっ……」
「兄貴、二人を集めてくれ」
私は目を離せなかった──今まで一度も見たことがないその涙から。
「あいつ、本当は寂しがり屋なんだ。母さんのことについて触れたことはないけど、たまに悲しそうに空を見るときがある。俺までいなくなったら、あいつはどうなるんだろう。いや、もしかしたらとわは俺を忘れているのかもしれない。だけど、もし覚えていてくれてたら……そしてそれで寂しくなったら。俺が原因でとわに寂しさを与えたくないんだ。俺、とわの笑顔が好きだから。約束も笑顔もどっちも守りたい」
「一体、どうするつもりで──」
「兄貴、俺がいなくなるって言ったらとわはどうなる?約束が守れないって言ったら?でも……もし代わりの俺がいたら、どちらも守れると思わない?」
「──?」
揺るぎない真っ直ぐな瞳。これこそいつもの瞳で、とわ様のことになると自分自身の想いさえも捨ててしまう意志の表れ。
分かってる…この瞳を見せるときはいつだってやり通してしまう。それに彼女のことならなおさら……。
「もう少し早くからあなたの異変に気付いていれば……」
「ううん、違うよ。早さなんて関係なかっただろうし。運命だったんだよ。だからさ兄貴、頼んだよ」
無理やり作られた笑顔はぎこちなくて。だからこそ、私だけは笑わなくては。
「分かりました。でも一つ聞かせてください」
「何?」
「とわ様への想いはどうするのですか?」
「想いって……?」
「えっと、ほら何か特別な──」
うーん、と声を出してから、パッと顔を上げる。
「とわは特別だよ。八年間忘れることはなかった。俺の願いはただ一つ、とわの幸せだけ。とわの笑顔が守られれば、それで十分」
「それはあなたの幸せですか?」
「うん」そう言って微笑み、耳にそっと手を触れた。
「願いであり、幸せであり」
──ああ、そっか。
笑って見つめる目がとても切なくて。
ごめんね、分かるんですよ。どんなに強がっても、笑っても。あなたの癖だけは正直だから。その癖はいつだって言いたいことが上手く言えない時に、そして自分の気持ちに嘘をつく時に表れる。
兄弟じゃなければ気付かなかったっただろうに。そうしたらその秘めた想いは誰にも知られず、あなたの心の中で静かに消え、そしてきっとあなたもそれを望んでいただろうに。
気付かなければ良かったと、初めて思った。そしたら私も淡々とその頼み事を実行したのに。でも、違うでしょう?
あなたの想いは、あなたの願いも幸せも、本当は……。
***
そっと目を開ける。
分かってるんです。けれどもう始まっている。あの子の描いたシナリオ通りに。
時を戻すことは出来なくて──出来たのだとしたら、多分こんなふうにはならなかった。
もし時があの子を変えてしまうのなら、今、兄として──。
「まだ間に合いますよね?──悠里」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる