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20. 情報屋エリー

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 20. 情報屋エリー



 オレは学校から帰宅し今、家のリビングにいる。そして目の前には神妙な面持ちの咲夜さん。

 遡ること数十分前。オレが帰宅するやいなや咲夜さんが『ついにこの時が来たわね。霧ヶ谷君。荷物をおいて作戦会議室に来て』と言われたのだ。一体何があったのか?そんな疑問を抱きつつオレは言われた通り、リビングにいると言うわけだ。

「霧ヶ谷君。ついに私たちを脅かす魔王軍の進撃がくるわね。準備はしっかりしないと。今日はその作戦会議よ」

 すごく真面目に言ってるがまったく意味がわからない。

「魔王城に潜入している情報屋のエリーから聞いたから間違いないわ。来月、魔王軍の進撃がくる」

 またわからない人が出てきた。うーん……。魔王軍って言うのはなんだろうか?学校での事は間違いないと思うが。

「霧ヶ谷君も情報屋エリーの話聞いてたわよね?」

「えっ?オレが?」

「もしかして聞いてなかったの?ダメじゃない。」

 ……全く覚えがない。そう言えば最近なんか疲れてるせいか授業中に寝てしまうことが多い気がする。それが関係あるのかな?まぁいいか。とりあえず適当に合わせよう。

「あぁ……ごめん。それでその情報屋エリーって誰だ?」

「霧ヶ谷君は情報屋エリーを知らないの!?そんなわけないじゃない!私をバカにしてるの?」

 なぜか驚いている様子の咲夜さん。知らないものは仕方ないだろう。ん?いや待てよ……。

「あの情報屋エリーって……もしかして担任の岡田先生のことか?」

「そうよ。まったく、先生の話しは聞かないとダメよ霧ヶ谷君。そんなんじゃいつ命を落とすか分からないわよ?」

 自分で先生って言っちゃってるよ咲夜さん……。

 岡田英里先生。オレと咲夜さんの担任だ。あー。なら魔王軍の進撃も分かったぞ。帰りのHRで言ってたな、来月中間テストだって……。

「私も霧ヶ谷君も成長はしているはず。なんとか魔王軍の進撃を食い止めないと!」

「そだね……」

「ということで、魔王軍の進撃に向けて、定期的にパーティーでクエストをこなしましょう!私と霧ヶ谷君に怖いものはないわ!」

 すごく自信満々の表情の咲夜さん。なんか楽しそうだな……。なんにせよ、咲夜さんと2人でテスト勉強の時間ができたことにオレは喜ぶのだった。
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