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284. 後輩ちゃんも『ずるい』そうです
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284. 後輩ちゃんも『ずるい』そうです
昼食を食べ終えたオレたちは旅館に向かいチェックインを済ませると、部屋に案内された。そこは部屋に露天風呂が、付いている少し広めの和室であった。
荷物を下ろしたオレと彩芽ちゃんは、景色を見るために窓を開ける。そこからは美しい山々が広がっていた。なんか大自然に囲まれて、とても素敵な場所だな。それにゆっくり出来そうだし。
「いい部屋だね」
「はい……景色も素敵です」
「そう言えば温泉で良かったの?彩芽ちゃんは若いんだから遊園地とか行きたかったんじゃない?」
「いえ……人が大勢いるのは好きじゃないので……それに、颯太さんとこうしてゆっくり過ごせるだけでも幸せですから」
「卓球もできるしね?」
「卓球……やりたいです」
それからオレと彩芽ちゃんは部屋から見える景色を、しばらく眺めていた。彩芽ちゃんの方を見るととても幸せそうな顔をしていて……本当に来て良かったなと思った。
その後は夕方までまったりと過ごし、夕食の時間になったので温泉旅館の料理に舌鼓を打ち、ゆっくりとした時間を2人で過ごしていた。
「さて、そろそろ温泉入ろうか。彩芽ちゃん先どうぞ」
「え……あの……」
「どうかした?」
「その……えっと……一緒に……入りませんか?」
「えっ!?」
彩芽ちゃんからのまさかの提案。オレは思わず動揺してしまう。いや……冗談だよね?でも彩芽ちゃんの目をよく見てみると……本気……なのか?
え……どうする?オレは、彩芽ちゃんと温泉に入ってもいいの?いやむしろ行きたい!あ、もちろん変なことはしないよ?紳士に振る舞うから! でも一応確認しておこう。うんそれがいい。オレは変な意味じゃないことをアピールするために彩芽ちゃんに聞いてみることにした。
だっていきなりそんなこと言ったら、絶対に意識して誘ってるみたいになってしまうじゃないか!違うんだ!ただ確認したいだけだから!
「えっと……彩芽ちゃん?一応確認しておくけど……」
「はい……」
「それって……本当に一緒に温泉に入りたいの?」
「……どう思いますか?」
「いや……それはずるいんじゃない彩芽ちゃん?」
「いつものお返しです……先に入りますね?」
そう言って微笑む彩芽ちゃん。本当に彩芽ちゃんはずるいと思う。でもそんな彩芽ちゃんを知るのはオレだけで、それがまた嬉しくて愛おしい。
そして温泉を満喫した後は、彩芽ちゃんと卓球をやって部屋に戻る。それにしても彩芽ちゃんは卓球好きなんだな。
「あの颯太さん?お酒飲みませんか?」
「いいけど、彩芽ちゃん大丈夫?」
「……あの時とは違って……今は付き合ってますから。グラス……持ってきますね?」
……それはずるい。それって……酔った勢いとか……期待していいのか……いやそもそもオレと彩芽ちゃんは付き合ってるわけだし、そういうことも……うん。考えるのはやめよ。これは飲むしかないな。
それからオレは彩芽ちゃんが持ってきたお酒を2人で飲みながら、まったりとした時間を過ごす。
「そう言えばこの前のオフコラボどうだった?」
「楽しかったです……愛梨ちゃんは同期ですけど、紗希さんもすごく優しくて……なんか……もっと仲良くなりたいって……思いました」
「そっか。今年はそういう機会が増えるといいね」
「はい。あの……颯太さんは紗希さんには『姫宮ましろ』だって……言ってないんですよね?」
「うん。言ってないけど?」
「なんか……紗希さん分かってるような感じだったので……私もバラさないように気をつけますね」
「ありがとう彩芽ちゃん」
確かに……言ってはいないが、この前の切り抜きを見た感じや休憩室で真っ直ぐな瞳で言われた時とか……勘づかれているかもしれない。それでも詮索されないのは、朝比奈さんが察してくれているからだろう。いずれは話す時はくるけど、今はこのままでいい。
昼食を食べ終えたオレたちは旅館に向かいチェックインを済ませると、部屋に案内された。そこは部屋に露天風呂が、付いている少し広めの和室であった。
荷物を下ろしたオレと彩芽ちゃんは、景色を見るために窓を開ける。そこからは美しい山々が広がっていた。なんか大自然に囲まれて、とても素敵な場所だな。それにゆっくり出来そうだし。
「いい部屋だね」
「はい……景色も素敵です」
「そう言えば温泉で良かったの?彩芽ちゃんは若いんだから遊園地とか行きたかったんじゃない?」
「いえ……人が大勢いるのは好きじゃないので……それに、颯太さんとこうしてゆっくり過ごせるだけでも幸せですから」
「卓球もできるしね?」
「卓球……やりたいです」
それからオレと彩芽ちゃんは部屋から見える景色を、しばらく眺めていた。彩芽ちゃんの方を見るととても幸せそうな顔をしていて……本当に来て良かったなと思った。
その後は夕方までまったりと過ごし、夕食の時間になったので温泉旅館の料理に舌鼓を打ち、ゆっくりとした時間を2人で過ごしていた。
「さて、そろそろ温泉入ろうか。彩芽ちゃん先どうぞ」
「え……あの……」
「どうかした?」
「その……えっと……一緒に……入りませんか?」
「えっ!?」
彩芽ちゃんからのまさかの提案。オレは思わず動揺してしまう。いや……冗談だよね?でも彩芽ちゃんの目をよく見てみると……本気……なのか?
え……どうする?オレは、彩芽ちゃんと温泉に入ってもいいの?いやむしろ行きたい!あ、もちろん変なことはしないよ?紳士に振る舞うから! でも一応確認しておこう。うんそれがいい。オレは変な意味じゃないことをアピールするために彩芽ちゃんに聞いてみることにした。
だっていきなりそんなこと言ったら、絶対に意識して誘ってるみたいになってしまうじゃないか!違うんだ!ただ確認したいだけだから!
「えっと……彩芽ちゃん?一応確認しておくけど……」
「はい……」
「それって……本当に一緒に温泉に入りたいの?」
「……どう思いますか?」
「いや……それはずるいんじゃない彩芽ちゃん?」
「いつものお返しです……先に入りますね?」
そう言って微笑む彩芽ちゃん。本当に彩芽ちゃんはずるいと思う。でもそんな彩芽ちゃんを知るのはオレだけで、それがまた嬉しくて愛おしい。
そして温泉を満喫した後は、彩芽ちゃんと卓球をやって部屋に戻る。それにしても彩芽ちゃんは卓球好きなんだな。
「あの颯太さん?お酒飲みませんか?」
「いいけど、彩芽ちゃん大丈夫?」
「……あの時とは違って……今は付き合ってますから。グラス……持ってきますね?」
……それはずるい。それって……酔った勢いとか……期待していいのか……いやそもそもオレと彩芽ちゃんは付き合ってるわけだし、そういうことも……うん。考えるのはやめよ。これは飲むしかないな。
それからオレは彩芽ちゃんが持ってきたお酒を2人で飲みながら、まったりとした時間を過ごす。
「そう言えばこの前のオフコラボどうだった?」
「楽しかったです……愛梨ちゃんは同期ですけど、紗希さんもすごく優しくて……なんか……もっと仲良くなりたいって……思いました」
「そっか。今年はそういう機会が増えるといいね」
「はい。あの……颯太さんは紗希さんには『姫宮ましろ』だって……言ってないんですよね?」
「うん。言ってないけど?」
「なんか……紗希さん分かってるような感じだったので……私もバラさないように気をつけますね」
「ありがとう彩芽ちゃん」
確かに……言ってはいないが、この前の切り抜きを見た感じや休憩室で真っ直ぐな瞳で言われた時とか……勘づかれているかもしれない。それでも詮索されないのは、朝比奈さんが察してくれているからだろう。いずれは話す時はくるけど、今はこのままでいい。
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