【絶対攻略不可？】～隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。～

15. パーティー攻略

　15.　パーティー攻略



　時間は早朝。ヤバすぎ……全然眠れなかった……。今日はついに咲夜さんとの初デートの日だ。咲夜さんはパーティーで何かを攻略すると言っているが、オレからしたら……いや普通の高校生男子からしたらデートだ。間違いない。

「今から眠ることは出来ないしな……どうしたもんか」

　ベッドに横たわりながら考える。だが何も思いつかない。

「うーん……」

　するとリビングのほうから物音が聞こえてくる。あれ？咲夜さん起きてきたのか？そういえば咲夜さんの寝顔って見たことないよな……。そんなことを思いながら部屋を出る。

「おはようございます！咲夜さ……！？」

「あぁ……おはよう霧ヶ谷君……」

　咲夜さんはパジャマが少しはだけていて下着が透けてる状態で立っていた。オレはそれを見てすぐに目を逸らす。

「あの！今日楽しみだな！」

　それだけ言うと慌てて自分の部屋に駆け込んだ。

「おぉぅ……これはなかなか刺激が強いぞ……」

　こんな姿見せられて意識するなって方が無理だよな。まぁでも咲夜さんはそんなつもりないだろうけど。

「ふぅ……落ち着けオレ……」

　深呼吸をして気持ちを切り替える。よし落ち着いた。もう大丈夫だろう。それから数分後、再び部屋のドアを開ける。すると目の前に咲夜さんがいた。

「わっ！？びっくりした……」

「ごめんなさい……驚かせちゃった？」

「いや……それよりどうかしたか？」

「霧ヶ谷君が早起きしたなら、早めに準備してパーティー攻略に行かない？この時間なら誰かから見つかる可能性も少ないし。」

　なるほど……確かにいい案かもしれない。それを聞いて無意識に心の声が漏れてしまう。

「それなら一緒にどこかで朝ごはんとか食べたいよな」

「え？」

「あっ……」

「……霧ヶ谷君が私と食べたいなら、一緒に食べてもいいけど……」

　顔を赤くしながら答える咲夜さん。これってつまりOKってことなのか！？いやまぁそうだとしたら嬉しいんだけどさ。

「じゃあ一緒に食べるか。すぐ用意してくるから待っててくれ！」

「私も準備をするから、急がなくて大丈夫よ」

　そう言って咲夜さんは自分の部屋に戻っていった。

　しばらくして咲夜さんも準備ができたのでオレ達は家を出た。外はまだ日が昇り始めたばかり、オレと咲夜さんは並んで歩いていた。今はデートということもあってとても緊張していた。

「なんか今日の霧ヶ谷君、落ち着きがないわね」

「そ、そりゃ仕方ないだろ……」

「ふふっ。やっぱり君は面白い人ね」

　咲夜さんは笑みを浮かべていた。こんな笑顔見せられたら余計に意識してしまうじゃないか……。すると咲夜さんは立ち止まっていた。

　こうしてオレと咲夜さんの初めてのパーティー攻略が始まるのだった。