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500. 『あかくま50』~迷える子羊に慈悲を。シスターいのりのお悩み相談室配信~⑤

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500. 『あかくま50』~迷える子羊に慈悲を。シスターいのりのお悩み相談室配信~⑤



 突然の社長の凸により、配信は最高潮を迎えている。本当にこの人はこう言うの好きだよな。

「あの社長……」

 《大司教すたーと呼んで》

「えっと大司教すたー様。今日のお悩み相談室は終わりましたけど……」

 《いつもお仕事お疲れ様。実は私のところに切実なお悩み相談がきたの。読んでもいいかしら?》

「はい。どうぞ……」

 コメント
『誰からだ?』
『面白いことになってきたぞ』
『いいね!』

 《じゃあ読むわね?『大司教すたー様こんばんは。実は……このFmすたーらいぶに悪魔に取り憑かれたライバーがいます。ぜひ確認してほしいです』》

「悪魔に取り憑かれた!?誰ですかそれ?そんな人はこのFmすたーらいぶにいませんけどw」

 《お手本のような反応ありがとう》

「社長。いや大司教すたー様。それ言わなくていいですw」

 コメント
『草』
『いのりん流れ分かってる』
『さすがだな』

 《『そのライバーは、自分のキャラクターである『シスターいのり』をいいことに、好き勝手やり、強引に懺悔させる始末。更にその自分の欲望のままにリスナーを洗脳し操っています。配信をする度に『相談室確定』と言われないかビクビクしながらいつも配信しています。この悪事を止めさせたい!大司教すたー様ならなんとかしてくれると思いメールしました。どうかよろしくお願いします。Fmすたーらいぶライバー一同』……これはどうなのかしらシスターいのり?》

「事実無根です。いのりはただ事実を確認して懺悔してもらってますから」

 《先ほどの配信観てたけど、結構強引な場面もあったように見えたけど?》

「甘やかしてはダメです。大司教すたー様。現に『相談室確定』という文化がこのFmすたーらいぶに広まっているおかげで、ライバーの皆さんは毎回気を引き締めて配信しています。むしろ感謝するべきでは?」

 コメント
『しぶといw』
『いのりん強いw』
『すたーさん頑張れ!』

 《まぁ……それはそうね。実はもう一通来てるのよ》

「まだあるんですかw」

 《これを見たとき目を疑ったわ。一応確認させてちょうだい?……えっと『拘束と我慢』……これは?》

「えっwそれは絶対ダメなやつです!大司教すたー様!メン限持ち出すのはダメですよ!」

 《あら?どうしたのシスターいのり。いつも穏やかなあなたがwこれ……説明してもらえるかしら?》

「絶対嫌ですw」

 コメント
『拘束と我慢?』
『なんだこれ?』
『意味わからんな』

 《仕方ないわね……星影さん。リスナーさんに教えてあげてw》

 《はいw》

「いや星影さん?話せば分かります。本当に恥ずかしいのでやめてください!」

 《すいませんシスターいのり。つむぎもスタッフですから大司教すたー様には逆らえませんw……えっとこれはいのり様のマネージャーさんから聞いたお話です。いのり様のメン限でASMR配信をしていた時に、『性癖』の話になったそうです。その中でいのり様が『拘束されるの興味ある』とか『相手が我慢している顔が好き』などと発言していたそうですw》

 コメント
『えっどw』
『ドSいのりんw』
『でも拘束されたい』
『両方か……最高』

 《シスターいのり。これは本当かしら?もしかしてメン限だからいいとか思ってたかしら?》

「いや……あの……そもそも『性癖』って人それぞれだと思うんです。それを責められるのはどうかと。別に悪いことはしてませんよw」

 《そうね。でも……輝聖いのりはお清楚のイメージあるわよね?イメージ崩れちゃうんじゃないかしら?困るわね……》

「だからやめてくださいって言ったんですけどw」

 《これに懲りて、メン限でもお清楚を守るように懺悔してもらえるかしら?》

「すぅー……えー……シスターいのりはメン限をいいことにお清楚キャラを無視した性癖を暴露し、イメージを崩してしまったことを懺悔いたします……」

 コメント
『ついにいのりんが負けたw』
『すたーさん強いw』
『社長だからなw』

 こうして突然の社長の凸からのいのりさんへのドッキリをしつつ、迷える子羊に慈悲を。シスターいのりのお悩み相談室配信は大盛況のまま終わる。あとは最後のエンディング配信を残すのみだな。
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