395 / 583
354. 姫は『探偵』の部屋に行くそうです
しおりを挟む
354. 姫は『探偵』の部屋に行くそうです
5月2日。今日も前夜祭として、Fmすたーらいぶの公式配信がある。そして明日はついにVパレスプロダクションさんとの『Vすたコラボ』が始まる。まぁ初日はひなたさんが配信をするのでオレは休みだけど。
そんなことを考えながら、オレはリビングでグッズの特典のサインを黙々と書いていた。あまりこういうのは得意じゃないんだけど、『姫宮ましろ』のファンの親衛隊の為だ。そう思いながらサイン書きをしているとスマホが鳴り出す。
「ん?日咲さん?なんだろうか……もしもし?」
《あ。颯太?今大丈夫?》
「うん。大丈夫だけど」
《今日さ、どうする?》
「どうするって何が?」
《え。企画書読んだ?》
企画書?今日の20時からの配信のやつだよな?
「探偵VS警部のやつだろ?読んだけど」
《一番上見た?》
「え?」
オレは企画書を確認する。
『今回はヒントクイズ形式なのでディスコードを使いますが、特定のサーバー回線の使用や文章の打ち込みの関係で1人にしか送れません。各チームは当日、事務所のスタジオかどちらかの自宅で配信をしてください。ご協力お願いします』
《ほら。颯太は事務所無理じゃん。あたしの家か颯太の家なんだけど?》
「あぁ……確かに。日咲さんどっちでやりたいとかある?」
《別にないけど……あ。そうだ、あたし打ち合わせがあるんだった。だから颯太の家に行けないや。悪いんだけどあたしの家来てくれない?住所送っておくから》
「ああ。わかった。住所送っておいて」
そう言って日咲さんとの通話を終える。日咲さんの家……初めてだな。なんか緊張してきたぞ……プライベートのことは何も知らないしな……そう思いながらオレは住所を確認し、家を出る準備をする。
「よし……じゃあ行くか」
そしてオレは日咲さんの住むマンションに向かうことにする。電車に乗りしばらく電車に揺られていると、日咲さんのマンションの最寄り駅に着く。駅から5分くらい歩くと日咲さんが住むマンションが見えてくる。エントランスで暗証番号を入力し、エレベーターに乗る。そういえば……家に行くのは初めてだな。
普段あんなだけどどんな感じなんだろう?なんか緊張してきたぞ……そんなことを考えてるうちに、日咲さんの部屋の前に着き、インターホンを鳴らすと中からパタパタと足音が聞こえドアが開く。
「あ。いらっしゃい颯太。ご飯にする?お風呂にする?それとも……」
「お邪魔しました」
「こらこら!冗談だよ冗談!そんなすぐ帰らないでよwどうぞ」
「とりあえずお邪魔します」
日咲さんの部屋は普通の女の子って感じの部屋だった。なんかすごく日咲さんっぽい。でもなんかいい匂いするな……彩芽ちゃんの部屋もだけど女の子特有のものなのかもな。
「日咲さん。サイン書いててもいい?配信まで時間あるからさ」
「うん。いいよ。夕飯まだでしょ?カレーあるけど食べる?」
「……インスタントか。ありがとう食べるかな」
「こら。あたしの手作りだけど?」
「え?日咲さん料理できるのか?」
「出来るよ!あたしのことなんだとおもってんの?とりあえずカレーならあるから食べてよ」
オレは日咲さん特製カレーを食べながら、サインを書くことにする。……普通に美味しいんだが?日咲さん料理作れるのか……なんか女子力高いな。それは失礼か。そう考えていると日咲さんが話しかけてくる。
「そうだ。この前、衣音と話したんだけど、今度3期生で旅行配信するんだって?」
「うん。来週の週末にね」
「お土産よろしくね?」
「え?いや日咲さんには衣音ちゃんが買うだろうし」
「別に颯太からも貰ってもいいじゃんwあたし同期だよ?」
「……じゃあ何か買ってくるよ」
そのあとは、お互いの近況や彩芽ちゃんのこと、Vすたコラボのことなど雑談をしながらカレーを食べ終わり、そろそろ配信の準備を始める。日咲さん……年下で異性だけど、こうやってオレにも色々話せて信頼できる仲間が出来たんだな。なんか嬉しいな。
5月2日。今日も前夜祭として、Fmすたーらいぶの公式配信がある。そして明日はついにVパレスプロダクションさんとの『Vすたコラボ』が始まる。まぁ初日はひなたさんが配信をするのでオレは休みだけど。
そんなことを考えながら、オレはリビングでグッズの特典のサインを黙々と書いていた。あまりこういうのは得意じゃないんだけど、『姫宮ましろ』のファンの親衛隊の為だ。そう思いながらサイン書きをしているとスマホが鳴り出す。
「ん?日咲さん?なんだろうか……もしもし?」
《あ。颯太?今大丈夫?》
「うん。大丈夫だけど」
《今日さ、どうする?》
「どうするって何が?」
《え。企画書読んだ?》
企画書?今日の20時からの配信のやつだよな?
「探偵VS警部のやつだろ?読んだけど」
《一番上見た?》
「え?」
オレは企画書を確認する。
『今回はヒントクイズ形式なのでディスコードを使いますが、特定のサーバー回線の使用や文章の打ち込みの関係で1人にしか送れません。各チームは当日、事務所のスタジオかどちらかの自宅で配信をしてください。ご協力お願いします』
《ほら。颯太は事務所無理じゃん。あたしの家か颯太の家なんだけど?》
「あぁ……確かに。日咲さんどっちでやりたいとかある?」
《別にないけど……あ。そうだ、あたし打ち合わせがあるんだった。だから颯太の家に行けないや。悪いんだけどあたしの家来てくれない?住所送っておくから》
「ああ。わかった。住所送っておいて」
そう言って日咲さんとの通話を終える。日咲さんの家……初めてだな。なんか緊張してきたぞ……プライベートのことは何も知らないしな……そう思いながらオレは住所を確認し、家を出る準備をする。
「よし……じゃあ行くか」
そしてオレは日咲さんの住むマンションに向かうことにする。電車に乗りしばらく電車に揺られていると、日咲さんのマンションの最寄り駅に着く。駅から5分くらい歩くと日咲さんが住むマンションが見えてくる。エントランスで暗証番号を入力し、エレベーターに乗る。そういえば……家に行くのは初めてだな。
普段あんなだけどどんな感じなんだろう?なんか緊張してきたぞ……そんなことを考えてるうちに、日咲さんの部屋の前に着き、インターホンを鳴らすと中からパタパタと足音が聞こえドアが開く。
「あ。いらっしゃい颯太。ご飯にする?お風呂にする?それとも……」
「お邪魔しました」
「こらこら!冗談だよ冗談!そんなすぐ帰らないでよwどうぞ」
「とりあえずお邪魔します」
日咲さんの部屋は普通の女の子って感じの部屋だった。なんかすごく日咲さんっぽい。でもなんかいい匂いするな……彩芽ちゃんの部屋もだけど女の子特有のものなのかもな。
「日咲さん。サイン書いててもいい?配信まで時間あるからさ」
「うん。いいよ。夕飯まだでしょ?カレーあるけど食べる?」
「……インスタントか。ありがとう食べるかな」
「こら。あたしの手作りだけど?」
「え?日咲さん料理できるのか?」
「出来るよ!あたしのことなんだとおもってんの?とりあえずカレーならあるから食べてよ」
オレは日咲さん特製カレーを食べながら、サインを書くことにする。……普通に美味しいんだが?日咲さん料理作れるのか……なんか女子力高いな。それは失礼か。そう考えていると日咲さんが話しかけてくる。
「そうだ。この前、衣音と話したんだけど、今度3期生で旅行配信するんだって?」
「うん。来週の週末にね」
「お土産よろしくね?」
「え?いや日咲さんには衣音ちゃんが買うだろうし」
「別に颯太からも貰ってもいいじゃんwあたし同期だよ?」
「……じゃあ何か買ってくるよ」
そのあとは、お互いの近況や彩芽ちゃんのこと、Vすたコラボのことなど雑談をしながらカレーを食べ終わり、そろそろ配信の準備を始める。日咲さん……年下で異性だけど、こうやってオレにも色々話せて信頼できる仲間が出来たんだな。なんか嬉しいな。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
92
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる