【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~

夕姫

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31. 初級冒険者

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 31. 初級冒険者


 この後も何個か占ってもらい、オレと咲夜さんの占いは終わりを告げた。占いの結果はどれも微妙だったが、悪いことばかりではなかった。むしろ良いこともいくつかあったように思える。

 でもやっぱりオレは相性最悪って言うのが気になって仕方がない。こんなに気にしている時点でもう終わっているようなものだけどな……。でも咲夜さんとのことだからか気にしてしまう。

「霧ヶ谷君。楽しかったわね?」

「ああ……。」

「元気ないなぁ?そんなに私との相性最悪って言われたのがショックだったのかしら?」

「まあ、そうかな。正直結構へこんでるよ……咲夜さんとは仲良くできると思ってたし……」

 オレが素直にそう咲夜さんに言うと、咲夜さんは優しく微笑んでこう言った。

「私はそうでもないけどね?」

「えっ?」

「だって、相性最悪ってことはこれからいくらでも良くすることが出来るってことでしょ?私と霧ヶ谷君はまだまだ初級冒険者じゃない。焦らずゆっくりいきましょう」

「それは……」

「だから……」

 咲夜さんは少し早歩きで前に行き、そして振り返りながらオレに向かって笑顔で言う。

「これから頑張れば問題なし!」

 その言葉を聞いた時、なぜか心の底から温かい気持ちになった。そして、咲夜さんに対する愛おしさが溢れてくる。咲夜さんはオレのことを思って言ってくれたんだと思う。こんなに素敵な女性に好きになってもらえたらどれだけ幸せだろうか。

 オレはこの瞬間改めて思う。咲夜さんの事が大好きだということを。絶対にこの人を手放したりしないと心に誓った。

「ありがとう咲夜さん」

「うん?どういたしまして?」

「そうだ。ついでだから帰りにホワイトネクタールとポーションでも買うか?」

「あら?それならいっぱいストックを買ってもいいかしら。いつもは重くて持てないからあまり買えなくて。今日は霧ヶ谷君もいるし、持つの手伝ってくれない?」

「了解」

 そしてオレたちはその後買い物を済ませ家に帰ることにした。帰りの夕焼けの空がとても綺麗で、オレたちの未来まで照らしてくれているような気がしたのだった。
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