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278. 『ましララのパラレルワールド雑談』配信③
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278. 『ましララのパラレルワールド雑談』配信③
コメント
『お嬢もう我慢するなw』
『身体に悪いぞw』
『死神ホテルやれw』
「クララちゃん。執事とメイドさんが心配してるけどw」
《ふぅー……すぅー……何のことですの?わたくしは普段と変わりませんけど?》
「そう?なら次の人いこうかな」
『お嬢はいつも嬉しそうに自分のリスナーの『執事とメイド』の話をしてきます。この前の配信はやりやすかったとかすごいリスナーさんがいたとか。本当にその姿が可愛いくて癒されます。実はお嬢はこう見えても繊細で意外と打たれ弱いところもあるので、皆さんで守ってあげてください。これからもお嬢のことをよろしくお願いいたします。PS 頑張れなお嬢w』
コメント
『お嬢。オレ泣いた』
『素直になれよクララ』
『ありがとねクララw』
「いやぁ感動的なコメントだねw」
《すぅー……もう無理……》
「あれ?もう無理って聞こえたけどw」
《おい!てめえ誰のせいでこんなことになってると思ってんだよ!何が頑張れなお嬢よ、あとでボコボコにしてやっかんな!あと執事とメイド!クララお嬢様だろうが!何度も呼び捨てにしてんじゃねぇぞ!》
コメント
『草』
『お嬢w』
『やっぱこうじゃないとw』
『お帰りクララw』
「あれ世界線が戻っちゃったかなwまだもう1人いるんだけどクララちゃんw」
《もう誰でも構いませんわ!ここからは好きにやらせてもらいますわ!》
「おぉ!なんだかやけくそだねぇwじゃあ最後の人行こうか」
コメント
『死神ホテル確定w』
『お嬢はもう無敵だからw』
『姫でも止められないw』
『最後誰だろ?』
『社長だったりしてw』
《死神ホテル?望むところですわ!それと社長?来るなら来いですわ!わたくしは逃げも隠れもしませんわ!》
「ちなみに、すたーさんじゃないからね?じゃあいくよ?最後はこの人です」
『クララちゃん。初コラボどうだったかな?ちょっと意地悪しちゃったけど、きっとこの文面を出す前にキレてるよね?でも……きっとこの配信クララちゃんにとって大切な配信になったんじゃないかな?コメント欄の執事とメイドさんもクララちゃんの『キレ芸』や『プロレス芸』で湧いてるよね。そんな武器があるクララちゃんが羨ましいよ。だからさ?たった1つだけ先輩としてアドバイスさせて?『たった1人でも配信を楽しみにしてくれるのなら、全力で楽しむ』それを忘れないでほしい。そしてクララちゃんはクララちゃんらしく配信をしてね。パラレルワールドのましろより』
コメント
『泣いた』
『泣かせるなw』
『姫~!!』
《ましろ先輩……あの……》
「クララちゃん……これはパラレルワールドのましろだからさ?」
《……そうですわね》
「ということでね、クララちゃんは残念ながら守れなかったから罰ゲームねw」
《いいでしょう。死神ごとき、このわたくしがボコボコして差し上げますわ!》
こうして『ましララ』の配信は終わる。きっと朝比奈さんは本当に大切なことに気づいたと思う。
翌日。今日も事務所で雑務をこなしている。そして少し休憩しようと、自動販売機でコーヒーを買おうとしていると後ろから声をかけられる。
「神崎さん」
「あ。朝比奈さん」
「コーヒーですか?私がおごりますよ」
朝比奈さんはそう言って小銭を自販機に入れてコーヒーを買ってくれる。そしてベンチに座って一緒にコーヒーを飲む。しばらく無言でコーヒーを飲んでいると、朝比奈さんが口を開く。
「……私。休まないで今のまま頑張ることにしました。あの、ありがとうございました私のことましろ先輩に話してくれて」
「いや、ライバーさんのことはライバーさんが良く分かっているからさ?少しお節介しただけだよ」
「あの配信で……『伊集院クララ』のことを改めて考えさせられました。私は……せっかくの武器をなくすところでした。でも今は違う。たった1人でも私の配信を楽しみにしてくれるのなら、全力で楽しむ。そしてこの『キレ芸』と『プロレス芸』で必ず、先輩方に追い付いてみせる。いや、追い付く間もなくこの先に行きます!だから覚悟してください!」
朝比奈さんは真っ直ぐオレの目を見て言ってくる。その目にはもう迷いがなく、しっかりとオレを見ている。
そうだ。これでいいんだ。ライバーとして前に進むために必要なのは明確な目標だ。自分というものを確立しなければ配信者としてはやっていけないだろう。それが今回わかったなら、後は自分の力で進んでいくしかない。
そして朝比奈さんはベンチから立ち上がり伸びをする。そして向き直り声をかける。
「……と。ましろ先輩に伝えてもらえますか?あと、これからは色々頼りたいので連絡したいです。今まであまり連絡しなかったので」
「……ああ。伝えておくよ」
「昔からましろ先輩と歌ってみたの動画出したい曲あるんですよね私。早速お願いしてみようかな?ううん。お願いじゃなく強制参加にしようかな。だって『伊集院クララ』はそういう無鉄砲なところが魅力……ですからね?」
そう嬉しそうに話す朝比奈さん。歌ってみたか……あまり歌は得意じゃないんだけどな……それでも、前を向いて歩き出した朝比奈さんの姿を見て、何だか嬉しくなった。
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『お嬢もう我慢するなw』
『身体に悪いぞw』
『死神ホテルやれw』
「クララちゃん。執事とメイドさんが心配してるけどw」
《ふぅー……すぅー……何のことですの?わたくしは普段と変わりませんけど?》
「そう?なら次の人いこうかな」
『お嬢はいつも嬉しそうに自分のリスナーの『執事とメイド』の話をしてきます。この前の配信はやりやすかったとかすごいリスナーさんがいたとか。本当にその姿が可愛いくて癒されます。実はお嬢はこう見えても繊細で意外と打たれ弱いところもあるので、皆さんで守ってあげてください。これからもお嬢のことをよろしくお願いいたします。PS 頑張れなお嬢w』
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『お嬢。オレ泣いた』
『素直になれよクララ』
『ありがとねクララw』
「いやぁ感動的なコメントだねw」
《すぅー……もう無理……》
「あれ?もう無理って聞こえたけどw」
《おい!てめえ誰のせいでこんなことになってると思ってんだよ!何が頑張れなお嬢よ、あとでボコボコにしてやっかんな!あと執事とメイド!クララお嬢様だろうが!何度も呼び捨てにしてんじゃねぇぞ!》
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『草』
『お嬢w』
『やっぱこうじゃないとw』
『お帰りクララw』
「あれ世界線が戻っちゃったかなwまだもう1人いるんだけどクララちゃんw」
《もう誰でも構いませんわ!ここからは好きにやらせてもらいますわ!》
「おぉ!なんだかやけくそだねぇwじゃあ最後の人行こうか」
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『死神ホテル確定w』
『お嬢はもう無敵だからw』
『姫でも止められないw』
『最後誰だろ?』
『社長だったりしてw』
《死神ホテル?望むところですわ!それと社長?来るなら来いですわ!わたくしは逃げも隠れもしませんわ!》
「ちなみに、すたーさんじゃないからね?じゃあいくよ?最後はこの人です」
『クララちゃん。初コラボどうだったかな?ちょっと意地悪しちゃったけど、きっとこの文面を出す前にキレてるよね?でも……きっとこの配信クララちゃんにとって大切な配信になったんじゃないかな?コメント欄の執事とメイドさんもクララちゃんの『キレ芸』や『プロレス芸』で湧いてるよね。そんな武器があるクララちゃんが羨ましいよ。だからさ?たった1つだけ先輩としてアドバイスさせて?『たった1人でも配信を楽しみにしてくれるのなら、全力で楽しむ』それを忘れないでほしい。そしてクララちゃんはクララちゃんらしく配信をしてね。パラレルワールドのましろより』
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『泣いた』
『泣かせるなw』
『姫~!!』
《ましろ先輩……あの……》
「クララちゃん……これはパラレルワールドのましろだからさ?」
《……そうですわね》
「ということでね、クララちゃんは残念ながら守れなかったから罰ゲームねw」
《いいでしょう。死神ごとき、このわたくしがボコボコして差し上げますわ!》
こうして『ましララ』の配信は終わる。きっと朝比奈さんは本当に大切なことに気づいたと思う。
翌日。今日も事務所で雑務をこなしている。そして少し休憩しようと、自動販売機でコーヒーを買おうとしていると後ろから声をかけられる。
「神崎さん」
「あ。朝比奈さん」
「コーヒーですか?私がおごりますよ」
朝比奈さんはそう言って小銭を自販機に入れてコーヒーを買ってくれる。そしてベンチに座って一緒にコーヒーを飲む。しばらく無言でコーヒーを飲んでいると、朝比奈さんが口を開く。
「……私。休まないで今のまま頑張ることにしました。あの、ありがとうございました私のことましろ先輩に話してくれて」
「いや、ライバーさんのことはライバーさんが良く分かっているからさ?少しお節介しただけだよ」
「あの配信で……『伊集院クララ』のことを改めて考えさせられました。私は……せっかくの武器をなくすところでした。でも今は違う。たった1人でも私の配信を楽しみにしてくれるのなら、全力で楽しむ。そしてこの『キレ芸』と『プロレス芸』で必ず、先輩方に追い付いてみせる。いや、追い付く間もなくこの先に行きます!だから覚悟してください!」
朝比奈さんは真っ直ぐオレの目を見て言ってくる。その目にはもう迷いがなく、しっかりとオレを見ている。
そうだ。これでいいんだ。ライバーとして前に進むために必要なのは明確な目標だ。自分というものを確立しなければ配信者としてはやっていけないだろう。それが今回わかったなら、後は自分の力で進んでいくしかない。
そして朝比奈さんはベンチから立ち上がり伸びをする。そして向き直り声をかける。
「……と。ましろ先輩に伝えてもらえますか?あと、これからは色々頼りたいので連絡したいです。今まであまり連絡しなかったので」
「……ああ。伝えておくよ」
「昔からましろ先輩と歌ってみたの動画出したい曲あるんですよね私。早速お願いしてみようかな?ううん。お願いじゃなく強制参加にしようかな。だって『伊集院クララ』はそういう無鉄砲なところが魅力……ですからね?」
そう嬉しそうに話す朝比奈さん。歌ってみたか……あまり歌は得意じゃないんだけどな……それでも、前を向いて歩き出した朝比奈さんの姿を見て、何だか嬉しくなった。
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