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461. 『あかくま50』~オフパート 家族記念~
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461. 『あかくま50』~オフパート 家族記念~
時間は21時。今はちょうど彩芽ちゃんと朝比奈さんの『あかくま50』の半分を迎えた雑談配信が始まっている。
オレは送られた住所を頼りに、月城さんのマンションに到着した。立花さんも良いところに住んでたけど、ここも随分と高そうだ。
エントランスからオートロックのインターホンを押すと、すぐに返事が返ってきたので、部屋番号を伝えて中へ入る。エレベーターにのり、月城さんの部屋の前までたどり着いた。部屋番号は教えてもらったし間違えようがないんだけど、とても緊張してきたぞ……。
ドアの前で深呼吸をしてインターホンを鳴らす。すると中からバタバタと慌てて走る音が聞こえてきた。そして勢いよく扉が開く。
「いらっしゃい颯太君」
「こんばんは月城さん」
「どうぞ」
月城さんは笑顔で出迎えてくれると、オレを部屋に招き入れてくれた。めっちゃいい匂いするし、部屋も整理整頓されてて綺麗だし、何だかドキッとしてしまう。
「あ。ごめんねお風呂あがりだからほぼ素っぴんだし、眼鏡なんだけどw」
「眼鏡なの新鮮ですね。似合ってますよ」
「ありがとう。準備しちゃおうか」
オレは月城さんに促されるように靴を脱いで部屋へ入っていく。中はリビングで、ソファや家具などが置いてあり、シックな色合いでまとまっている。
良く考えたら、同期全員の自宅に入ったことになるのか……本当にこの1年で大きく関係性が変わったよな……
そして、そのまま防音室の配信部屋に通される。そこには色々な機材の他に、壁には月城さんが描いた絵だろうか?何枚かの絵が飾られている。
「これ月城さんの絵ですか?」
「うん。配信の時に描いたイラスト。一応データで保存してるけど、その中でもお気に入りのやつを印刷して飾ってるんだよね」
「あれ?これは……」
そこには、同期全員が描かれた1枚の絵。それはライバーとしてではなく、裏の……ありのままの姿が描かれていた。
「あー。それは初めて1期生が集まった居酒屋さんの様子だね。一応配信ではきちんとライバーにして描き直してるものを出したから。でも……私にはこの絵のほうがお気に入りだからさ」
「そうなんですか?」
「うん。私ね……一人っ子なの。小さい頃から『きょうだい』が欲しくてね?なんか1期生って……私にとって理想の家族のような存在なんだよね」
「理想の家族……」
「紫織ちゃんは歳が近いからそこまでお姉ちゃん感はない何でも気兼ねなく話せるフレンドリーなお姉ちゃん。颯太君は普段は私にはあまり興味はないけど、いざというときは助けてくれる弟。七海ちゃんは私に甘えてくる元気いっぱいな妹……みんなに当てはまると思わない?」
「そう言われたらそうかもしれませんね。でもそれは月城さんがそういう人だから周りも自然にそうなるんだと思いますよ?家族か……オレもみんなのことそう思っているのかもしれないです」
オレがそう言うと、月城さんは嬉しそうに微笑んだ。やっぱり月城さんは優しい人だな。
「さて、とりあえず乾杯しようか。颯太君はビールでいいかな?」
「はい。というかまだ配信まで時間ありますけど……」
「大丈夫。1本だけだから、それに私はお風呂あがりで喉が乾いてるからね?」
「……1本だけですよ?」
「あはは。分かってるよ。じゃあ、乾杯しよ」
月城さんはグラスにビールを注ぐ。オレもグラスを持って月城さんのほうに向ける。
「何に乾杯しようか?」
「そうですね……家族記念でいいですかね?」
「2人のオフコラボに。じゃなくていいの?」
「2人のオフコラボは2回目ですから」
「ふふ。そっか。じゃあ弟が出来た記念だね?」
「オレは歳の近い姉ですね」
2人で乾杯と言い、カチンッとグラスを鳴らす。そのまま月城さんはグラスを傾けてゴクゴクとビールを流し込む。オレは月城さんの喉が鳴る様子に少しドキドキしながらも、ゆっくりとビールを口に含んだ。
時間は21時。今はちょうど彩芽ちゃんと朝比奈さんの『あかくま50』の半分を迎えた雑談配信が始まっている。
オレは送られた住所を頼りに、月城さんのマンションに到着した。立花さんも良いところに住んでたけど、ここも随分と高そうだ。
エントランスからオートロックのインターホンを押すと、すぐに返事が返ってきたので、部屋番号を伝えて中へ入る。エレベーターにのり、月城さんの部屋の前までたどり着いた。部屋番号は教えてもらったし間違えようがないんだけど、とても緊張してきたぞ……。
ドアの前で深呼吸をしてインターホンを鳴らす。すると中からバタバタと慌てて走る音が聞こえてきた。そして勢いよく扉が開く。
「いらっしゃい颯太君」
「こんばんは月城さん」
「どうぞ」
月城さんは笑顔で出迎えてくれると、オレを部屋に招き入れてくれた。めっちゃいい匂いするし、部屋も整理整頓されてて綺麗だし、何だかドキッとしてしまう。
「あ。ごめんねお風呂あがりだからほぼ素っぴんだし、眼鏡なんだけどw」
「眼鏡なの新鮮ですね。似合ってますよ」
「ありがとう。準備しちゃおうか」
オレは月城さんに促されるように靴を脱いで部屋へ入っていく。中はリビングで、ソファや家具などが置いてあり、シックな色合いでまとまっている。
良く考えたら、同期全員の自宅に入ったことになるのか……本当にこの1年で大きく関係性が変わったよな……
そして、そのまま防音室の配信部屋に通される。そこには色々な機材の他に、壁には月城さんが描いた絵だろうか?何枚かの絵が飾られている。
「これ月城さんの絵ですか?」
「うん。配信の時に描いたイラスト。一応データで保存してるけど、その中でもお気に入りのやつを印刷して飾ってるんだよね」
「あれ?これは……」
そこには、同期全員が描かれた1枚の絵。それはライバーとしてではなく、裏の……ありのままの姿が描かれていた。
「あー。それは初めて1期生が集まった居酒屋さんの様子だね。一応配信ではきちんとライバーにして描き直してるものを出したから。でも……私にはこの絵のほうがお気に入りだからさ」
「そうなんですか?」
「うん。私ね……一人っ子なの。小さい頃から『きょうだい』が欲しくてね?なんか1期生って……私にとって理想の家族のような存在なんだよね」
「理想の家族……」
「紫織ちゃんは歳が近いからそこまでお姉ちゃん感はない何でも気兼ねなく話せるフレンドリーなお姉ちゃん。颯太君は普段は私にはあまり興味はないけど、いざというときは助けてくれる弟。七海ちゃんは私に甘えてくる元気いっぱいな妹……みんなに当てはまると思わない?」
「そう言われたらそうかもしれませんね。でもそれは月城さんがそういう人だから周りも自然にそうなるんだと思いますよ?家族か……オレもみんなのことそう思っているのかもしれないです」
オレがそう言うと、月城さんは嬉しそうに微笑んだ。やっぱり月城さんは優しい人だな。
「さて、とりあえず乾杯しようか。颯太君はビールでいいかな?」
「はい。というかまだ配信まで時間ありますけど……」
「大丈夫。1本だけだから、それに私はお風呂あがりで喉が乾いてるからね?」
「……1本だけですよ?」
「あはは。分かってるよ。じゃあ、乾杯しよ」
月城さんはグラスにビールを注ぐ。オレもグラスを持って月城さんのほうに向ける。
「何に乾杯しようか?」
「そうですね……家族記念でいいですかね?」
「2人のオフコラボに。じゃなくていいの?」
「2人のオフコラボは2回目ですから」
「ふふ。そっか。じゃあ弟が出来た記念だね?」
「オレは歳の近い姉ですね」
2人で乾杯と言い、カチンッとグラスを鳴らす。そのまま月城さんはグラスを傾けてゴクゴクとビールを流し込む。オレは月城さんの喉が鳴る様子に少しドキドキしながらも、ゆっくりとビールを口に含んだ。
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