【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと～後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します！

397. 後輩ちゃんは『アドバイス』するようです

397.　後輩ちゃんは『アドバイス』するようです



　そして時間は経ち、6月下旬。オレと彩芽ちゃんは来月の『すたフェス』に向けてのレッスンやら、通常配信など忙しい日々を過ごしていた。

　今日は『ましのん』の企画配信があり、リビングでオレと彩芽ちゃん、高坂さんは打ち合わせをしていた。配信内容は『いつもありがとマネちゃん！マネージャー分かり手選手権！』というもので参加者のマネージャーさんにアンケートを取り、それをクイズ形式で対決し、自分のマネージャーさんの分かり手を決めるというもの。

　久しぶりの企画配信だし、最近の『ましのん』は雑談が多めだったから企画配信は楽しみだな。そして今回は彩芽ちゃんの枠でディスコードで繋ぎながらやることになっている。だから隣にいないのが少し寂しくはある。

「うん。こんな感じかな？彩芽ちゃんが進行だから頑張ってね」

「頑張ります」

「あの……お2人この後少し時間ありますか？少し相談したいことがありまして……」

「オレは空いてるよ」

「私はサイン書きがあります……書きながらでもよければ……」

　相談？きっと5期生のことについてだろうな。そんなことを考えていると高坂さんはカバンの中から、一枚の紙を取り出しテーブルの上に置く。

　そこには3Dモデリングの女の子の立ち絵が描かれていた。銀髪で髪をお団子にしており、少しツリ目だが可愛らしい印象。そして誰かにお仕えしている侍女のような格好をしている。

「どうですか？これが私です！」

「可愛いです……」

「大丈夫なのこれ見せて？」

「はい！チーフの許可も取ってあります！それでですね……名前とか自己紹介とかファンネームを決めないといけなくて……アドバイスをいただきたいなって思ってます！」

「アドバイスか……いや正直に言うと『姫宮ましろ』のはオレが考えたやつじゃないんだよ。彩芽ちゃんはどうなの？」

「私は自分で考えました……はい」

　高坂さんにとっての分身だからな。とりあえずオレは少し考える。自己紹介は……みんなのを参考にしたほうがいいのかな？そんなことを思っていると彩芽ちゃんが何か思いついたような顔をする。

「陽葵さん。この子のコンセプトってなんですか？」

「はい。『みんなに自分の大好きなFmすたーらいぶのことをより知ってもらうためにやってきたましろ姫の侍女』です』

「え？オレの？」

「公式Vtuberなので、普段は『姫宮ましろ』のマネージャーをやっていると発表する予定なんです。その方がリスナーも共感しやすいだろうって。あとは私は夜の18時～22時までの間に1時間ほど枠をとって雑談配信をやる予定です！22時以降は深夜残業がついてしまうので！」

「夜配信ってこと？」

「基本私はスタッフの仕事があるので、夜しか配信が出来ないので。ただコラボとか誘われればもちろん参加してOKです。配信活動も仕事ですから」

　なるほど。確かにオレは自分のマネージャーが新人だと話しているしな、その子が5期生になったとなれば話題になるだろうな。

「名前どうしたらいいですかね？出来れば自分のことは一人称で呼びたいと思ってます」

「……『星影つむぎ』ちゃんとかどうですか？ましろん先輩が朝、つむぎちゃんが夜でFmすたーらいぶの雑談を紡いでいくみたいな……Fmすたーらいぶの『星』、でもまだ新人だから『夜』にはなれなくて、でもましろん先輩を普段から一生懸命支える『影』として……どうですかね？」

「え？……天才ですか彩芽さん！？ファンネームの案とかありますか！？」

「えっと……『つむぎ隊』とか？ましろん先輩は『親衛隊』なので同じ隊繋がりで」

「すっすごい……さすが彩芽さん！いや先輩！」

「あと……もし良ければ……ましろん先輩のことは『姫様』とか誰も呼んでいない呼び方で呼ぶとキャラクターがたちます。様付けって誰もいないですし、先輩後輩関係なく敬ってる感じも悪くないかもです」

　高坂さんは彩芽ちゃんに言われたことを一生懸命メモを取りながら聞いている。なんか……本当に彩芽ちゃん成長したな。でも改めて思うけど彩芽ちゃんは絶対に自分の意見を持ってるよな。思い返しても彩芽ちゃんが『どっちでもいい』、『任せます』って言うことほとんどないからな。