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72. 隠すことは何もないよね
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72. 隠すことは何もないよね
午後の授業が終わり、帰りのホームルームの時間となる。担任の先生が教壇に立ち、皆の前でプリントを配っていく。その紙には、来月行われる文化祭について書かれていた。どうやら各クラスの出し物を決めなければいけないらしい。
と言ってもメイド喫茶で決まっているんだよな。みんな口々にやりたいことを言っている。
まるでこの時間は結末の知ってる物語を見ている退屈な時間のようだ。
「何になるかな?」
「いや。メイド喫茶でしょ」
「まだ分からないかもよ?ほら。未来が少し変わっちゃったしさ」
「確かにそれはあるかもだな」
オレのその疑念は意味なかったようで、案の定クラスの文化祭の出し物はメイド喫茶で決まった。
そして放課後。オレは聖菜さんと一緒に西城さんにカフェに誘われたので一緒に帰ることにした。でもめずらしいよな、聖菜さんだけじゃなくてオレまで誘うなんて。
「ほら。何頼むの?おごる約束だから。神坂の分も出すよ。この前アイスおごってもらったし」
オレと聖菜さんはメニュー表を眺めながら、それぞれ注文する。するとすぐに運ばれてきた。そして西城さんが口を開く。
「あのさ。聞きたいことあるんだけど」
「なにかな?」
「神坂と聖菜はさ……週に何回くらいヤってんの?初めての時ってどんな感じなの?」
オレは飲んでいたアイスコーヒーを吹き出しそうになる。姉貴はいきなり何を聞いてんだよ。
「うーん……しない週もあるしなぁ。女の子の日の週もあるし。初めての時はね、確か私がリードしたような……でもそのあとは優斗君が何回も……」
「聖菜さん真面目に答えないでくれよ」
「どうして?彩音ちゃんは親友だもん。隠すことは何もないよね?」
「そうだけど……いやJKがそういう話題をだな軽々しく話すのはどうかなと」
「あはは。神坂は夢見すぎじゃね?むしろ女のほうがもっと深い話してるよ?あいつの大きいだけで痛いだけとか、全部適当でAV観すぎとか、下手とかそういうの」
だとしてもここに健全な男子高校生がいるんだよな。そりゃオレだって聖人君子ではないわけだから。興味はあるけど。というかそういうのを言われると聖菜さんがどう思っているのか気になるのだが……
「ん?どうしたのかな?優斗君。自分がどう思われてるか気になるのかな?」
「いや。オレはいつもすべてを出しきってるからさ」
「それ独りよがりじゃね?」
「一生懸命、全身全霊と言ってくれ!」
「ふふ。どうなのかなぁ?」
聖菜さんは微笑みながらこちらを見る。これは完全にからかっている顔だな。だいぶ話はそれたが、とりあえず西城さんに聞いてみる。
「それより。なんでそんなこと聞くんだよ西城さん」
「え。いやー……あたしもそうなったらどうなのかなぁ?とか思ったりして?」
西城さんはなんかモジモジしながら顔を赤くして話す。どうしたんだいつもの姉貴らしくないが?
「彩音ちゃん。彼氏でも出来たの?」
「できてないけどさ。ほら……関原がさ?週末に一緒に出掛けようって言ってきてさ?」
「関原が?」
「デートするんだ。良かったね」
「良かったかは分からないけどさ。別に嫌いとかじゃないし。花火大会では振ったけど、あの時は初対面だったし、あいつはあたしのこと好きだし?勢いとかあるかもしれないし。でも私は処女だし、やっぱり怖いじゃん?」
なるほど。それでオレたちにアドバイスを求めに来たんだな。でもこれ相談に乗るべきなのか?まぁ友達の恋路を応援するのは普通だよな。
そのあとは聖菜さんが笑顔で色々な爆弾発言をする。西城さんは興味津々に話を聞いていた。そしてオレは聖菜さんが際どい発言をする度に飲んでいたアイスコーヒーを盛大に吹き出した。それはもう盛大に。
そして帰り道。西城さんと別れて、聖菜さんと共に駅まで帰る。話をして分かったけど、本当に西城さんは恋愛に真面目なんだなと思う。
「ん?なにかな?」
「いや。西城さんは恋愛に真面目なんだなと思ってね」
「私は不真面目なのかな?」
「ほぼ初対面でお泊まりとキスするからね聖菜さんは」
「私は初対面じゃないからさ」
「それはズルいのでは?」
「じゃあしないほうが良かったのかな?」
「……それもズルい」
そう言ってクスクスと笑う聖菜さん。でも関原が西城さんと上手くいくなら、もしかしたら……未来は変わらないのかもしれない。そしたら、聖菜さんと今からずっと一緒にいれるオレはやっぱり幸せなんだなと思うのだった。
午後の授業が終わり、帰りのホームルームの時間となる。担任の先生が教壇に立ち、皆の前でプリントを配っていく。その紙には、来月行われる文化祭について書かれていた。どうやら各クラスの出し物を決めなければいけないらしい。
と言ってもメイド喫茶で決まっているんだよな。みんな口々にやりたいことを言っている。
まるでこの時間は結末の知ってる物語を見ている退屈な時間のようだ。
「何になるかな?」
「いや。メイド喫茶でしょ」
「まだ分からないかもよ?ほら。未来が少し変わっちゃったしさ」
「確かにそれはあるかもだな」
オレのその疑念は意味なかったようで、案の定クラスの文化祭の出し物はメイド喫茶で決まった。
そして放課後。オレは聖菜さんと一緒に西城さんにカフェに誘われたので一緒に帰ることにした。でもめずらしいよな、聖菜さんだけじゃなくてオレまで誘うなんて。
「ほら。何頼むの?おごる約束だから。神坂の分も出すよ。この前アイスおごってもらったし」
オレと聖菜さんはメニュー表を眺めながら、それぞれ注文する。するとすぐに運ばれてきた。そして西城さんが口を開く。
「あのさ。聞きたいことあるんだけど」
「なにかな?」
「神坂と聖菜はさ……週に何回くらいヤってんの?初めての時ってどんな感じなの?」
オレは飲んでいたアイスコーヒーを吹き出しそうになる。姉貴はいきなり何を聞いてんだよ。
「うーん……しない週もあるしなぁ。女の子の日の週もあるし。初めての時はね、確か私がリードしたような……でもそのあとは優斗君が何回も……」
「聖菜さん真面目に答えないでくれよ」
「どうして?彩音ちゃんは親友だもん。隠すことは何もないよね?」
「そうだけど……いやJKがそういう話題をだな軽々しく話すのはどうかなと」
「あはは。神坂は夢見すぎじゃね?むしろ女のほうがもっと深い話してるよ?あいつの大きいだけで痛いだけとか、全部適当でAV観すぎとか、下手とかそういうの」
だとしてもここに健全な男子高校生がいるんだよな。そりゃオレだって聖人君子ではないわけだから。興味はあるけど。というかそういうのを言われると聖菜さんがどう思っているのか気になるのだが……
「ん?どうしたのかな?優斗君。自分がどう思われてるか気になるのかな?」
「いや。オレはいつもすべてを出しきってるからさ」
「それ独りよがりじゃね?」
「一生懸命、全身全霊と言ってくれ!」
「ふふ。どうなのかなぁ?」
聖菜さんは微笑みながらこちらを見る。これは完全にからかっている顔だな。だいぶ話はそれたが、とりあえず西城さんに聞いてみる。
「それより。なんでそんなこと聞くんだよ西城さん」
「え。いやー……あたしもそうなったらどうなのかなぁ?とか思ったりして?」
西城さんはなんかモジモジしながら顔を赤くして話す。どうしたんだいつもの姉貴らしくないが?
「彩音ちゃん。彼氏でも出来たの?」
「できてないけどさ。ほら……関原がさ?週末に一緒に出掛けようって言ってきてさ?」
「関原が?」
「デートするんだ。良かったね」
「良かったかは分からないけどさ。別に嫌いとかじゃないし。花火大会では振ったけど、あの時は初対面だったし、あいつはあたしのこと好きだし?勢いとかあるかもしれないし。でも私は処女だし、やっぱり怖いじゃん?」
なるほど。それでオレたちにアドバイスを求めに来たんだな。でもこれ相談に乗るべきなのか?まぁ友達の恋路を応援するのは普通だよな。
そのあとは聖菜さんが笑顔で色々な爆弾発言をする。西城さんは興味津々に話を聞いていた。そしてオレは聖菜さんが際どい発言をする度に飲んでいたアイスコーヒーを盛大に吹き出した。それはもう盛大に。
そして帰り道。西城さんと別れて、聖菜さんと共に駅まで帰る。話をして分かったけど、本当に西城さんは恋愛に真面目なんだなと思う。
「ん?なにかな?」
「いや。西城さんは恋愛に真面目なんだなと思ってね」
「私は不真面目なのかな?」
「ほぼ初対面でお泊まりとキスするからね聖菜さんは」
「私は初対面じゃないからさ」
「それはズルいのでは?」
「じゃあしないほうが良かったのかな?」
「……それもズルい」
そう言ってクスクスと笑う聖菜さん。でも関原が西城さんと上手くいくなら、もしかしたら……未来は変わらないのかもしれない。そしたら、聖菜さんと今からずっと一緒にいれるオレはやっぱり幸せなんだなと思うのだった。
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