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83. もっとドキドキしたほうが好み
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83. もっとドキドキしたほうが好み
そしていよいよ文化祭最後のイベントであるキャンプファイアが始まった。中庭には多くの生徒が集まっており、みんな楽しそうだ。そしてオレは聖菜さんに2度目の告白をしようとしている。
「綺麗だね優斗君」
「ああ。本当に」
聖菜さんと二人で炎を眺めているととても幻想的だ。聖菜さんはオレの未来の奥様なんだ。これから先、何度でもこうやって聖菜さんと一緒に過ごせる時間を大切にしたい。
……と伝えなきゃな。オレが聖菜さんの手を握ると聖菜さんもそれに応えるように握り返してくれた。だから不思議と緊張もなくなっていた。
「あのさ聖菜さん。ちょっといい?」
「ん?どうかしたの?」
「いや。ちょっと来て欲しいところがあるんだよね」
「ほう。それは楽しみですな」
そんな期待されても困るけどさ。オレは聖菜さんを連れて校舎の中に入っていく。そして誰もいない社会準備室まで進んでいく。ここに聖菜さんと来るのは、怜奈に聖菜さんを紹介した時にオレの家に誘った以来だ。そこから中庭のキャンプファイアが見渡せるから。そこでオレは立ち止まり振り返る。
「ここからなら誰にも邪魔されずにキャンプファイアが楽しめるよ」
「おや?我慢出来なくなったんじゃないの?」
「もう我慢する必要ないでしょ。本当に2人だけでキャンプファイアを見ようとしたんだよ」
「そうだね。確かにここからの方がよく見えるかも」
「……聖菜さん。聞いて欲しいことがあるんだ」
「うん。聞かせて」
オレは聖菜さんの顔を見て一歩ずつ近づいていく。するとその分、聖菜さんも後退りをする。
「……なにそれ?」
「このまま進むとどうなるかな?」
「どうなるって……」
そのまま壁際まで追い詰めるとオレは壁に手をついた。いわゆる壁ドンというやつだ。
「こうなるけど?」
「これが壁ドンか……案外悪くないね?」
「ロマンチックになった?」
「ふふ。少しね。でも私としてはもっとドキドキしたほうが好みだなぁ。」
「なにドキドキって」
「キス……とか?」
「キスして欲しいの?」
「うーん……まぁそういうことになるかも」
「ここ学校だよ?」
「じゃあやめる?」
「……やめない」
「ふふ。素直だね」
そう言って聖菜さんは目を瞑る。可愛いなぁもう。ほんと……可愛いよ。オレは聖菜さんの唇にそっと自分の唇を重ねた。柔らかい感触が伝わってくる。すぐに聖菜さんから離れるが顔が熱い。たぶんオレの顔は真っ赤に染まっているだろう。
「悪い男だ優斗君は」
「そうしたのは聖菜さんだよ」
「責任取ってくれるの?」
「取るよ」
そう言ってからもう一度オレは聖菜さんに口づけをした。今度は深く長く。それからしばらくしてからゆっくりと離れる。
「聖菜さん。オレと付き合ってほしい」
「ふふ。順番が逆じゃない?でも……優斗君らしいか」
「この前と何も変わってないな」
「変わったよ。キスしたもん」
「ロマンチックにもなったしな」
「そう?まぁ仕方ないから、そういうことにしておいてあげる」
その後、オレたちは無言のまま中庭のキャンプファイアを見つめる。揺らめく炎がとても幻想的で時間を忘れてしまうくらいだ。お互いの手は繋いだまま。その手の温もりをしっかりと感じながらその幸せな時間を大切にするのだった。
そしていよいよ文化祭最後のイベントであるキャンプファイアが始まった。中庭には多くの生徒が集まっており、みんな楽しそうだ。そしてオレは聖菜さんに2度目の告白をしようとしている。
「綺麗だね優斗君」
「ああ。本当に」
聖菜さんと二人で炎を眺めているととても幻想的だ。聖菜さんはオレの未来の奥様なんだ。これから先、何度でもこうやって聖菜さんと一緒に過ごせる時間を大切にしたい。
……と伝えなきゃな。オレが聖菜さんの手を握ると聖菜さんもそれに応えるように握り返してくれた。だから不思議と緊張もなくなっていた。
「あのさ聖菜さん。ちょっといい?」
「ん?どうかしたの?」
「いや。ちょっと来て欲しいところがあるんだよね」
「ほう。それは楽しみですな」
そんな期待されても困るけどさ。オレは聖菜さんを連れて校舎の中に入っていく。そして誰もいない社会準備室まで進んでいく。ここに聖菜さんと来るのは、怜奈に聖菜さんを紹介した時にオレの家に誘った以来だ。そこから中庭のキャンプファイアが見渡せるから。そこでオレは立ち止まり振り返る。
「ここからなら誰にも邪魔されずにキャンプファイアが楽しめるよ」
「おや?我慢出来なくなったんじゃないの?」
「もう我慢する必要ないでしょ。本当に2人だけでキャンプファイアを見ようとしたんだよ」
「そうだね。確かにここからの方がよく見えるかも」
「……聖菜さん。聞いて欲しいことがあるんだ」
「うん。聞かせて」
オレは聖菜さんの顔を見て一歩ずつ近づいていく。するとその分、聖菜さんも後退りをする。
「……なにそれ?」
「このまま進むとどうなるかな?」
「どうなるって……」
そのまま壁際まで追い詰めるとオレは壁に手をついた。いわゆる壁ドンというやつだ。
「こうなるけど?」
「これが壁ドンか……案外悪くないね?」
「ロマンチックになった?」
「ふふ。少しね。でも私としてはもっとドキドキしたほうが好みだなぁ。」
「なにドキドキって」
「キス……とか?」
「キスして欲しいの?」
「うーん……まぁそういうことになるかも」
「ここ学校だよ?」
「じゃあやめる?」
「……やめない」
「ふふ。素直だね」
そう言って聖菜さんは目を瞑る。可愛いなぁもう。ほんと……可愛いよ。オレは聖菜さんの唇にそっと自分の唇を重ねた。柔らかい感触が伝わってくる。すぐに聖菜さんから離れるが顔が熱い。たぶんオレの顔は真っ赤に染まっているだろう。
「悪い男だ優斗君は」
「そうしたのは聖菜さんだよ」
「責任取ってくれるの?」
「取るよ」
そう言ってからもう一度オレは聖菜さんに口づけをした。今度は深く長く。それからしばらくしてからゆっくりと離れる。
「聖菜さん。オレと付き合ってほしい」
「ふふ。順番が逆じゃない?でも……優斗君らしいか」
「この前と何も変わってないな」
「変わったよ。キスしたもん」
「ロマンチックにもなったしな」
「そう?まぁ仕方ないから、そういうことにしておいてあげる」
その後、オレたちは無言のまま中庭のキャンプファイアを見つめる。揺らめく炎がとても幻想的で時間を忘れてしまうくらいだ。お互いの手は繋いだまま。その手の温もりをしっかりと感じながらその幸せな時間を大切にするのだった。
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