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43. ただ真っ直ぐに ~騎士団side~
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43. ただ真っ直ぐに ~騎士団side~
リンネたちが砂船を探すためにレギンデ遺跡に向かっている頃。鉱山の街ミゼットにはロラン率いるリーベル=アイル騎士団が到着していた。そして宿屋の一室。そこには騎士団長ロランと副騎士団長バルゴ、そして騎士のシャノンがいた。
「シャノン。連絡がとれなくて心配したぞ?もしかしたら赤い髪の『パン魔法』の女に殺されたかと思ったぞ」
「そんなことはあり得ません。むしろ……彼女がこの鉱山の街ミゼットを救ってくれたのです」
「何!?どういうことだ?」
「彼女は……リンネは鉱山に大量発生した魔物を1人で倒した。私がこのミゼットについた頃にはすべてが終わっていたんです」
そう真っ直ぐな目で団長のロランに伝えるシャノン。その目は嘘偽りのない真実を伝えていた。そしてシャノンは続けて話す。
「さらにリンネは街の住人の不安を取り除きたいと言って無償でパンを焼いてそれを無償で配ったのです。私はリンネは危険人物ではないと思っています。本当にパン屋を開業したい。それだけで行動しています。今すぐに捜索依頼を取り消してください」
「ふむ……」
そう言って頭を下げるシャノンに対してロランは難しい顔を浮かべる。
「確かに君からのその報告には悪意や敵意を感じなかった。だが君は騙されてるんじゃないのか?」
「騙す?なんと言われようと構いません!私はリンネを信じています!」
「うーん……。まぁいいだろう。君が嘘をつくとは思えない。とりあえず彼女の実力を見極めるためにも少し様子を見ようじゃないか。それに……私もあの女のことが気になるしな」
「ありがとうございます!」
するとロランはある提案をしてくる。
「シャノン。君にはそのまま、そのリンネを監視して欲しい。もし彼女が我々に敵対するようなことがあれば即刻捕縛するようにだ。言っている意味はわかるな?」
「はい。承知しております。その任務お引き受けします。なので捜索依頼の件よろしくお願いいたします」
こうしてリンネの監視は決定事項となったが捜索依頼を取り消すことになった。そしてロランとバルゴは部屋を出て行く。
「さて、バルゴ。どう思う?」
「正直わかりかねますね」
「うむ。私も同じ意見だ。それに……そこまでの力。何かあるはずだ」
「そうですね。彼女についてもう少し調べる必要があるかもしれません。それよりいいんですか?シャノンみたいな優秀な騎士を監視役とかにして?」
「構わない。アイツは騎士の前に女だ。実力はあるが信用ならん。監視役程度がお似合いだろう。何かあれば赤い髪の『パン魔法』の女と共に捕縛すればいい。」
「なるほど。恐ろしい人だあなたは」
2人はそう話しながらその場を去る。そして残されたシャノンはリンネのことを考えながら眠りにつく。
次の日。シャノンは長い青い髪をポニーテールに縛り、深呼吸をする。正直言えば、あの時そのままリンネについていきたいという気持ちもあったのは嘘じゃない。
リンネはただ真っ直ぐに自分の夢を叶えるために素直に行動している。それが羨ましかった。でも今は監視役という同義がある。
「よしっ!頑張ろう」
そう言ってシャノンは自分の頬を叩き、気合を入れ直す。そしてリンネのもとに急ぐため、鉱山の街ミゼットをあとにするのだった。
リンネたちが砂船を探すためにレギンデ遺跡に向かっている頃。鉱山の街ミゼットにはロラン率いるリーベル=アイル騎士団が到着していた。そして宿屋の一室。そこには騎士団長ロランと副騎士団長バルゴ、そして騎士のシャノンがいた。
「シャノン。連絡がとれなくて心配したぞ?もしかしたら赤い髪の『パン魔法』の女に殺されたかと思ったぞ」
「そんなことはあり得ません。むしろ……彼女がこの鉱山の街ミゼットを救ってくれたのです」
「何!?どういうことだ?」
「彼女は……リンネは鉱山に大量発生した魔物を1人で倒した。私がこのミゼットについた頃にはすべてが終わっていたんです」
そう真っ直ぐな目で団長のロランに伝えるシャノン。その目は嘘偽りのない真実を伝えていた。そしてシャノンは続けて話す。
「さらにリンネは街の住人の不安を取り除きたいと言って無償でパンを焼いてそれを無償で配ったのです。私はリンネは危険人物ではないと思っています。本当にパン屋を開業したい。それだけで行動しています。今すぐに捜索依頼を取り消してください」
「ふむ……」
そう言って頭を下げるシャノンに対してロランは難しい顔を浮かべる。
「確かに君からのその報告には悪意や敵意を感じなかった。だが君は騙されてるんじゃないのか?」
「騙す?なんと言われようと構いません!私はリンネを信じています!」
「うーん……。まぁいいだろう。君が嘘をつくとは思えない。とりあえず彼女の実力を見極めるためにも少し様子を見ようじゃないか。それに……私もあの女のことが気になるしな」
「ありがとうございます!」
するとロランはある提案をしてくる。
「シャノン。君にはそのまま、そのリンネを監視して欲しい。もし彼女が我々に敵対するようなことがあれば即刻捕縛するようにだ。言っている意味はわかるな?」
「はい。承知しております。その任務お引き受けします。なので捜索依頼の件よろしくお願いいたします」
こうしてリンネの監視は決定事項となったが捜索依頼を取り消すことになった。そしてロランとバルゴは部屋を出て行く。
「さて、バルゴ。どう思う?」
「正直わかりかねますね」
「うむ。私も同じ意見だ。それに……そこまでの力。何かあるはずだ」
「そうですね。彼女についてもう少し調べる必要があるかもしれません。それよりいいんですか?シャノンみたいな優秀な騎士を監視役とかにして?」
「構わない。アイツは騎士の前に女だ。実力はあるが信用ならん。監視役程度がお似合いだろう。何かあれば赤い髪の『パン魔法』の女と共に捕縛すればいい。」
「なるほど。恐ろしい人だあなたは」
2人はそう話しながらその場を去る。そして残されたシャノンはリンネのことを考えながら眠りにつく。
次の日。シャノンは長い青い髪をポニーテールに縛り、深呼吸をする。正直言えば、あの時そのままリンネについていきたいという気持ちもあったのは嘘じゃない。
リンネはただ真っ直ぐに自分の夢を叶えるために素直に行動している。それが羨ましかった。でも今は監視役という同義がある。
「よしっ!頑張ろう」
そう言ってシャノンは自分の頬を叩き、気合を入れ直す。そしてリンネのもとに急ぐため、鉱山の街ミゼットをあとにするのだった。
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