674 / 693
601. 姫は『論外』らしいです
しおりを挟む
601. 姫は『論外』らしいです
11月下旬。来月からは本格的に忙しくなるので、事前に会議やらミーティングやらがこの時期は多くなる。そんな中、オレはミーティングをするために事務所の会議室へ来ていた。今から年末のすたライについてのミーティングをする予定だ。
ちなみに、今日はミーティング三昧でこの後は新企画の打ち合わせが入っている。
オレがパソコンで仕事をしていると日咲さんがやってくる。
「お疲れ颯太」
「お疲れ様。コーヒー飲む?」
「うん。ありがと」
日咲さんと会うのは月城さんの活動休止を聞いた時以来か。配信でも最近は絡んでないしな。
コーヒーを淹れつつ、資料に目を通している日咲さんを見る。……日咲さんなんか……大人っぽくなってないか?いや、元から大人なんだけど。前よりもなんか……こう……
日咲さんはコーヒーを飲みながら資料に目を通している。……うん。やっぱり大人っぽくなってるな!なんだ?化粧変えたのか?とオレが日咲さんを見ていると、日咲さんがオレをジト目で見てくる。
「なに?」
「いや……大人っぽくなったなって……」
「何それw褒めてる?」
「しばらく会わないと変わるもんだなぁってさ?」
「は?先月会ったじゃんwあたしの魅力に今更気づいたの?ダメだなぁ颯太は。男として論外だね?」
「論外は言い過ぎだろ!」
そんなやり取りをしているとそこにタイミング良く立花さんと高坂さんが入ってくる。
「あ。ましポアてぇてぇ?本当にあなたたち仲良いわねw」
「いやいやどこが!?颯太があたしのこと可愛いって言ったから」
「可愛いなんて言ってないだろ!大人っぽくなったって言っただけで」
「女の子に大人っぽくなったは可愛いと同義だから。覚えておいたほうがいいよ颯太」
「え。そうなのか?」
「はいはい。ミーティングやるわよ?陽葵お願い」
「はい。皆さん席に座ってください」
と高坂さんがホワイトボードを持ってきて、今回のミーティングの議題を書く。なんで高坂さんがいるかは彼女が『姫宮ましろ』のマネージャーだから、万が一誰かに見られても『姫宮ましろ』の代わりだと言えるからである。でもオレたちとしてもこういうミーティングでの司会役をやってくれるので助かっている。
「まず、今回のすたライですけど基本的にはオリジナルユニット曲をメインとした構成になります。そして初めに1期生のオリジナル曲をどうするかということです」
「どうするって歌唱するかってこと?」
「はい。ひなたさんがいないので3人で歌唱するか、ひなたさんのパートを他のライバーさんにお願いするかです。会社としては1期生の判断に任せると」
「七海と颯太はどう?」
「あたしは……あのさ歌わないって言うのはダメなのかな?やっぱり、ひなちゃんが居ての1期生だし。3人じゃなんか寂しいし、それに他のみんなも気が引けると思うし。ダメかな?」
確かに……ひなたさんは休んでいるだけだし3人で歌うのはなんか違うか。日咲さんの言う通り他のライバーさんにお願いして歌ってくださいと言われて歌うのも可哀想だよな。
「オレもそれがいいと思います」
「そうね。私もそう思うわ」
「分かりました。今回は1期生の曲はなしで。次にオリジナルユニットなんですけど……一応会社の意見としてはまず初めに1期生を絡めたオリジナルユニットを提案したいと思ってます。仮歌は来週予定で、姫宮ましろは『姫と親衛隊』、魔月リリィは『魔界組』、青嶋ポアロは『新生SLG』です」
「オリジナルユニット!いいじゃん!」
「魔界組ねwどこかの魔女っ子がやりたがってたものね」
オレは『姫と親衛隊』か。ユニットだから誰だろうか?彩芽ちゃんはいそうだけど……
「ちなみにオレのユニットは誰がいるの高坂さん?」
「あ。えっと……伊集院クララ、双葉かのん、八神えるる、あと私、星影つむぎです」
「え。えるるちゃん?」
「あれ?えるるって颯太のこと知ってるんだっけ?」
「いや知らない。ということは、えるるちゃんにオレの正体を話すってことなのか?」
「そうなりますね。大丈夫ですか?」
まぁここまで来たらいつ話すかというだけのことだしな。えるるちゃんとは1度焼き肉を食べに行ったことあるか……
「えるるなら大丈夫じゃない?というか、いざ話すときが来ても、驚く人はいると思うけど、Fmすたーらいぶのライバー全員認めてくれるとあたしは思うよ?」
「そうね。今までのあなたの活動に嘘はない。でも必要以上に正体を明かす必要はないと思うわよ?颯太の……『姫宮ましろ』の活動に支障が出ると困るだろうしね?」
確かに2人の言う通りかもな。あとはオレが『姫宮ましろ』だと知って幻滅しないか心配だな。えるるちゃんの推しだからな姫宮ましろは。
11月下旬。来月からは本格的に忙しくなるので、事前に会議やらミーティングやらがこの時期は多くなる。そんな中、オレはミーティングをするために事務所の会議室へ来ていた。今から年末のすたライについてのミーティングをする予定だ。
ちなみに、今日はミーティング三昧でこの後は新企画の打ち合わせが入っている。
オレがパソコンで仕事をしていると日咲さんがやってくる。
「お疲れ颯太」
「お疲れ様。コーヒー飲む?」
「うん。ありがと」
日咲さんと会うのは月城さんの活動休止を聞いた時以来か。配信でも最近は絡んでないしな。
コーヒーを淹れつつ、資料に目を通している日咲さんを見る。……日咲さんなんか……大人っぽくなってないか?いや、元から大人なんだけど。前よりもなんか……こう……
日咲さんはコーヒーを飲みながら資料に目を通している。……うん。やっぱり大人っぽくなってるな!なんだ?化粧変えたのか?とオレが日咲さんを見ていると、日咲さんがオレをジト目で見てくる。
「なに?」
「いや……大人っぽくなったなって……」
「何それw褒めてる?」
「しばらく会わないと変わるもんだなぁってさ?」
「は?先月会ったじゃんwあたしの魅力に今更気づいたの?ダメだなぁ颯太は。男として論外だね?」
「論外は言い過ぎだろ!」
そんなやり取りをしているとそこにタイミング良く立花さんと高坂さんが入ってくる。
「あ。ましポアてぇてぇ?本当にあなたたち仲良いわねw」
「いやいやどこが!?颯太があたしのこと可愛いって言ったから」
「可愛いなんて言ってないだろ!大人っぽくなったって言っただけで」
「女の子に大人っぽくなったは可愛いと同義だから。覚えておいたほうがいいよ颯太」
「え。そうなのか?」
「はいはい。ミーティングやるわよ?陽葵お願い」
「はい。皆さん席に座ってください」
と高坂さんがホワイトボードを持ってきて、今回のミーティングの議題を書く。なんで高坂さんがいるかは彼女が『姫宮ましろ』のマネージャーだから、万が一誰かに見られても『姫宮ましろ』の代わりだと言えるからである。でもオレたちとしてもこういうミーティングでの司会役をやってくれるので助かっている。
「まず、今回のすたライですけど基本的にはオリジナルユニット曲をメインとした構成になります。そして初めに1期生のオリジナル曲をどうするかということです」
「どうするって歌唱するかってこと?」
「はい。ひなたさんがいないので3人で歌唱するか、ひなたさんのパートを他のライバーさんにお願いするかです。会社としては1期生の判断に任せると」
「七海と颯太はどう?」
「あたしは……あのさ歌わないって言うのはダメなのかな?やっぱり、ひなちゃんが居ての1期生だし。3人じゃなんか寂しいし、それに他のみんなも気が引けると思うし。ダメかな?」
確かに……ひなたさんは休んでいるだけだし3人で歌うのはなんか違うか。日咲さんの言う通り他のライバーさんにお願いして歌ってくださいと言われて歌うのも可哀想だよな。
「オレもそれがいいと思います」
「そうね。私もそう思うわ」
「分かりました。今回は1期生の曲はなしで。次にオリジナルユニットなんですけど……一応会社の意見としてはまず初めに1期生を絡めたオリジナルユニットを提案したいと思ってます。仮歌は来週予定で、姫宮ましろは『姫と親衛隊』、魔月リリィは『魔界組』、青嶋ポアロは『新生SLG』です」
「オリジナルユニット!いいじゃん!」
「魔界組ねwどこかの魔女っ子がやりたがってたものね」
オレは『姫と親衛隊』か。ユニットだから誰だろうか?彩芽ちゃんはいそうだけど……
「ちなみにオレのユニットは誰がいるの高坂さん?」
「あ。えっと……伊集院クララ、双葉かのん、八神えるる、あと私、星影つむぎです」
「え。えるるちゃん?」
「あれ?えるるって颯太のこと知ってるんだっけ?」
「いや知らない。ということは、えるるちゃんにオレの正体を話すってことなのか?」
「そうなりますね。大丈夫ですか?」
まぁここまで来たらいつ話すかというだけのことだしな。えるるちゃんとは1度焼き肉を食べに行ったことあるか……
「えるるなら大丈夫じゃない?というか、いざ話すときが来ても、驚く人はいると思うけど、Fmすたーらいぶのライバー全員認めてくれるとあたしは思うよ?」
「そうね。今までのあなたの活動に嘘はない。でも必要以上に正体を明かす必要はないと思うわよ?颯太の……『姫宮ましろ』の活動に支障が出ると困るだろうしね?」
確かに2人の言う通りかもな。あとはオレが『姫宮ましろ』だと知って幻滅しないか心配だな。えるるちゃんの推しだからな姫宮ましろは。
13
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた
ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。
俺が変わったのか……
地元が変わったのか……
主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。
※他Web小説サイトで連載していた作品です
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
催眠アプリで恋人を寝取られて「労働奴隷」にされたけど、仕事の才能が開花したことで成り上がり、人生逆転しました
フーラー
ファンタジー
「催眠アプリで女性を寝取り、ハーレムを形成するクソ野郎」が
ざまぁ展開に陥る、異色の異世界ファンタジー。
舞台は異世界。
売れないイラストレーターをやっている獣人の男性「イグニス」はある日、
チートスキル「催眠アプリ」を持つ異世界転移者「リマ」に恋人を寝取られる。
もともとイグニスは収入が少なく、ほぼ恋人に養ってもらっていたヒモ状態だったのだが、
リマに「これからはボクらを養うための労働奴隷になれ」と催眠をかけられ、
彼らを養うために働くことになる。
しかし、今のイグニスの収入を差し出してもらっても、生活が出来ないと感じたリマは、
イグニスに「仕事が楽しくてたまらなくなる」ように催眠をかける。
これによってイグニスは仕事にまじめに取り組むようになる。
そして努力を重ねたことでイラストレーターとしての才能が開花、
大劇団のパンフレット作製など、大きな仕事が舞い込むようになっていく。
更にリマはほかの男からも催眠で妻や片思いの相手を寝取っていくが、
その「寝取られ男」達も皆、その時にかけられた催眠が良い方に作用する。
これによって彼ら「寝取られ男」達は、
・ゲーム会社を立ち上げる
・シナリオライターになる
・営業で大きな成績を上げる
など次々に大成功を収めていき、その中で精神的にも大きな成長を遂げていく。
リマは、そんな『労働奴隷』達の成長を目の当たりにする一方で、
自身は自堕落に生活し、なにも人間的に成長できていないことに焦りを感じるようになる。
そして、ついにリマは嫉妬と焦りによって、
「ボクをお前の会社の社長にしろ」
と『労働奴隷』に催眠をかけて社長に就任する。
そして「現代のゲームに関する知識」を活かしてゲーム業界での無双を試みるが、
その浅はかな考えが、本格的な破滅の引き金となっていく。
小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで
あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる