88 / 109
88. お誘い
しおりを挟む
88. お誘い
あたしは小説演劇同好会の部室を出てそのまま結愛先パイのあとについていく。いったいどこにいくのだろう?文化部の人たちも帰る準備をしている。廊下を歩いて階段をおりて、そのまま目的の部屋に行く。
「着いたわ。入るわよ凛花。」
「えっ!?ここって……」
結愛先パイはそのまま扉を開ける。すると中には帰る準備をしていた天道生徒会長の姿がある。そう……ここは生徒会室だ。
「小鳥遊さんに新堂さん。どうかしましたか?私は帰るところなのですが?」
「天道真白。あなた週末予定あいているかしら?」
「週末ですか?特に用事はありませんが……?」
「なら。あなたもハロウィンパーティーに参加しなさい。凛花がどうしても文化祭の時のお礼をしたいみたいだから。」
「えっ!?あたし!?」
なぜかあたしがお礼をしたいことになっているんだけど……。まぁ間違ってないけど。結愛先パイも素直じゃないな。そこも可愛いんだけどさ……。
「お誘いは嬉しいのですが、ハロウィンパーティーは仮装もするのですよね?私はあまりそういうのは……。」
そう言いかけた天道生徒会長に結愛先パイは自分のスマホの画面を見せる。
「じゃあこれは何かしら?」
「なっなんであなたがその写真を!?」
「優秀な新聞記者が私にくれたの。」
その画像はあの文化祭の顔を赤らめながら頑張るメイド服姿の天道生徒会長だった。あたしは送ってないから、結愛先パイ直接春菜ちゃんからもらったな……?
「どうしたの?顔が赤いわよ?風邪でも引いたのかしら?」
「こ、これは違います!違うんです!」
「なら参加してくれるかしら?」
「うぅ……。わかりました……。参加させていただきます……。」
なんだこのやり取り……。結愛先パイはやっぱり結愛先パイだな。
「あの。でも私はその衣装とかがないのですが……?」
「安心して。私が用意してあげるわ。ミニスカポリスとかでいい?正義ってあなたに似合いそうよね?」
「ミニスカ!?いえ……その短いのは……恥ずかしいです。」
「メイド服も大概短いと思うけど?わがままなのね天道真白って。まぁ考えとくわ。」
結愛先パイが天道生徒会長に意地悪して楽しんでる……。というより、本当にミニスカートの衣装を用意するつもりなのかな……?こうして天道生徒会長の参加が決まった。
そして帰り道。あたしは結愛先パイと駅まで一緒に帰ることにする。
「結愛先パイも素直じゃないですね。自分でお礼をしたいからって誘えばいいのに。」
「そんなんじゃないわよ。あなただって天道真白にお礼をしたいのは変わりないわよね?」
「いや……それはそうですけど……」
結愛先パイと言い合っても言いくるめられるだけだからその辺にしておく。それにしても、まさか天道生徒会長まで巻き込むとは思ってなかったな。結愛先パイはあまり人といるの好きじゃないのに。結愛先パイも変わったのかもしれないな。
あたしは駅で結愛先パイと別れて帰宅することにした。今日は色々あって疲れたな……。
そして次の日。あたしは日直なので早めに学校にいく。今月も花壇の水やりはあたしのクラスの担当だ。そういえばあの時あたりから衣吹ちゃんと仲良くなった気がする。まぁまさかあたしのことを好きだとは思ってなかったけどさ……。
水やりをしていると後ろから声をかけられる。振り返るとそこには春菜ちゃんの姿があった。もうそろそろ寒くなってきたからか、いつもの制服の上にコートを着ていた。その手にはコンビニ袋を持っている。
「おはよう凛花ちゃん。」
「あれ春菜ちゃん早いね?」
「凛花ちゃんにお礼をしたくてさ。こんなので申し訳ないんだけどさ」
すると春菜ちゃんはコンビニ袋から温かい飲み物をあたしに渡してくれる。
「これ。ココアだけどよかったら飲んでよ。」
「えっ!?いいの?」
「うん。凛花ちゃんのおかげで私また助かっちゃったしさ。」
「春菜ちゃんの本番はこれからでしょ?」
すると春菜ちゃんは『そうだったぁ』と言って嬉しそうに笑ってくれる。その笑顔がとても可愛かった。そのあと、日直の仕事を終えて教室に戻ると衣吹ちゃんが私に話してくる。
「おはよう凛花ちゃん。凛花ちゃんは何の仮装するの?」
「あたしは黒猫かな。にゃんにゃんって」
「……それ私のこと誘ってる?困るよ……。でも可愛い~。絶対似合うよ。楽しみにしてるね。」
誘っていないけど……結愛先パイと同じこと言ってくるな衣吹ちゃんは。良く考えたら似てるところ多いんだよな……結愛先パイと衣吹ちゃんって。もしかして前世で姉妹だった?……だから惑わされちゃうのかな私……。
あたしは小説演劇同好会の部室を出てそのまま結愛先パイのあとについていく。いったいどこにいくのだろう?文化部の人たちも帰る準備をしている。廊下を歩いて階段をおりて、そのまま目的の部屋に行く。
「着いたわ。入るわよ凛花。」
「えっ!?ここって……」
結愛先パイはそのまま扉を開ける。すると中には帰る準備をしていた天道生徒会長の姿がある。そう……ここは生徒会室だ。
「小鳥遊さんに新堂さん。どうかしましたか?私は帰るところなのですが?」
「天道真白。あなた週末予定あいているかしら?」
「週末ですか?特に用事はありませんが……?」
「なら。あなたもハロウィンパーティーに参加しなさい。凛花がどうしても文化祭の時のお礼をしたいみたいだから。」
「えっ!?あたし!?」
なぜかあたしがお礼をしたいことになっているんだけど……。まぁ間違ってないけど。結愛先パイも素直じゃないな。そこも可愛いんだけどさ……。
「お誘いは嬉しいのですが、ハロウィンパーティーは仮装もするのですよね?私はあまりそういうのは……。」
そう言いかけた天道生徒会長に結愛先パイは自分のスマホの画面を見せる。
「じゃあこれは何かしら?」
「なっなんであなたがその写真を!?」
「優秀な新聞記者が私にくれたの。」
その画像はあの文化祭の顔を赤らめながら頑張るメイド服姿の天道生徒会長だった。あたしは送ってないから、結愛先パイ直接春菜ちゃんからもらったな……?
「どうしたの?顔が赤いわよ?風邪でも引いたのかしら?」
「こ、これは違います!違うんです!」
「なら参加してくれるかしら?」
「うぅ……。わかりました……。参加させていただきます……。」
なんだこのやり取り……。結愛先パイはやっぱり結愛先パイだな。
「あの。でも私はその衣装とかがないのですが……?」
「安心して。私が用意してあげるわ。ミニスカポリスとかでいい?正義ってあなたに似合いそうよね?」
「ミニスカ!?いえ……その短いのは……恥ずかしいです。」
「メイド服も大概短いと思うけど?わがままなのね天道真白って。まぁ考えとくわ。」
結愛先パイが天道生徒会長に意地悪して楽しんでる……。というより、本当にミニスカートの衣装を用意するつもりなのかな……?こうして天道生徒会長の参加が決まった。
そして帰り道。あたしは結愛先パイと駅まで一緒に帰ることにする。
「結愛先パイも素直じゃないですね。自分でお礼をしたいからって誘えばいいのに。」
「そんなんじゃないわよ。あなただって天道真白にお礼をしたいのは変わりないわよね?」
「いや……それはそうですけど……」
結愛先パイと言い合っても言いくるめられるだけだからその辺にしておく。それにしても、まさか天道生徒会長まで巻き込むとは思ってなかったな。結愛先パイはあまり人といるの好きじゃないのに。結愛先パイも変わったのかもしれないな。
あたしは駅で結愛先パイと別れて帰宅することにした。今日は色々あって疲れたな……。
そして次の日。あたしは日直なので早めに学校にいく。今月も花壇の水やりはあたしのクラスの担当だ。そういえばあの時あたりから衣吹ちゃんと仲良くなった気がする。まぁまさかあたしのことを好きだとは思ってなかったけどさ……。
水やりをしていると後ろから声をかけられる。振り返るとそこには春菜ちゃんの姿があった。もうそろそろ寒くなってきたからか、いつもの制服の上にコートを着ていた。その手にはコンビニ袋を持っている。
「おはよう凛花ちゃん。」
「あれ春菜ちゃん早いね?」
「凛花ちゃんにお礼をしたくてさ。こんなので申し訳ないんだけどさ」
すると春菜ちゃんはコンビニ袋から温かい飲み物をあたしに渡してくれる。
「これ。ココアだけどよかったら飲んでよ。」
「えっ!?いいの?」
「うん。凛花ちゃんのおかげで私また助かっちゃったしさ。」
「春菜ちゃんの本番はこれからでしょ?」
すると春菜ちゃんは『そうだったぁ』と言って嬉しそうに笑ってくれる。その笑顔がとても可愛かった。そのあと、日直の仕事を終えて教室に戻ると衣吹ちゃんが私に話してくる。
「おはよう凛花ちゃん。凛花ちゃんは何の仮装するの?」
「あたしは黒猫かな。にゃんにゃんって」
「……それ私のこと誘ってる?困るよ……。でも可愛い~。絶対似合うよ。楽しみにしてるね。」
誘っていないけど……結愛先パイと同じこと言ってくるな衣吹ちゃんは。良く考えたら似てるところ多いんだよな……結愛先パイと衣吹ちゃんって。もしかして前世で姉妹だった?……だから惑わされちゃうのかな私……。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
死神少女と社畜女
キノハタ
青春
「ねえ、お姉さんの寿命あと一週間だけど、何したい?」
ある日、働きづめのOLまゆの前に現れた、死神の少女ゆな。
まゆにしか見えず、聞こえず、触れない彼女は、楽しげに笑いながらこう問いかける。
あと一週間だけの命で一体何がしたいだろう。
もしもうすぐ死ぬとしたら、私は一体何をするのだろう。
【れんかの】~週末。『ボク』は『白雪姫』に変わる。憧れのあの子と始めるナイショの関係~
夕姫
青春
『あの時の甘酸っぱい気持ちを思い出しませんか?』
主人公の白瀬勇輝(しらせゆうき)は高校3年生。学校では陰キャのオタク。身長も低く、顔立ちも幼い、女の子のような高い声。勉強も運動も苦手。毎日クラスメートからバカにされる日々。そんな勇輝はオタク仲間から誘われたコスプレをきっかけに、週末だけ『女装』をするようになる。
新しい自分。外を1人で歩けば周りの男の子から声をかけられ、女の子からも可愛いと言われる。『女装』することで普段のストレスから解放される勇輝。
いつものようにお気に入りの喫茶店に行くと、そこで偶然にも憧れの女の子である隣の席の藤咲葵(ふじさきあおい)と出会ってしまう。
そんな葵は今流行りの『レンタル彼女』サービスをやっていて……
この物語は、お互いの悩みを通して色々成長し変化していく、時に真面目に、時に切なく、時にドキドキ展開……も?『男の娘×恋に真面目な小悪魔系美少女』の甘酸っぱい新感覚ラブコメディ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる