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81. 知らないところで何かが起こる
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81. 知らないところで何かが起こる
そして夕飯。怜奈はピザとポテトをパクついている。いつものことだが幸せそうな顔をしている。そして相変わらず美味しそうに食べるな。オレもポテトをつまむ。
「ねぇおにぃ」
「なんだ?」
「聖菜さんって何でおにぃのこと好きなの?なんか全然イメージと違うんだけど」
「それは聖菜さんに聞いてくれないか」
「気にならないの?」
そりゃ気になる。前に少し話してくれたけど、確かに深く聞いたことはない。そもそもなんでオレのことが好きなのかなんて考えたこともなかったな。
「やっぱりおにぃのどこに惚れたのか……とか知りたくない?」
「オレが紳士だからじゃないか?」
「あっそ。そう言えばおにぃさ、告白出来たんだもんね。まさか聖菜さんからじゃないよね?」
「お前。兄貴をなんだと思ってんだよ。もちろんオレから付き合ってくださいって言ったぞ」
「どこで告白したの?」
どこで?そんなの重要なのかよ……。この前も西城さんや東雲さん、それこそ聖菜さんにも言われたけど。場所じゃないだろ!気持ちだ気持ち!
「駅前の近くの静かな公園だけど?」
「……はぁ。聖菜さん可哀想」
「おい。なにが可哀想なんだよ」
「そういう雰囲気が似合わないところだよ。私ならムードのある場所でロマンチックな雰囲気の中で言って欲しいけどね。例えばこの前の花火大会の花火が打ち上がった瞬間に……みたいな?」
「お前!花火大会は禁句だぞ!」
くそ。みんなしてオレをバカにしやがって。別にいいもんね。花火が打ち上がる中、キスしたいとか考えてないし。いや、これは嘘だ。めちゃくちゃ雰囲気がいい。それに比べて静かな公園って……今思うとオレはとんでもない恋愛弱者だったのか……。怜奈が呆れた様子でため息をつく。なんだ?その反応は。
「なんだよ?」
「別になんでもないけど?」
「お前。今オレを恋愛弱者だと思ってるだろ?」
「思ってないよ。女心が分からない馬鹿者だとは思ってるけど」
「ちっちっち。甘いぞ怜奈。オレはきちんと聖菜さんに再告白するから。明日のキャンプファイアの時に」
「ふーん。次は振られたら面白いよね」
「お前なぁ……」
そんなことは絶対にあり得ない……はず。いざ付き合ってみたけど、聖菜さんは優しいからオレを傷つけないように振る舞ってくれている可能性もある……のか?いやいやそれはないだろ。オレは未来の旦那様なんだから。
そして翌日。文化祭2日目が始まる。今日も一般公開日ということもあり生徒だけでなく一般の人もたくさんいる。オレたちのクラスは昨日に引き続き喫茶店をしている。そして聖菜さんの接客態度が素晴らしかった。1年生のみならず3年生の男子まで列をなしているほどだ。しかしオレにとっては複雑な気分である。
「いらっしゃいませご主人様。こちらの席へどうぞ」
案内される男どもが聖菜さんをイヤらしい目で見ているのがよく分かる。オレの聖菜さんだぞ!彼女だぞ!未来の奥様だぞ!
「聖菜。大人気じゃん。大丈夫神坂?」
「何がだ?」
「オレの嫁に変なことしたら許さないぞ!って顔してるじゃん」
「別にそんなこと考えてねぇよ!」
「えっ考えてないの?聖菜への愛が足りないんじゃね?」
「そんなことないだろ」
すると西城さんはニヤリと笑ってからオレの耳元に口を近づける。あと近すぎて胸元が見えるんだが……
「まぁ妬くな妬くな。あたしに任せときな神坂」
「何をするつもりだ?」
「まぁ見てなって」
そう言うと西城さんはオレから離れ聖菜さんの方へと向かっていく。オレの知らないところで何かが起こる気がする。少し不安ではあるが西城さんを見守ろう。
そして夕飯。怜奈はピザとポテトをパクついている。いつものことだが幸せそうな顔をしている。そして相変わらず美味しそうに食べるな。オレもポテトをつまむ。
「ねぇおにぃ」
「なんだ?」
「聖菜さんって何でおにぃのこと好きなの?なんか全然イメージと違うんだけど」
「それは聖菜さんに聞いてくれないか」
「気にならないの?」
そりゃ気になる。前に少し話してくれたけど、確かに深く聞いたことはない。そもそもなんでオレのことが好きなのかなんて考えたこともなかったな。
「やっぱりおにぃのどこに惚れたのか……とか知りたくない?」
「オレが紳士だからじゃないか?」
「あっそ。そう言えばおにぃさ、告白出来たんだもんね。まさか聖菜さんからじゃないよね?」
「お前。兄貴をなんだと思ってんだよ。もちろんオレから付き合ってくださいって言ったぞ」
「どこで告白したの?」
どこで?そんなの重要なのかよ……。この前も西城さんや東雲さん、それこそ聖菜さんにも言われたけど。場所じゃないだろ!気持ちだ気持ち!
「駅前の近くの静かな公園だけど?」
「……はぁ。聖菜さん可哀想」
「おい。なにが可哀想なんだよ」
「そういう雰囲気が似合わないところだよ。私ならムードのある場所でロマンチックな雰囲気の中で言って欲しいけどね。例えばこの前の花火大会の花火が打ち上がった瞬間に……みたいな?」
「お前!花火大会は禁句だぞ!」
くそ。みんなしてオレをバカにしやがって。別にいいもんね。花火が打ち上がる中、キスしたいとか考えてないし。いや、これは嘘だ。めちゃくちゃ雰囲気がいい。それに比べて静かな公園って……今思うとオレはとんでもない恋愛弱者だったのか……。怜奈が呆れた様子でため息をつく。なんだ?その反応は。
「なんだよ?」
「別になんでもないけど?」
「お前。今オレを恋愛弱者だと思ってるだろ?」
「思ってないよ。女心が分からない馬鹿者だとは思ってるけど」
「ちっちっち。甘いぞ怜奈。オレはきちんと聖菜さんに再告白するから。明日のキャンプファイアの時に」
「ふーん。次は振られたら面白いよね」
「お前なぁ……」
そんなことは絶対にあり得ない……はず。いざ付き合ってみたけど、聖菜さんは優しいからオレを傷つけないように振る舞ってくれている可能性もある……のか?いやいやそれはないだろ。オレは未来の旦那様なんだから。
そして翌日。文化祭2日目が始まる。今日も一般公開日ということもあり生徒だけでなく一般の人もたくさんいる。オレたちのクラスは昨日に引き続き喫茶店をしている。そして聖菜さんの接客態度が素晴らしかった。1年生のみならず3年生の男子まで列をなしているほどだ。しかしオレにとっては複雑な気分である。
「いらっしゃいませご主人様。こちらの席へどうぞ」
案内される男どもが聖菜さんをイヤらしい目で見ているのがよく分かる。オレの聖菜さんだぞ!彼女だぞ!未来の奥様だぞ!
「聖菜。大人気じゃん。大丈夫神坂?」
「何がだ?」
「オレの嫁に変なことしたら許さないぞ!って顔してるじゃん」
「別にそんなこと考えてねぇよ!」
「えっ考えてないの?聖菜への愛が足りないんじゃね?」
「そんなことないだろ」
すると西城さんはニヤリと笑ってからオレの耳元に口を近づける。あと近すぎて胸元が見えるんだが……
「まぁ妬くな妬くな。あたしに任せときな神坂」
「何をするつもりだ?」
「まぁ見てなって」
そう言うと西城さんはオレから離れ聖菜さんの方へと向かっていく。オレの知らないところで何かが起こる気がする。少し不安ではあるが西城さんを見守ろう。
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