上 下
186 / 583

165. 『どっちのましろでSHOW!』配信③

しおりを挟む
165. 『どっちのましろでSHOW!』配信③



 続いては4期生の番だな。というより、4期生には荷が重いのでは?同期とはいえ、ジャンヌちゃんとまだ1ヶ月間しか活動していないわけだし……。

「ましろ先輩。次4期生なんですけど、少し変わった方法で当ててもらおうかと思います」

 《どんな方法?》

「はい。凸したら私がましろ先輩として話していくので、途中でバレるかどうかやってみます。」

 《なるほど。それならさ、途中で本当に代わらない?その方が面白いよ?》

「確かに。なんか、ましろ先輩の初めましてが私の配信で4期生に申し訳ないですね……もちろんましろ先輩にも」

 《ましろは気にしないから。それにこれが配信者、Vtuberの仕事だからさ。とりあえず『お水飲んでもいい?』を合図にしよっか》

 コメント
『神企画きた』
『ドッキリ』
『ジャンヌちゃん頑張れ!』

「では……まずは八神えるるちゃんからいきますね……あ。……もしもし?」

 《え?》

「今配信してます。自己紹介お願いできるかな?」

 《あ。配信?あー、えっと……やっほー、元気足りてる?みんなの応援団長ことFmすたーらいぶ4期生の八神えるるです》

 コメント
『姫じゃんw』
『マジで似てるw』
『バレなそうw』

「えるるちゃんありがとう。今ねデビューした4期生に挨拶してるの。初めまして姫宮ましろです」

 《あ。あっ初めまして……あれ?姫先輩のディスコード壊れてませんか?2人いますけど……》

「なんか今日は直らないみたい。気にしないでね。えるるちゃんは憧れてる先輩とかいるのかな?」

 《います!姫先輩とキサラ先輩です!だから今めっちゃ心臓ヤバいです!》

 コメント
『博士にも憧れてるのか』
『えるるちゃん可愛いな』
『団長元気くれ』

「ありがとう。良かったら詳しく教えてくれる?」

 《はい!あのですね。アタシはゲームも絵も歌も下手で。でも好きなんですよ。それでもVtuberとしてデビューしたからには、みんなに楽しんでもらいたいし、応援してもらいたくて。だからせめて雑談配信を上手くなりたくて。姫先輩とキサラ先輩は雑談配信面白いし、本当に尊敬してます!》

「そっか。そうなるように……うぅん。一緒に頑張っていこうねえるるちゃんw」

 《は?え?まし……お~い!ジャンヌちゃんじゃん!焦った~……なんだよ~!驚かせないでよw》

 コメント
『草』
『ジャンヌちゃんのフリ完璧だな』
『バレなかったなw』

「ごめんね。このままだとバレなそうだったから。私から言っちゃったw」

 《本当にびっくりした。おかしいと思ったんだよ、いきなり会ったことない話したことない姫先輩からディスコードくるんだもん!良く考えたらそんなことあり得ないよねw》

「実際ましろ先輩と話す機会があったら何話したいの?」

 《え?そうだなぁ……毎日配信観てます!ホワイトプリンセス聴いてます!かなぁ。もうFmすたーらいぶの2大巨頭だからそんな機会かなり先だと思うけどさ?》

「ここ切り抜かれるといいね?ちょっと『お水飲んでもいい?』」

 《あっうん。いいよ》

 コメント
『来たぞ』
『えるるちゃんドッキリ』
『どうなるんだw』

 《ありがとね。えるるちゃん》 

 《え?もう真似しなくていいってジャンヌちゃんw》

 《姫宮ましろの声に似てるかな?》

 《うん。似てるよ。っていうかこれ姫先輩に許可とって……ん?あれ?さっきこっちのアイコン光ってたっけ?》

 《さっきは違うかなw》

「さっきのは私だから」

 《え……ちょ……え?ちょっと待って……え?》

 《初めまして。姫宮ましろです》

 《待ってぇぇぇぇぇ!!うえぇぇぇぇぇぇぇ!!ちょっと!!ヤダ!!》

 コメント
『限界化したなw』
『大草原w』
『最高』

 《うわーん。もう配信終わります!》

「ごめんごめん。えるるちゃん」

 《え……あ……本物……ですか?》

 《本物だよw》

 《あ。あの……八神えるるです……いつも配信観てます……なんかすいません……》

 《これはコミュ障陰キャ女おつだねw》

 コメント
『それはかのんたんのw』
『がんばれ』
『本当にすこ』

「ごめんね急に。えるるちゃんありがとね」

 《なんかこんなんで大丈夫なのかな?本当に今でも心臓バクバク言ってるんだけど……》

 《えるるちゃん。こっちはコメント欄が大盛り上がりしてるから大丈夫だよw》

 《それなら良かったです!今度はアタシとコラボしてください!ではまた》

 コメント
『楽しかった』
『予想通りの反応助かるw』
『えるるちゃん可愛かった』

 《優しい同期で良かったねジャンヌちゃん》

「はい。本当にありがとう、えるるちゃん」

 予想通りの反応にリスナーも満足だろう。『姫宮ましろ』と話すだけで、緊張してしまうのは無理もないけど。ただそこまでの存在になれていることを嬉しく思うし、先輩として頑張ろうという気持ちになるよな。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

本当に愛しているのは姉じゃなく私でしたっ!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,675pt お気に入り:154

誰もシナリオ通りに動いてくれないんですけど!

BL / 連載中 24h.ポイント:25,664pt お気に入り:2,991

戦火の尼僧

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:0

【R18】俺様CEOの子どもを出産したのは極秘です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:12,806pt お気に入り:673

BLショートショート

BL / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:7

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

BL / 連載中 24h.ポイント:4,389pt お気に入り:2,814

処理中です...