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118. 『ましポん48』~双葉かのんのゆる凸待ち配信~②
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118. 『ましポん48』~双葉かのんのゆる凸待ち配信~②
オレは配信画面を観ながらディスコードを繋いでいる。なぜか緊張している。ただ彩芽ちゃんと……『双葉かのん』と話すだけ……ただそれだけなのに、今だけはいつもと違い緊張していた。
「ん?え?……なんで?」
コメント
『どした?』
『凸来た?』
『時間的に最後じゃん』
『誰だ?』
「あっえっと……もしもし?」
《あ。……もしもし?》
コメント
『この声……』
『姫じゃね?』
『姫来た!』
『ましのんてぇてぇ』
「どどど……どうしたんですか!?オフコラボ中だし、ましろん先輩は来ないと思ってたんですけど……」
《じゃあ帰る?》
「いえ!待ってました!来てください!お願いします!」
《……》
「あ……あの……?」
《あぁごめんね。かのんちゃんのトークデッキを見てさ?裏だと聞きにくいから、配信に来ちゃった》
コメント
『裏だと聞きにくい?』
『なんだなんだ?』
『どういうことだ?』
「え?なんですか……なんか怖いんですけど?」
《あのさ……かのんちゃん。裏でましろの事なんで本名で呼ばないのかなって》
「え?そっそれを聞きたかったんですか?」
《うん》
「……」
《……》
コメント
『え?何この空気』
『おい……なんかガチ?』
『まじか……』
「え?いや……その……だって……恥ずかしい……ので……」
配信にも関わらず、彩芽ちゃんはいつものように声が小さくなる。なぜこんな迷惑をかけたのかオレにも分からない。それでも、ここじゃないと言えない気がした。
《でも、ましろは本名で呼んでるよ?ましろは……裏でも……もっとかのんちゃんと仲良くなりたいんだけどな?》
「え?え?……あの……」
《ダメかな?》
「ダメじゃないです……は、はい……本名で呼ばせていただきます」
《ありがとう。それじゃ配信頑張ってね》
コメント
『てぇてぇなんだが……?』
『なんか凄かったな?』
『姫の本音だったんじゃね?』
『これってさ、ましろんも実はかのんちゃんのこと……』
「……あっ!違うよ!?これはその……なんて言うか……ましろん先輩のパフォーマンスだよ!かのん騙されたよ!あぁ~もう!ドキドキしたぁ~」
コメント
『草』
『嘘乙ww』
『誤魔化すなw』
「うぅ……だってぇ……まさかあんな事言われるとは思わなかったし……ちょっとびっくりしすぎて心臓止まるかと思った」
コメント
『わかるww』
『まぁでもよかったじゃん』
『ビジネスじゃなくなったんだが?』
『真のましのんてぇてぇ』
「うぅ……本当にびっくりしたよぉ……確かにましろん先輩のこと本名で呼んだことない。気にしてたのかな……全然そんな感じしなかったのに」
コメント
『いや絶対気になってるだろw』
『姫も可愛いな』
『ましろんもかのんちゃん大好きなんじゃね?』
『ひな☆ラジでべた褒めだったし』
「えへへ……そうなのかな。それなら……嬉しいな」
そうして彩芽ちゃんの『双葉かのん』の初めての凸待ち配信が終わる。そしてふと我にかえると、とんでもないことをしてしまったんじゃないかと思う。だけど、後悔はなかった。むしろ心の底から安堵している自分がいた。
すると配信終わりの彩芽ちゃんがリビングにやってくる。しかもゆっくりゆっくり歩いてくる。
「あの……」
『いやぁ。リスナーも喜んだんじゃない?ああいうのも悪くないよな』と。いつもなら言うんだが、いつまでも逃げていても仕方ない。彩芽ちゃんはオレに歩み寄ってくれている。それをしていなかったのはオレだ。だから、覚悟を決めて口を開く。
「オレも名前で呼んで欲しいと思ってさ。迷惑かけてごめん。なんか……裏だと恥ずかしくてさ」
自分で言ってて情けないが、これが今のオレだから仕方ない。するとゆっくりと近付いてきて、目の前まで来ると俯きながら彩芽ちゃんが口を開く。
「私……本当に……名前で……呼んでもいいんですか?」
「オレは……彩芽ちゃんにそう呼んでほしいんだ」
オレがそう言うと彩芽ちゃんはオレを見つめる。頬を赤く染めながら笑顔でオレを見ながら言った。
「はい……そ……颯太さん……?」
「ありがとう。彩芽ちゃん」
「いえ……こちらこそ。あの……お休みなさい颯太さん」
「ああ。お休み彩芽ちゃん。明日も頑張ろうな」
「はい。頑張りましょう」
そう言って彩芽ちゃんはそのまま部屋に戻っていく。ただ名前で呼び合うだけ……それでも彩芽ちゃんとの距離感を少しだけ縮められた気がする。
それは『姫宮ましろ』ではなく、神崎颯太として。初めて彩芽ちゃんと向き合えた瞬間だった。
オレは配信画面を観ながらディスコードを繋いでいる。なぜか緊張している。ただ彩芽ちゃんと……『双葉かのん』と話すだけ……ただそれだけなのに、今だけはいつもと違い緊張していた。
「ん?え?……なんで?」
コメント
『どした?』
『凸来た?』
『時間的に最後じゃん』
『誰だ?』
「あっえっと……もしもし?」
《あ。……もしもし?》
コメント
『この声……』
『姫じゃね?』
『姫来た!』
『ましのんてぇてぇ』
「どどど……どうしたんですか!?オフコラボ中だし、ましろん先輩は来ないと思ってたんですけど……」
《じゃあ帰る?》
「いえ!待ってました!来てください!お願いします!」
《……》
「あ……あの……?」
《あぁごめんね。かのんちゃんのトークデッキを見てさ?裏だと聞きにくいから、配信に来ちゃった》
コメント
『裏だと聞きにくい?』
『なんだなんだ?』
『どういうことだ?』
「え?なんですか……なんか怖いんですけど?」
《あのさ……かのんちゃん。裏でましろの事なんで本名で呼ばないのかなって》
「え?そっそれを聞きたかったんですか?」
《うん》
「……」
《……》
コメント
『え?何この空気』
『おい……なんかガチ?』
『まじか……』
「え?いや……その……だって……恥ずかしい……ので……」
配信にも関わらず、彩芽ちゃんはいつものように声が小さくなる。なぜこんな迷惑をかけたのかオレにも分からない。それでも、ここじゃないと言えない気がした。
《でも、ましろは本名で呼んでるよ?ましろは……裏でも……もっとかのんちゃんと仲良くなりたいんだけどな?》
「え?え?……あの……」
《ダメかな?》
「ダメじゃないです……は、はい……本名で呼ばせていただきます」
《ありがとう。それじゃ配信頑張ってね》
コメント
『てぇてぇなんだが……?』
『なんか凄かったな?』
『姫の本音だったんじゃね?』
『これってさ、ましろんも実はかのんちゃんのこと……』
「……あっ!違うよ!?これはその……なんて言うか……ましろん先輩のパフォーマンスだよ!かのん騙されたよ!あぁ~もう!ドキドキしたぁ~」
コメント
『草』
『嘘乙ww』
『誤魔化すなw』
「うぅ……だってぇ……まさかあんな事言われるとは思わなかったし……ちょっとびっくりしすぎて心臓止まるかと思った」
コメント
『わかるww』
『まぁでもよかったじゃん』
『ビジネスじゃなくなったんだが?』
『真のましのんてぇてぇ』
「うぅ……本当にびっくりしたよぉ……確かにましろん先輩のこと本名で呼んだことない。気にしてたのかな……全然そんな感じしなかったのに」
コメント
『いや絶対気になってるだろw』
『姫も可愛いな』
『ましろんもかのんちゃん大好きなんじゃね?』
『ひな☆ラジでべた褒めだったし』
「えへへ……そうなのかな。それなら……嬉しいな」
そうして彩芽ちゃんの『双葉かのん』の初めての凸待ち配信が終わる。そしてふと我にかえると、とんでもないことをしてしまったんじゃないかと思う。だけど、後悔はなかった。むしろ心の底から安堵している自分がいた。
すると配信終わりの彩芽ちゃんがリビングにやってくる。しかもゆっくりゆっくり歩いてくる。
「あの……」
『いやぁ。リスナーも喜んだんじゃない?ああいうのも悪くないよな』と。いつもなら言うんだが、いつまでも逃げていても仕方ない。彩芽ちゃんはオレに歩み寄ってくれている。それをしていなかったのはオレだ。だから、覚悟を決めて口を開く。
「オレも名前で呼んで欲しいと思ってさ。迷惑かけてごめん。なんか……裏だと恥ずかしくてさ」
自分で言ってて情けないが、これが今のオレだから仕方ない。するとゆっくりと近付いてきて、目の前まで来ると俯きながら彩芽ちゃんが口を開く。
「私……本当に……名前で……呼んでもいいんですか?」
「オレは……彩芽ちゃんにそう呼んでほしいんだ」
オレがそう言うと彩芽ちゃんはオレを見つめる。頬を赤く染めながら笑顔でオレを見ながら言った。
「はい……そ……颯太さん……?」
「ありがとう。彩芽ちゃん」
「いえ……こちらこそ。あの……お休みなさい颯太さん」
「ああ。お休み彩芽ちゃん。明日も頑張ろうな」
「はい。頑張りましょう」
そう言って彩芽ちゃんはそのまま部屋に戻っていく。ただ名前で呼び合うだけ……それでも彩芽ちゃんとの距離感を少しだけ縮められた気がする。
それは『姫宮ましろ』ではなく、神崎颯太として。初めて彩芽ちゃんと向き合えた瞬間だった。
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