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47. 交代制のシフトを組めば良い
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47. 交代制のシフトを組めば良い
そして翌日。私とエドはこのオアシスの街オベロンの北東にある廃墟の街に向かうことになる。砂船の手がかりとか見つかるといいんだけど。
私は起きてすぐそんなことを考えていると、突然エドが私を大きな声で起こしてきた。
「リンネ様起きてください!大変です!」
「……なに?起きてるわよ」
「ああっすみません!そうではなくて!その……」
「……んー?」
正直今はまだ眠くて頭がぼーっとしている。その時聞き覚えのある声が私を呼ぶ。
「おはようございますリンネ」
「え?シャノン!?なんでここに!?」
「もちろん騎士団の任務です。私はあなたの監視をすることになったから」
「監視?」
なんで騎士団が私を監視するのよ……私はただのパン屋さんなんだけどさ。
「それより。安心してリンネ。あなたの捜索依頼は取り消したから。ギルドにも確認したし、間違いないはずよ」
そう言って微笑むシャノン。元はと言えば私は危険人物ではないのだから、なんか納得はいかないけど……まぁ『パン魔法』なんてふざけた名前を付けられていたのも取り消されたみたいだし、良しとするか。でもそれよりも……
「監視って何なの?」
「私はリンネが無事にパン屋をやるまで同行するの。もしあなたが何か問題を起こしたら、私が捕縛するように団長からも言われてるから」
「なによ問題って、そんなことしないわよ」
なんだか分からないけど、要約するとシャノンが私と共に聖都リーベル=アイルまで同行するってことよね?確かにシャノンはあのトロールを真っ二つにできるほどの実力者だし、何より私が戦わなくて済む。
それに、この間のミゼットでのパンの販売の時の接客も良かった。シャノンは真面目だし、きちんと仕事をこなしてくれていた。ふむふむ。フィーナと交代制のシフトを組めばなんとかなりそうよね?
そんなことを考えながら私がシャノンを見ると、その表情からはやる気満々といった感じだ。せっかく捜索依頼を取り消してもらったのに、ここで断って面倒なことになったら意味がない。ここは素直に受けておくべきだわ。
「わかったわ。よろしくねシャノン」
「うん、こちらこそよろしくお願いします」
こうしてシャノン監視の元、私たちはこのオアシスの街オベロンを出発して北東の廃墟の街に向かうことになった。
◇◇◇
私たちは準備をしてすぐに宿を出た。まだ早朝ということもあり人通りは少ない。それでも街の人たちには挨拶されるし、露店の準備をしている人達もいる。砂漠の街なのに活気があっていい街だと思う。この灼熱の太陽がなければね……。
それより私は納得いかないことがあった。それは
「ちょっと待って」
「どうかしましたかリンネ様~?」
「ピピッ?」
「なんでフィーナとピー助が来るのよ?エドはどうしたの?」
「エド君なら、『シャノンさんがいるなら戦闘要員はいるのでボクはルチアさんと二人きりで待ちますね?フィーナさんリンネ様が心配だからお願いします』って言ってましたよ?だから任されました!」
あのエロガキ……仕事をサボったわね?ルチアと一緒にいたいだけじゃない。大体エドが調査したいって言ったから行くことにしたのよね?まったくもう……
「あのよろしくお願いしますねシャノンさん!」
「あっはい。」
「じゃあ、この荷物を持ってください。お水なので重いですけど、これは新入りの仕事ですから!」
「えっはい。分かりました」
フィーナは嬉しそうに先輩風を吹かせて、シャノンに荷物を持たせようとする。この食いしん坊エルフ……
「何言ってんの。ダメよフィーナ。シャノンは魔物が出てきたら戦ってもらうんだから。手が塞がってたら大変でしょ」
「えぇ~……それならリンネ様も持ってくださいよ~。リンネ様だって戦わないですよね?」
変な屁理屈を言ってくるフィーナ。確かにそうかもしれないけど……本当こういう事だけは頭が回るんだから。私はため息をつきながら荷物を半分持つことにする。
「しょうがないわねぇ……ほら半分ずつ持つわよ」
「やった!これで私も楽できますぅ!リンネ様早く行きましょ!」
「ちょっ引っ張らないで!分かったから!」
こうして私はフィーナとピー助。あとはリーベル=アイル騎士団のシャノンと共にオベロンの北東にある廃墟の街に向かうため、灼熱の太陽が照らすダジュール砂漠を歩き始めるのだった。
そして翌日。私とエドはこのオアシスの街オベロンの北東にある廃墟の街に向かうことになる。砂船の手がかりとか見つかるといいんだけど。
私は起きてすぐそんなことを考えていると、突然エドが私を大きな声で起こしてきた。
「リンネ様起きてください!大変です!」
「……なに?起きてるわよ」
「ああっすみません!そうではなくて!その……」
「……んー?」
正直今はまだ眠くて頭がぼーっとしている。その時聞き覚えのある声が私を呼ぶ。
「おはようございますリンネ」
「え?シャノン!?なんでここに!?」
「もちろん騎士団の任務です。私はあなたの監視をすることになったから」
「監視?」
なんで騎士団が私を監視するのよ……私はただのパン屋さんなんだけどさ。
「それより。安心してリンネ。あなたの捜索依頼は取り消したから。ギルドにも確認したし、間違いないはずよ」
そう言って微笑むシャノン。元はと言えば私は危険人物ではないのだから、なんか納得はいかないけど……まぁ『パン魔法』なんてふざけた名前を付けられていたのも取り消されたみたいだし、良しとするか。でもそれよりも……
「監視って何なの?」
「私はリンネが無事にパン屋をやるまで同行するの。もしあなたが何か問題を起こしたら、私が捕縛するように団長からも言われてるから」
「なによ問題って、そんなことしないわよ」
なんだか分からないけど、要約するとシャノンが私と共に聖都リーベル=アイルまで同行するってことよね?確かにシャノンはあのトロールを真っ二つにできるほどの実力者だし、何より私が戦わなくて済む。
それに、この間のミゼットでのパンの販売の時の接客も良かった。シャノンは真面目だし、きちんと仕事をこなしてくれていた。ふむふむ。フィーナと交代制のシフトを組めばなんとかなりそうよね?
そんなことを考えながら私がシャノンを見ると、その表情からはやる気満々といった感じだ。せっかく捜索依頼を取り消してもらったのに、ここで断って面倒なことになったら意味がない。ここは素直に受けておくべきだわ。
「わかったわ。よろしくねシャノン」
「うん、こちらこそよろしくお願いします」
こうしてシャノン監視の元、私たちはこのオアシスの街オベロンを出発して北東の廃墟の街に向かうことになった。
◇◇◇
私たちは準備をしてすぐに宿を出た。まだ早朝ということもあり人通りは少ない。それでも街の人たちには挨拶されるし、露店の準備をしている人達もいる。砂漠の街なのに活気があっていい街だと思う。この灼熱の太陽がなければね……。
それより私は納得いかないことがあった。それは
「ちょっと待って」
「どうかしましたかリンネ様~?」
「ピピッ?」
「なんでフィーナとピー助が来るのよ?エドはどうしたの?」
「エド君なら、『シャノンさんがいるなら戦闘要員はいるのでボクはルチアさんと二人きりで待ちますね?フィーナさんリンネ様が心配だからお願いします』って言ってましたよ?だから任されました!」
あのエロガキ……仕事をサボったわね?ルチアと一緒にいたいだけじゃない。大体エドが調査したいって言ったから行くことにしたのよね?まったくもう……
「あのよろしくお願いしますねシャノンさん!」
「あっはい。」
「じゃあ、この荷物を持ってください。お水なので重いですけど、これは新入りの仕事ですから!」
「えっはい。分かりました」
フィーナは嬉しそうに先輩風を吹かせて、シャノンに荷物を持たせようとする。この食いしん坊エルフ……
「何言ってんの。ダメよフィーナ。シャノンは魔物が出てきたら戦ってもらうんだから。手が塞がってたら大変でしょ」
「えぇ~……それならリンネ様も持ってくださいよ~。リンネ様だって戦わないですよね?」
変な屁理屈を言ってくるフィーナ。確かにそうかもしれないけど……本当こういう事だけは頭が回るんだから。私はため息をつきながら荷物を半分持つことにする。
「しょうがないわねぇ……ほら半分ずつ持つわよ」
「やった!これで私も楽できますぅ!リンネ様早く行きましょ!」
「ちょっ引っ張らないで!分かったから!」
こうして私はフィーナとピー助。あとはリーベル=アイル騎士団のシャノンと共にオベロンの北東にある廃墟の街に向かうため、灼熱の太陽が照らすダジュール砂漠を歩き始めるのだった。
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