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3. 超個性派集団
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3. 超個性派集団
そして次の日。私がベッドで気持ちよく寝ていると、昨日のメイド服を着た女性が部屋に来る。
「んあ?」
「……。」
「あっおはようございます!」
「……支度してください。働かざる者食うべからずです。ほら脱ぎましょう」
「待って!自分でできるから~!ちょっ!そんなとこ触らないで!」
なんだこのメイドは。確かレミーナさんだったかな?私の着替えを手伝い始めたぞ。私は1人で着替えられるんだけど……。それに恥ずかしいし。
「はい終わりましたよ。ではこちらにどうぞ」
「えーっと……」
「さぁ早く」
「はいっ!」
無表情の圧力がすごいので素直についていく。昨日は朝から追放されたけど、とりあえずアリシアさんに助けてもらえたので良かったわ。そして着替え終わった私が『妖精の隠れ家』の店内に入るとそこにはアリシアさんをはじめ、何人かの人がいた。
「あっ来たわね。みんな紹介するわ、彼女はエステルちゃん。聞いて驚かないで、なんとジョブは珍しい『スカウト』なの。まだ正式に仲間になった訳じゃないけど仲良くしてあげてね?」
するとその言葉を聞いたカウンターにいる少女が話しに割り込んでくる。
「スカウトをスカウトしたの?ぷぷっ。マスター超ウケるんだけど!センスありすぎ!」
どこが?と言いたくなるような発言だが、彼女は気にしていない様子だ。それどころか自信満々な表情を浮かべている。
「ねぇねぇエステル姉さん?なんか名前カッコいい響きじゃん!親センスあんね!」
なんだこの子、かなりテンション高いな……。正直苦手かもしれない。
「あっあたしキルマリア!ジョブは『アサシン』。よろ!」
え?私の聞き間違いかな?アサシン?こんなうるさそうなのに?でも確かによく見ると服の下に短剣を隠し持っているのが見えるし、嘘ではなさそうだけど……。
「おい。うるせぇぞキルマリア!こっちは美味しくランチ食べてんだよ!静かにしろ。料理が不味くなる」
「ウザ。ゲイルのおじさん相変わらずクソダサい。それに元々ロザリーさんの料理不味いじゃん?」
「なっ!不味くないの!キルマリア表に出ろなの!」
「はいはいそこまでですよ。ほらエステルちゃんがビックリしてるわ?あとキルマリアちゃん。口が悪いわよ。いい加減にしないと殺すわよ?」
「うぅ……はーい。」
「へいへい」
そのやり取りを見て、私は唖然としていた。なんというか……すごいな……。しかもアリシアさん殺すわよ?って……。
「そこの全身黒ずくめの彼はゲイルさん。私と昔パーティーを組んでた同じ元冒険者よ。こう見えてもジョブは剣聖『ソードマスター』。でも今は腰痛持ちだから、あまり激しい動きは医者に止められてるのよね」
剣聖!?こんなダサい黒いコート羽織って無精髭の清潔感ゼロのおじさんが?ちょっと信じられない。というか腰痛持ち……それじゃ戦えないのでは?
「まぁ歳には勝てねぇしな。もし仲間になるならよろしくなスカウトの嬢ちゃんよ」
私が色々混乱していると、すごい音と共にいきなり店の扉がぶち破られる。
「ギリギリセーフ!間に合ったよね!」
「あっ……また壊しちゃった。怒られる……。ごめんなさいマスター!」
また変なの来たぁ!今度は2人組?
「こらこらいい加減にしないと殺すわよ?あとで直しておいてね?ちょうど良かったわ、今入り口の扉をぶち破った水色の髪の女の子がリーゼちゃん。ジョブは『ストライカー』。すごい馬鹿力なの。平気で物を壊しちゃう破壊魔ね」
「破壊神のほうがいいなぁ私は!」
「ふふっじゃあリーゼちゃんは破壊神ね!」
ふふっじゃあリーゼちゃんは破壊神ね!って?なんでそんなに笑顔なのアリシアさんは?店壊れてますよ……?
「それでこっちの子はルシル=リリエンタールちゃん。ジョブは『クレリック』彼は聖職者の家系なのよ」
見た目は金髪碧眼の美少女。年齢は15歳くらいだろうか?身長は150cmほどで小柄だ。胸も大きくなく、顔立ちも幼さが残っており、どこか可愛らしさを感じさせる。うん。まともな子もいた。良かった……は?彼?
「可愛いでしょ?男の娘なのよルシルちゃんは。本名はルシオ君」
「言わないでください。恥ずかしいです……」
全然まともじゃなかったぁ!しかもこの子が男の子ぉ!?マジですかぁ!
「あの……よろしくお願いします。ボクのことは呼び捨てにして下さい。」
顔を赤らめてモジモジしながら話す姿はとても愛らしい。誰よりも女の子してる……。
「そして、ジョブはないんだけどこの『妖精の隠れ家』の一員で厨房を任せてるロザリー。彼女は何でも作れるのよ?でも匂いはすごく美味しそうなのに、料理は中途半端に不味いの。」
「不味くないの!マスター表に出ろなの!」
「あとはメイド服を着ている彼女がレミーナ。すごく無表情で接客業なんか到底向いてないけど、うちの看板娘なの」
料理が不味くて、愛想のない店員……もう経営止めたほうがいいですよアリシアさん。
「そして最後にこの私がこの『妖精の隠れ家』のマスター。アリシア=フォン=ルーザリア。ジョブは『ハイウィザード』よ。もう引退してるけどね」
なんかもう色々個性的で私の珍しい『スカウト』のジョブが霞むんだけど……でもみんな楽しそうだ。アリシアさんの言っていた「寄り添える場所になれたら」という言葉の意味が少しわかった気がする。
だから私はみんなに挨拶をする。
「エステルです!ジョブは『スカウト』私はこの王都で最強のスカウトになって見せます!皆さんこれからよろしくお願いします!」
こうして私の新しい生活が始まったのだ。
そして次の日。私がベッドで気持ちよく寝ていると、昨日のメイド服を着た女性が部屋に来る。
「んあ?」
「……。」
「あっおはようございます!」
「……支度してください。働かざる者食うべからずです。ほら脱ぎましょう」
「待って!自分でできるから~!ちょっ!そんなとこ触らないで!」
なんだこのメイドは。確かレミーナさんだったかな?私の着替えを手伝い始めたぞ。私は1人で着替えられるんだけど……。それに恥ずかしいし。
「はい終わりましたよ。ではこちらにどうぞ」
「えーっと……」
「さぁ早く」
「はいっ!」
無表情の圧力がすごいので素直についていく。昨日は朝から追放されたけど、とりあえずアリシアさんに助けてもらえたので良かったわ。そして着替え終わった私が『妖精の隠れ家』の店内に入るとそこにはアリシアさんをはじめ、何人かの人がいた。
「あっ来たわね。みんな紹介するわ、彼女はエステルちゃん。聞いて驚かないで、なんとジョブは珍しい『スカウト』なの。まだ正式に仲間になった訳じゃないけど仲良くしてあげてね?」
するとその言葉を聞いたカウンターにいる少女が話しに割り込んでくる。
「スカウトをスカウトしたの?ぷぷっ。マスター超ウケるんだけど!センスありすぎ!」
どこが?と言いたくなるような発言だが、彼女は気にしていない様子だ。それどころか自信満々な表情を浮かべている。
「ねぇねぇエステル姉さん?なんか名前カッコいい響きじゃん!親センスあんね!」
なんだこの子、かなりテンション高いな……。正直苦手かもしれない。
「あっあたしキルマリア!ジョブは『アサシン』。よろ!」
え?私の聞き間違いかな?アサシン?こんなうるさそうなのに?でも確かによく見ると服の下に短剣を隠し持っているのが見えるし、嘘ではなさそうだけど……。
「おい。うるせぇぞキルマリア!こっちは美味しくランチ食べてんだよ!静かにしろ。料理が不味くなる」
「ウザ。ゲイルのおじさん相変わらずクソダサい。それに元々ロザリーさんの料理不味いじゃん?」
「なっ!不味くないの!キルマリア表に出ろなの!」
「はいはいそこまでですよ。ほらエステルちゃんがビックリしてるわ?あとキルマリアちゃん。口が悪いわよ。いい加減にしないと殺すわよ?」
「うぅ……はーい。」
「へいへい」
そのやり取りを見て、私は唖然としていた。なんというか……すごいな……。しかもアリシアさん殺すわよ?って……。
「そこの全身黒ずくめの彼はゲイルさん。私と昔パーティーを組んでた同じ元冒険者よ。こう見えてもジョブは剣聖『ソードマスター』。でも今は腰痛持ちだから、あまり激しい動きは医者に止められてるのよね」
剣聖!?こんなダサい黒いコート羽織って無精髭の清潔感ゼロのおじさんが?ちょっと信じられない。というか腰痛持ち……それじゃ戦えないのでは?
「まぁ歳には勝てねぇしな。もし仲間になるならよろしくなスカウトの嬢ちゃんよ」
私が色々混乱していると、すごい音と共にいきなり店の扉がぶち破られる。
「ギリギリセーフ!間に合ったよね!」
「あっ……また壊しちゃった。怒られる……。ごめんなさいマスター!」
また変なの来たぁ!今度は2人組?
「こらこらいい加減にしないと殺すわよ?あとで直しておいてね?ちょうど良かったわ、今入り口の扉をぶち破った水色の髪の女の子がリーゼちゃん。ジョブは『ストライカー』。すごい馬鹿力なの。平気で物を壊しちゃう破壊魔ね」
「破壊神のほうがいいなぁ私は!」
「ふふっじゃあリーゼちゃんは破壊神ね!」
ふふっじゃあリーゼちゃんは破壊神ね!って?なんでそんなに笑顔なのアリシアさんは?店壊れてますよ……?
「それでこっちの子はルシル=リリエンタールちゃん。ジョブは『クレリック』彼は聖職者の家系なのよ」
見た目は金髪碧眼の美少女。年齢は15歳くらいだろうか?身長は150cmほどで小柄だ。胸も大きくなく、顔立ちも幼さが残っており、どこか可愛らしさを感じさせる。うん。まともな子もいた。良かった……は?彼?
「可愛いでしょ?男の娘なのよルシルちゃんは。本名はルシオ君」
「言わないでください。恥ずかしいです……」
全然まともじゃなかったぁ!しかもこの子が男の子ぉ!?マジですかぁ!
「あの……よろしくお願いします。ボクのことは呼び捨てにして下さい。」
顔を赤らめてモジモジしながら話す姿はとても愛らしい。誰よりも女の子してる……。
「そして、ジョブはないんだけどこの『妖精の隠れ家』の一員で厨房を任せてるロザリー。彼女は何でも作れるのよ?でも匂いはすごく美味しそうなのに、料理は中途半端に不味いの。」
「不味くないの!マスター表に出ろなの!」
「あとはメイド服を着ている彼女がレミーナ。すごく無表情で接客業なんか到底向いてないけど、うちの看板娘なの」
料理が不味くて、愛想のない店員……もう経営止めたほうがいいですよアリシアさん。
「そして最後にこの私がこの『妖精の隠れ家』のマスター。アリシア=フォン=ルーザリア。ジョブは『ハイウィザード』よ。もう引退してるけどね」
なんかもう色々個性的で私の珍しい『スカウト』のジョブが霞むんだけど……でもみんな楽しそうだ。アリシアさんの言っていた「寄り添える場所になれたら」という言葉の意味が少しわかった気がする。
だから私はみんなに挨拶をする。
「エステルです!ジョブは『スカウト』私はこの王都で最強のスカウトになって見せます!皆さんこれからよろしくお願いします!」
こうして私の新しい生活が始まったのだ。
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