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37. Story.4 ~【あなたへの詩】~①
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37. Story.4 ~【あなたへの詩】~①
あたしが結愛先パイに分からされてから一週間がたつ。今日は中間テストの日だ。あたしは衣吹ちゃんとお泊まり勉強会をしたし、一応結愛先パイにも勉強を教わったから大丈夫のはず。結愛先パイは『わざわざ自分から借りを作るなんて、また洗濯物を増やしたいのかしら?』とか言ってたけど……とりあえず気にしないことにしている。
そんなこんなであたしは無事に中間テストを終え、部室に向かう。
「凛花。テストどうだった?」
「大丈夫だと思います。ありがとうございます結愛先パイ。」
「別にいいのよ。可愛い後輩のためだし。これは貸しだし。」
「善意ですよね?結愛先パイ。あたしは信じてますからね?」
結愛先パイはまたいつもの悪い微笑みをあたしにくれる。貸しなんてなくてもどうせするくせに。その時ふと結愛先パイの持っている本に目がいく。
「ん?今日は小説じゃないんですね?何読んでるんですか?」
「これは、一応短編小説に分類されるものよ。中身は切ない恋心をえがいた俳句なんだけどね。」
「俳句……へー。意外ですね。結愛先パイって百合小説かエッチなやつしか興味ないかと思ってました。」
「あなた。私のことなんだと思ってるの?まぁ否定はできないけれど。」
いやできないんだ……。
「それよりこの俳句を読んでみてくれないかしら?今朝、ふと思いついて急いで書いたのだけれど、なかなか上手く書けたと思うわ。」
そう言うと結愛先パイはあたしに俳句が書かれた紙を渡してくる。あたしはその紙を受け取ると、そこに書かれていた句を詠む。
「えっと……【純白の 二人の場所は 梅雨明けず】なんですかこれ?」
「ふふっ。この前のシーツを洗濯した時の私の気持ちを詠んでみたのだけど?」
「結愛先パイ!?」
わざとだ……この人。絶対分かっててやってる!それにしても【梅雨明けず】とは上手いことを言う。確かにあの時凄かったもんなぁ……。うん。結愛先パイったら酷いなあ……。
「ほらほら。次も詠んで?いっぱい考えてきたから、凛花の俳句。」
「なんですか凛花の俳句って?」
あたしはそのまま次の句を詠む。そしてそのあとも色々あったのだが割愛する。
「凛花どうだったかしら?」
「全部そういうことしか書かれてないですよね!?こんなの俳句じゃない!俳句を使ったあたしいじりだ!」
「そういうことって?どういうこと?私分からないわ?」
結愛先パイはまたまた悪い微笑みをしてくる。ほんとタチが悪い……。中身は全部本当の事なんだけどさ……。
「でも。短い文章で想いを伝えるなんて素敵なことよね。」
「急に真面目になるのやめて下さいよ。」
「私はいつでも真面目だけど?」
本当に結愛先パイはいい性格している。その時紙がもう一枚あることに気づく。あたしはその紙に書いてある俳句を詠む。
「ん?【暗闇に 彩りくれた 愛しき人】……結愛先パイ……。」
あたしは急に恥ずかしくなる。2人の間に少しの沈黙が流れる。あたしは耐えられなくなって結愛先パイに言う。
「はっ……恥ずかしいなぁ。結愛先パイは恥ずかしくないんですか?こんなこと書いちゃって?」
「恥ずかしくないわよ。私の気持ちだから。恥ずかしがる理由なんてないわよ。私は凛花が好きだし、本当のことだもの。」
ああ……この人はずるい。そんなこと言われたら何も言えないじゃないか。結愛先パイには敵わない。いつだってそうだ。結愛先パイはいつもあたしの心の中に入り込んでくる。それが嫌じゃなくてむしろ心地よくて……結愛先パイと一緒にいるだけで幸せな気分になれる。
あたしは自然と浮かんでくる言葉を並べる。拙い俳句かもしれないけど、結愛先パイに聞いてほしい。
「【小悪魔な 先パイだけど 憎めない やっぱりあたしは あなたが大好き】……。」
「凛花……。」
あたしは顔を赤くしながら俳句を詠む。結愛先パイは目を丸くして驚いていたけど、その顔は優しい微笑みに変わり、あたしに言う。
「それじゃ俳句じゃなくて短歌よ?凛花、ありがとう凄く嬉しいわ。」
結愛先パイはそう答えると、また本を読み始める。あたしも自分の席に座り本を読むことにする。その後はあまり会話はなかったけど、すごく幸せな気分になった。
あたしが結愛先パイに分からされてから一週間がたつ。今日は中間テストの日だ。あたしは衣吹ちゃんとお泊まり勉強会をしたし、一応結愛先パイにも勉強を教わったから大丈夫のはず。結愛先パイは『わざわざ自分から借りを作るなんて、また洗濯物を増やしたいのかしら?』とか言ってたけど……とりあえず気にしないことにしている。
そんなこんなであたしは無事に中間テストを終え、部室に向かう。
「凛花。テストどうだった?」
「大丈夫だと思います。ありがとうございます結愛先パイ。」
「別にいいのよ。可愛い後輩のためだし。これは貸しだし。」
「善意ですよね?結愛先パイ。あたしは信じてますからね?」
結愛先パイはまたいつもの悪い微笑みをあたしにくれる。貸しなんてなくてもどうせするくせに。その時ふと結愛先パイの持っている本に目がいく。
「ん?今日は小説じゃないんですね?何読んでるんですか?」
「これは、一応短編小説に分類されるものよ。中身は切ない恋心をえがいた俳句なんだけどね。」
「俳句……へー。意外ですね。結愛先パイって百合小説かエッチなやつしか興味ないかと思ってました。」
「あなた。私のことなんだと思ってるの?まぁ否定はできないけれど。」
いやできないんだ……。
「それよりこの俳句を読んでみてくれないかしら?今朝、ふと思いついて急いで書いたのだけれど、なかなか上手く書けたと思うわ。」
そう言うと結愛先パイはあたしに俳句が書かれた紙を渡してくる。あたしはその紙を受け取ると、そこに書かれていた句を詠む。
「えっと……【純白の 二人の場所は 梅雨明けず】なんですかこれ?」
「ふふっ。この前のシーツを洗濯した時の私の気持ちを詠んでみたのだけど?」
「結愛先パイ!?」
わざとだ……この人。絶対分かっててやってる!それにしても【梅雨明けず】とは上手いことを言う。確かにあの時凄かったもんなぁ……。うん。結愛先パイったら酷いなあ……。
「ほらほら。次も詠んで?いっぱい考えてきたから、凛花の俳句。」
「なんですか凛花の俳句って?」
あたしはそのまま次の句を詠む。そしてそのあとも色々あったのだが割愛する。
「凛花どうだったかしら?」
「全部そういうことしか書かれてないですよね!?こんなの俳句じゃない!俳句を使ったあたしいじりだ!」
「そういうことって?どういうこと?私分からないわ?」
結愛先パイはまたまた悪い微笑みをしてくる。ほんとタチが悪い……。中身は全部本当の事なんだけどさ……。
「でも。短い文章で想いを伝えるなんて素敵なことよね。」
「急に真面目になるのやめて下さいよ。」
「私はいつでも真面目だけど?」
本当に結愛先パイはいい性格している。その時紙がもう一枚あることに気づく。あたしはその紙に書いてある俳句を詠む。
「ん?【暗闇に 彩りくれた 愛しき人】……結愛先パイ……。」
あたしは急に恥ずかしくなる。2人の間に少しの沈黙が流れる。あたしは耐えられなくなって結愛先パイに言う。
「はっ……恥ずかしいなぁ。結愛先パイは恥ずかしくないんですか?こんなこと書いちゃって?」
「恥ずかしくないわよ。私の気持ちだから。恥ずかしがる理由なんてないわよ。私は凛花が好きだし、本当のことだもの。」
ああ……この人はずるい。そんなこと言われたら何も言えないじゃないか。結愛先パイには敵わない。いつだってそうだ。結愛先パイはいつもあたしの心の中に入り込んでくる。それが嫌じゃなくてむしろ心地よくて……結愛先パイと一緒にいるだけで幸せな気分になれる。
あたしは自然と浮かんでくる言葉を並べる。拙い俳句かもしれないけど、結愛先パイに聞いてほしい。
「【小悪魔な 先パイだけど 憎めない やっぱりあたしは あなたが大好き】……。」
「凛花……。」
あたしは顔を赤くしながら俳句を詠む。結愛先パイは目を丸くして驚いていたけど、その顔は優しい微笑みに変わり、あたしに言う。
「それじゃ俳句じゃなくて短歌よ?凛花、ありがとう凄く嬉しいわ。」
結愛先パイはそう答えると、また本を読み始める。あたしも自分の席に座り本を読むことにする。その後はあまり会話はなかったけど、すごく幸せな気分になった。
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