271 / 693
242. 姫は『不思議』らしいです
しおりを挟む
242. 姫は『不思議』らしいです
そして更に翌日。オレは今、ある場所に向かっている。それはというと……
「あ。こんにちは。散らかっでますけどどうぞ」
「はい。お邪魔します」
そう……一ノ瀬さんの自宅に来ている。製菓メーカー『ソプラノ』との案件が決まり、その内容の打ち合わせだ。事務所だと遅い時間にしか集まれないし、オレや衣音ちゃんは一ノ瀬さんの自宅を知っているから、そこに集まろうと言う話になった。
やっぱり緊張するな……だって女性の部屋だし……一ノ瀬さんは年上だし……でも仕方ないよな……。
一ノ瀬さんの部屋は、整頓されていて綺麗な部屋だが……オレの視界には部屋干しされた一ノ瀬さんの洋服やら下着やらが目に入ってしまう。違うんだ彩芽ちゃん!これは不可抗力だから!
「あっ!すいません今片付けますがら!」
「いえ……」
一ノ瀬さんは顔を赤くしながら、慌てて下着などをクローゼットにしまう。なんか……悪いことした気分……
「私の可愛くもない下着を見せてしまってすいません」
「大丈夫だから気にしないでください」
「マネージャーさん。コーヒーでいいですがね?」
「はい。お願いします」
そう言って一ノ瀬さんはキッチンでコーヒーを入れている。うん。下着は見てしまって悪いと思ったが……可愛い下着だったな……って!何考えてるんだオレは!だからそういうのじゃないからな!?
一ノ瀬さんの服は水色と白の可愛らしいワンピースを着用している。部屋着なんて初めてだな……なんか……悪いことした気分……
「そう言えば衣音ちゃんはまだ来てないんですね」
「衣音ちゃんは、せっかくだから『ソプラノ』のチョコレート買ってから来るって言ってましだよ?」
「なるほど……」
オレは一ノ瀬さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、雑談をして衣音ちゃんを待つことにする。ふと配信のパソコン周りをみると、4期生のグッズが置かれていた。
「一ノ瀬さん。4期生のグッズ増えましたね?」
「嬉しい限りです。デビューしてまだ3ヵ月ですけど、本当に毎日忙しくで。マネージャーさんや先輩方はすごいです」
「慣れだと思いますよ。一ノ瀬さんももう立派なVtuberです」
「そう言ってもらえると嬉しいでず。もっと頑張って、みんなの力になれるよう頑張らねばですね」
そう力強く言う一ノ瀬さん。この3ヵ月で一ノ瀬さんもだいぶ成長している。元々田舎から上京してきて、何も分からない状態だった彼女も、今やFmすたーらいぶを代表するライバーだ。
「あれから3ヵ月……本当にマネージャーさんには感謝してます。あの出会いがなかったら、衣音ちゃんとも繋がれてなかったですし。1人なら挫けてだかもしれないです」
「……昔のオレなら助けなかったですよ。オレも彩芽ちゃんと出会って、1期生と初めて裏で会って変われました。だから本当に今は『姫宮ましろ』のことを誇りに思ってます。彼女もオレだから」
それからしばらく雑談をしていると、インターホンが鳴り、衣音ちゃんがやってくる。
「すいません遅くなりました」
「別に大丈夫だよ。それよりチョコレートありがとう」
「いえいえ。なんか……神崎マネージャーが『姫宮ましろ』だと思うと、緊張もしますけど……それ以上に不思議な感覚で。それがなんだかおかしくて……」
そう言って笑う衣音ちゃん。まぁまだ昨日の今日だもんな。普通は驚くよな。
「じゃあ揃ったから、早速だけど製菓メーカー『ソプラノ』とのコラボ案件の企画内容を考えよう」
「初めての『海の迷宮』コラボなんで、絶対楽しいものにしだいですね!」
「そうですね。姫先輩……神崎マネージャーがあけおめ座談会で言ってたコラボの実現ですから、頑張らないとですね!」
そんな感じでオレと衣音ちゃん、一ノ瀬さんの『海の迷宮』はチョコレートをつまみながら案件コラボの内容打ち合わせを始めていくのだった。
そして更に翌日。オレは今、ある場所に向かっている。それはというと……
「あ。こんにちは。散らかっでますけどどうぞ」
「はい。お邪魔します」
そう……一ノ瀬さんの自宅に来ている。製菓メーカー『ソプラノ』との案件が決まり、その内容の打ち合わせだ。事務所だと遅い時間にしか集まれないし、オレや衣音ちゃんは一ノ瀬さんの自宅を知っているから、そこに集まろうと言う話になった。
やっぱり緊張するな……だって女性の部屋だし……一ノ瀬さんは年上だし……でも仕方ないよな……。
一ノ瀬さんの部屋は、整頓されていて綺麗な部屋だが……オレの視界には部屋干しされた一ノ瀬さんの洋服やら下着やらが目に入ってしまう。違うんだ彩芽ちゃん!これは不可抗力だから!
「あっ!すいません今片付けますがら!」
「いえ……」
一ノ瀬さんは顔を赤くしながら、慌てて下着などをクローゼットにしまう。なんか……悪いことした気分……
「私の可愛くもない下着を見せてしまってすいません」
「大丈夫だから気にしないでください」
「マネージャーさん。コーヒーでいいですがね?」
「はい。お願いします」
そう言って一ノ瀬さんはキッチンでコーヒーを入れている。うん。下着は見てしまって悪いと思ったが……可愛い下着だったな……って!何考えてるんだオレは!だからそういうのじゃないからな!?
一ノ瀬さんの服は水色と白の可愛らしいワンピースを着用している。部屋着なんて初めてだな……なんか……悪いことした気分……
「そう言えば衣音ちゃんはまだ来てないんですね」
「衣音ちゃんは、せっかくだから『ソプラノ』のチョコレート買ってから来るって言ってましだよ?」
「なるほど……」
オレは一ノ瀬さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、雑談をして衣音ちゃんを待つことにする。ふと配信のパソコン周りをみると、4期生のグッズが置かれていた。
「一ノ瀬さん。4期生のグッズ増えましたね?」
「嬉しい限りです。デビューしてまだ3ヵ月ですけど、本当に毎日忙しくで。マネージャーさんや先輩方はすごいです」
「慣れだと思いますよ。一ノ瀬さんももう立派なVtuberです」
「そう言ってもらえると嬉しいでず。もっと頑張って、みんなの力になれるよう頑張らねばですね」
そう力強く言う一ノ瀬さん。この3ヵ月で一ノ瀬さんもだいぶ成長している。元々田舎から上京してきて、何も分からない状態だった彼女も、今やFmすたーらいぶを代表するライバーだ。
「あれから3ヵ月……本当にマネージャーさんには感謝してます。あの出会いがなかったら、衣音ちゃんとも繋がれてなかったですし。1人なら挫けてだかもしれないです」
「……昔のオレなら助けなかったですよ。オレも彩芽ちゃんと出会って、1期生と初めて裏で会って変われました。だから本当に今は『姫宮ましろ』のことを誇りに思ってます。彼女もオレだから」
それからしばらく雑談をしていると、インターホンが鳴り、衣音ちゃんがやってくる。
「すいません遅くなりました」
「別に大丈夫だよ。それよりチョコレートありがとう」
「いえいえ。なんか……神崎マネージャーが『姫宮ましろ』だと思うと、緊張もしますけど……それ以上に不思議な感覚で。それがなんだかおかしくて……」
そう言って笑う衣音ちゃん。まぁまだ昨日の今日だもんな。普通は驚くよな。
「じゃあ揃ったから、早速だけど製菓メーカー『ソプラノ』とのコラボ案件の企画内容を考えよう」
「初めての『海の迷宮』コラボなんで、絶対楽しいものにしだいですね!」
「そうですね。姫先輩……神崎マネージャーがあけおめ座談会で言ってたコラボの実現ですから、頑張らないとですね!」
そんな感じでオレと衣音ちゃん、一ノ瀬さんの『海の迷宮』はチョコレートをつまみながら案件コラボの内容打ち合わせを始めていくのだった。
10
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた
ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。
俺が変わったのか……
地元が変わったのか……
主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。
※他Web小説サイトで連載していた作品です
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
催眠アプリで恋人を寝取られて「労働奴隷」にされたけど、仕事の才能が開花したことで成り上がり、人生逆転しました
フーラー
ファンタジー
「催眠アプリで女性を寝取り、ハーレムを形成するクソ野郎」が
ざまぁ展開に陥る、異色の異世界ファンタジー。
舞台は異世界。
売れないイラストレーターをやっている獣人の男性「イグニス」はある日、
チートスキル「催眠アプリ」を持つ異世界転移者「リマ」に恋人を寝取られる。
もともとイグニスは収入が少なく、ほぼ恋人に養ってもらっていたヒモ状態だったのだが、
リマに「これからはボクらを養うための労働奴隷になれ」と催眠をかけられ、
彼らを養うために働くことになる。
しかし、今のイグニスの収入を差し出してもらっても、生活が出来ないと感じたリマは、
イグニスに「仕事が楽しくてたまらなくなる」ように催眠をかける。
これによってイグニスは仕事にまじめに取り組むようになる。
そして努力を重ねたことでイラストレーターとしての才能が開花、
大劇団のパンフレット作製など、大きな仕事が舞い込むようになっていく。
更にリマはほかの男からも催眠で妻や片思いの相手を寝取っていくが、
その「寝取られ男」達も皆、その時にかけられた催眠が良い方に作用する。
これによって彼ら「寝取られ男」達は、
・ゲーム会社を立ち上げる
・シナリオライターになる
・営業で大きな成績を上げる
など次々に大成功を収めていき、その中で精神的にも大きな成長を遂げていく。
リマは、そんな『労働奴隷』達の成長を目の当たりにする一方で、
自身は自堕落に生活し、なにも人間的に成長できていないことに焦りを感じるようになる。
そして、ついにリマは嫉妬と焦りによって、
「ボクをお前の会社の社長にしろ」
と『労働奴隷』に催眠をかけて社長に就任する。
そして「現代のゲームに関する知識」を活かしてゲーム業界での無双を試みるが、
その浅はかな考えが、本格的な破滅の引き金となっていく。
小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで
あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる