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562. 姫は察するようです
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562. 姫は察するようです
10月10日木曜日。明後日から秋の配信ウィーク後半戦の『本音で語ります!ガチ恋(?)CPオフコラボリレー配信』が始まる。オレと彩芽ちゃんの『ましのん』は14日21:00からの枠なので、色々と内容の打ち合わせや調整をし準備は万端だ。
SNSでも各ライバーさんが告知をしているので、色んな反応をしているが期待感はかなりものもで好意的な意見が多い。確かに『ガチ恋』感あるカップリングが多いからな……配信でこうやって大々的にガッツリ絡むことも今までなかったカップリングが多いし、ファンにとっては楽しみだろう。
そしてオレは、いつものように部屋で作業をしていると1期生のグループにひなたさんからディスコードのメッセージがくる。
「ん?『急で申し訳ないんだけど、今日の夜ってみんな予定空いていたりする?』か。珍しいな月城さんから突然の連絡なんて……」
今日の夜は配信などの予定もないし、オレはそのまま空いてる旨を送る。すると、『久しぶりに1期生で集まって飲みに行かない?』とのことだった。特に断る理由もなかったのでオレは了承する。
まぁ……1期生全員集合だしな……というか、初めてじゃないか普通にプライベートで集まるの。なんか緊張してきたんだが……
それに……なんとなくだけど、ただ飲みに行くだけのような気はしない。月城さんはとてもしっかりしてる人だ、ディスコードで突然飲みに誘うような人じゃない。これでも少しは1期生のことは分かっているつもりだ。何か相談事があるんだろうな……
そして時間は19時に初めてオフで1期生が集まった居酒屋に集合らしいので、時間まで作業をすることにした。
オレが指定された店に向かうと既に仕事終わりの日咲さんがいた。
「お疲れ様」
「お疲れ颯太。そこ座んなよ」
「おう」
と促されるまま、いつものように日咲さんの横に座る。日咲さんは少し緊張しているのか、いつもと違っておとなしいような?
「日咲さん。今日は静かだな」
「……だってこんなこと活動してきて初めてじゃん……もうVtuberとして5年だし、ひなちゃんだって27歳だし……だからもしかしたら卒業とかさ……」
「……だとしても、それが月城さんが決めたことなら、オレたちは応援するだけだろ?」
「そうだけどさ……もしそうなったらやっぱり寂しいじゃん……」
確かに5年も活動していれば色々な事があるしな……でも、月城さんはそんな簡単に終わる人じゃないとオレは思うけどな。
そしてしばらくして立花さんと月城さんも合流して、1期生が全員集まる。しかし普段のような空気感ではなく、どこか重苦しい感じがする。全員が飲み物を注文し、そこからは1期生でのよくある雑談や仕事の話をするのだが、やはりいつもよりも会話が弾まずすぐに沈黙になってしまう。そんな時、その沈黙を破るかのように立花さんが口を開く。
「もうそろそろいいんじゃないの陽菜?さっきから颯太も七海も気を遣ってるじゃない。急にわざわざ集まるんだからみんな察してるわよ」
「……うん。そうだね」
そしてビールのジョッキを下ろして月城さんは話し始める。その表情はとても真剣な表情で真っ直ぐオレたちを見ている。
「みんなごめんね?変な空気にしちゃって……でも今日はどうしてもみんなに聞いてほしいことがあって突然だけど集まってもらったの」
月城さんはそう言い、少し間を置いて話を続ける。
「私ね……明日からしばらくVtuber『神川ひなた』をお休みしようと思ってるの」
「え?」
「ひなちゃん……しかも明日って……いきなりであたし……なんて言ったらいいか……」
「あなた……急すぎよ」
月城さんの言葉にオレたちは動揺を隠せない。いきなり過ぎて何をどう言えばいいか言葉が出てこない。まさかの1期生全員集合でこれかよ……
10月10日木曜日。明後日から秋の配信ウィーク後半戦の『本音で語ります!ガチ恋(?)CPオフコラボリレー配信』が始まる。オレと彩芽ちゃんの『ましのん』は14日21:00からの枠なので、色々と内容の打ち合わせや調整をし準備は万端だ。
SNSでも各ライバーさんが告知をしているので、色んな反応をしているが期待感はかなりものもで好意的な意見が多い。確かに『ガチ恋』感あるカップリングが多いからな……配信でこうやって大々的にガッツリ絡むことも今までなかったカップリングが多いし、ファンにとっては楽しみだろう。
そしてオレは、いつものように部屋で作業をしていると1期生のグループにひなたさんからディスコードのメッセージがくる。
「ん?『急で申し訳ないんだけど、今日の夜ってみんな予定空いていたりする?』か。珍しいな月城さんから突然の連絡なんて……」
今日の夜は配信などの予定もないし、オレはそのまま空いてる旨を送る。すると、『久しぶりに1期生で集まって飲みに行かない?』とのことだった。特に断る理由もなかったのでオレは了承する。
まぁ……1期生全員集合だしな……というか、初めてじゃないか普通にプライベートで集まるの。なんか緊張してきたんだが……
それに……なんとなくだけど、ただ飲みに行くだけのような気はしない。月城さんはとてもしっかりしてる人だ、ディスコードで突然飲みに誘うような人じゃない。これでも少しは1期生のことは分かっているつもりだ。何か相談事があるんだろうな……
そして時間は19時に初めてオフで1期生が集まった居酒屋に集合らしいので、時間まで作業をすることにした。
オレが指定された店に向かうと既に仕事終わりの日咲さんがいた。
「お疲れ様」
「お疲れ颯太。そこ座んなよ」
「おう」
と促されるまま、いつものように日咲さんの横に座る。日咲さんは少し緊張しているのか、いつもと違っておとなしいような?
「日咲さん。今日は静かだな」
「……だってこんなこと活動してきて初めてじゃん……もうVtuberとして5年だし、ひなちゃんだって27歳だし……だからもしかしたら卒業とかさ……」
「……だとしても、それが月城さんが決めたことなら、オレたちは応援するだけだろ?」
「そうだけどさ……もしそうなったらやっぱり寂しいじゃん……」
確かに5年も活動していれば色々な事があるしな……でも、月城さんはそんな簡単に終わる人じゃないとオレは思うけどな。
そしてしばらくして立花さんと月城さんも合流して、1期生が全員集まる。しかし普段のような空気感ではなく、どこか重苦しい感じがする。全員が飲み物を注文し、そこからは1期生でのよくある雑談や仕事の話をするのだが、やはりいつもよりも会話が弾まずすぐに沈黙になってしまう。そんな時、その沈黙を破るかのように立花さんが口を開く。
「もうそろそろいいんじゃないの陽菜?さっきから颯太も七海も気を遣ってるじゃない。急にわざわざ集まるんだからみんな察してるわよ」
「……うん。そうだね」
そしてビールのジョッキを下ろして月城さんは話し始める。その表情はとても真剣な表情で真っ直ぐオレたちを見ている。
「みんなごめんね?変な空気にしちゃって……でも今日はどうしてもみんなに聞いてほしいことがあって突然だけど集まってもらったの」
月城さんはそう言い、少し間を置いて話を続ける。
「私ね……明日からしばらくVtuber『神川ひなた』をお休みしようと思ってるの」
「え?」
「ひなちゃん……しかも明日って……いきなりであたし……なんて言ったらいいか……」
「あなた……急すぎよ」
月城さんの言葉にオレたちは動揺を隠せない。いきなり過ぎて何をどう言えばいいか言葉が出てこない。まさかの1期生全員集合でこれかよ……
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