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51. 初デート
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51. 初デート
あたしは今、まだ暑さの残る中、駅前で結愛先パイを待っている。今日は結愛先パイと2人で水族館に行くことになっている。
そう。初デート。
実はあたしは結愛先パイとお出かけをしたことがない。正直何回か誘ったことはあるけど、いつも断られる。でも今回はなんとOKが出たのだ。いつも一緒にいるのは部室か結愛先パイの家だもんね……。だからどこかに行くのは本当に初めてだからとても楽しみ!緊張しているけどさ……。
それにあたしにとって初めてのデート。胸が高鳴らないわけがない。しかしそんなあたしとは裏腹に、駅には人が多い。みんなもどこかに出かけるようだ。カップルの姿もちらほらと見える。あたしはその光景を見て、さらにドキドキしてきた……。
そんな凄く緊張しているあたしの頭がポカッと叩かれる。
「痛い!」
あたしが振り向くと、そこには水族館のパンフレットを丸めた結愛先パイが立っていた。
「何回呼んでると思ってるのよ?まったく……。」
「結愛先パイ。ごめんなさい。考えてごとしてて……。」
「考えごと?ふふっ。本当かしら?凛花の事だから、駅前のカップルたちを見て発情してたんじゃないの?」
「失礼ですよ!そんなわけないじゃないですか!」
うわぁ……。図星だ……。恥ずかしいなぁ……もう……。
確かに結愛先パイの言う通り、あたしは駅前のカップルたちに発情していた。だってあの人たち幸せそうだもん。いいなぁ~って思って見てたんだよね……。
結愛先パイにそのことがバレてしまい、あたしの顔は真っ赤になる。そんなあたしを見た結愛先パイはいつもの悪い顔をする。
「へぇ~。やっぱりそうなんだ。凛花は本当にそれ以外の頭はないわけ?」
「ちっ……違っ……」
「でもダメよ?凛花は私のなんだから。」
そう言って結愛先パイはあたしの手を握ってくる。いきなり手を握られて驚いたけど、あたしはすぐに笑顔になり、ギュッと握り返した。
「さぁ水族館に行きましょう。しばらくそういう所に行ってないから私も楽しみよ」
「はい!行きましょう!」
そしてあたしたちは手を繋いで、水族館に向かった。少し恥ずかしかったけど、それ以上に嬉しかった。結愛先パイと手を繋ぐことなんて今までなかったからね。
それからしばらくして、ようやく水族館に到着した。ここは日本のなかでも有数の大きな水族館で、この辺りでは一番大きいらしい。ちなみにここの水族館の名前は"マリンブルーアクアリウム"という。あたしは水族館に入る前からワクワクした気持ちになっていた。
「なかなか大きいところね?そう言えば凛花、あなた水族館好きなの?」
「好きです。幻想的な感じでまるで海の中にいるみたいな気分になるんです。それに小さい頃に家族でよく来たんですよ。それで好きになったんですかね?結愛先パイは?」
「嫌いではないわ。海の中か……あなたは感受性が豊かだし、凛花が楽しめるならいいわね。」
感性が豊かなのかな?自分ではよくわからないけど……。それからあたしたちはチケットを買って中に入った。館内はとても綺麗で幻想的だった。
「わぁ……結愛先パイ見てください!サメです!サメ!凄く大きい!」
「はいはい。落ち着きなさいよ。全く子供みたいにはしゃいで……。」
「だって凄くきれいなんですもん!それにサメですよ!?テンション上がりますよ!」
「わかったわよ……。でもあまり大声出さないでよ?周りの人に迷惑がかかるわよ?」
あっ……そっか……。こんなに大声で騒いだら周りに迷惑かかるよね。反省しないと……。
それからあたしたちはイルカショーやペンギンコーナーなどを回って、お昼ご飯を食べるために休憩スペースに来ていた。そこには小さな水槽があり、クラゲがたくさん泳いでいた。
そこで結愛先パイがスマホを取り出して、写真を撮り始めた。
「あれ?結愛先パイ、クラゲ好きなんですか?」
「どうかしらね?……クラゲって切ない生き物なのよ。自分の居場所を求めて漂っているだけなのに、それを邪魔されて……。」
「えっ?」
「なんでもないわ。それより凛花。写真撮るわよ。こっちに来てちょうだい」
結愛先パイに呼ばれてあたしは結愛先パイの隣に行く。すると結愛先パイはパシャリと音を立てて、写真を撮った。
「はい。これで終わり。ありがとう凛花」
「あの!あたしも!スマホの待ち受けにしたい!」
「嫌よ。私写真嫌いだもの。」
「自分は撮ったじゃないですか!ずるい!あたしも結愛先パイとの写真ほしい!」
そう言ってあたしは結愛先パイの腕にしがみつく。そんなあたしを見て結愛先パイはクスっと笑った。
「冗談よ。ほら貸しなさい。」
それから結愛先パイにスマホを渡して、一緒に写真を撮ってもらった。その時のあたしの顔はきっとニヤけていた。
それからしばらく館内を回っていたら、もう夕方になってしまった。そして今あたし達は、水族館近くの公園にいる。
今日一日、結愛先パイとずっと一緒で楽しかった。あたしはベンチに座って夕焼けに染まる空を見ながら今日のことを思い出していた。
「あたし楽しかったです。結愛先パイ。」
「私も楽しかったわよ。凛花。」
「でも、どうして今日は来てくれたんですか?いつもはあんまり行きたくなさそうなのに?」
「それは……内緒にしておくわ。」
結愛先パイはなぜか少し頬を赤くしてそう言った。その表情を見て、あたしはドキッとした。結愛先パイ……可愛い……。結愛先パイは立ち上がり、伸びをする。その時にふわりといい匂いがした。
あたしは今、まだ暑さの残る中、駅前で結愛先パイを待っている。今日は結愛先パイと2人で水族館に行くことになっている。
そう。初デート。
実はあたしは結愛先パイとお出かけをしたことがない。正直何回か誘ったことはあるけど、いつも断られる。でも今回はなんとOKが出たのだ。いつも一緒にいるのは部室か結愛先パイの家だもんね……。だからどこかに行くのは本当に初めてだからとても楽しみ!緊張しているけどさ……。
それにあたしにとって初めてのデート。胸が高鳴らないわけがない。しかしそんなあたしとは裏腹に、駅には人が多い。みんなもどこかに出かけるようだ。カップルの姿もちらほらと見える。あたしはその光景を見て、さらにドキドキしてきた……。
そんな凄く緊張しているあたしの頭がポカッと叩かれる。
「痛い!」
あたしが振り向くと、そこには水族館のパンフレットを丸めた結愛先パイが立っていた。
「何回呼んでると思ってるのよ?まったく……。」
「結愛先パイ。ごめんなさい。考えてごとしてて……。」
「考えごと?ふふっ。本当かしら?凛花の事だから、駅前のカップルたちを見て発情してたんじゃないの?」
「失礼ですよ!そんなわけないじゃないですか!」
うわぁ……。図星だ……。恥ずかしいなぁ……もう……。
確かに結愛先パイの言う通り、あたしは駅前のカップルたちに発情していた。だってあの人たち幸せそうだもん。いいなぁ~って思って見てたんだよね……。
結愛先パイにそのことがバレてしまい、あたしの顔は真っ赤になる。そんなあたしを見た結愛先パイはいつもの悪い顔をする。
「へぇ~。やっぱりそうなんだ。凛花は本当にそれ以外の頭はないわけ?」
「ちっ……違っ……」
「でもダメよ?凛花は私のなんだから。」
そう言って結愛先パイはあたしの手を握ってくる。いきなり手を握られて驚いたけど、あたしはすぐに笑顔になり、ギュッと握り返した。
「さぁ水族館に行きましょう。しばらくそういう所に行ってないから私も楽しみよ」
「はい!行きましょう!」
そしてあたしたちは手を繋いで、水族館に向かった。少し恥ずかしかったけど、それ以上に嬉しかった。結愛先パイと手を繋ぐことなんて今までなかったからね。
それからしばらくして、ようやく水族館に到着した。ここは日本のなかでも有数の大きな水族館で、この辺りでは一番大きいらしい。ちなみにここの水族館の名前は"マリンブルーアクアリウム"という。あたしは水族館に入る前からワクワクした気持ちになっていた。
「なかなか大きいところね?そう言えば凛花、あなた水族館好きなの?」
「好きです。幻想的な感じでまるで海の中にいるみたいな気分になるんです。それに小さい頃に家族でよく来たんですよ。それで好きになったんですかね?結愛先パイは?」
「嫌いではないわ。海の中か……あなたは感受性が豊かだし、凛花が楽しめるならいいわね。」
感性が豊かなのかな?自分ではよくわからないけど……。それからあたしたちはチケットを買って中に入った。館内はとても綺麗で幻想的だった。
「わぁ……結愛先パイ見てください!サメです!サメ!凄く大きい!」
「はいはい。落ち着きなさいよ。全く子供みたいにはしゃいで……。」
「だって凄くきれいなんですもん!それにサメですよ!?テンション上がりますよ!」
「わかったわよ……。でもあまり大声出さないでよ?周りの人に迷惑がかかるわよ?」
あっ……そっか……。こんなに大声で騒いだら周りに迷惑かかるよね。反省しないと……。
それからあたしたちはイルカショーやペンギンコーナーなどを回って、お昼ご飯を食べるために休憩スペースに来ていた。そこには小さな水槽があり、クラゲがたくさん泳いでいた。
そこで結愛先パイがスマホを取り出して、写真を撮り始めた。
「あれ?結愛先パイ、クラゲ好きなんですか?」
「どうかしらね?……クラゲって切ない生き物なのよ。自分の居場所を求めて漂っているだけなのに、それを邪魔されて……。」
「えっ?」
「なんでもないわ。それより凛花。写真撮るわよ。こっちに来てちょうだい」
結愛先パイに呼ばれてあたしは結愛先パイの隣に行く。すると結愛先パイはパシャリと音を立てて、写真を撮った。
「はい。これで終わり。ありがとう凛花」
「あの!あたしも!スマホの待ち受けにしたい!」
「嫌よ。私写真嫌いだもの。」
「自分は撮ったじゃないですか!ずるい!あたしも結愛先パイとの写真ほしい!」
そう言ってあたしは結愛先パイの腕にしがみつく。そんなあたしを見て結愛先パイはクスっと笑った。
「冗談よ。ほら貸しなさい。」
それから結愛先パイにスマホを渡して、一緒に写真を撮ってもらった。その時のあたしの顔はきっとニヤけていた。
それからしばらく館内を回っていたら、もう夕方になってしまった。そして今あたし達は、水族館近くの公園にいる。
今日一日、結愛先パイとずっと一緒で楽しかった。あたしはベンチに座って夕焼けに染まる空を見ながら今日のことを思い出していた。
「あたし楽しかったです。結愛先パイ。」
「私も楽しかったわよ。凛花。」
「でも、どうして今日は来てくれたんですか?いつもはあんまり行きたくなさそうなのに?」
「それは……内緒にしておくわ。」
結愛先パイはなぜか少し頬を赤くしてそう言った。その表情を見て、あたしはドキッとした。結愛先パイ……可愛い……。結愛先パイは立ち上がり、伸びをする。その時にふわりといい匂いがした。
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