59 / 85
59. 未来変えちゃおうかなぁ?
しおりを挟む
59. 未来変えちゃおうかなぁ?
花火大会2日前。オレはオシャレなカフェに来ていた。隣には聖菜さん。今日も夏らしい可愛い格好をしている。しかし、いつもなら凄くうれしいのだが、今日はいつもと違った。
「ご注文はいかがいたしますか?」
「アイスコーヒー3つで」
店員さんは頭を下げてカウンターの方に戻っていった。そう。オレの目の前には隣のクラスの関原拓也がいた。
そう。事の始まりは昨日に遡る。オレのスマホに知らない番号から連絡がきたのだ。その相手が関原。こいつはバスケットボール部だから春人からオレの連絡先を聞いていたそうだ。
で。こいつはオレじゃなくて聖菜さんに頼みごとがあるらしく、オレが仲介役になったのだ。
「本当にごめん。2人のデートの時間奪っちゃって!」
「本当だぞ」
「こらこら。気にしないで関原君。私の誕生日に『した』からさ」
『した』を強調する聖菜さん。この振りに乗ればまたからかわれるのだが……聖菜さんの相方、パートナーとしては乗らざるおえない。というよく分からない感情が無意識に言葉を紡ぐ。
「それデートのことだよね」
「うん。他に何かあるのかな?」
聖菜さんもオレの意図を読み取ったようで、さらに挑発してくる。
「あの日は優斗君がお花をくれて……」
「関原。本題はなんなんだ?」
「そのまま、おめかしバッチリの私をいきなり……」
「関原!本題!本題!」
「え?あー。その……実はさ。ボク……西城さんのことが好きなんだよね。それでさ!2人に協力してほしくて!」
「あー胸が好きなんだな関原は」
「違うよ!?」
「でも彩音ちゃんは胸だよね?」
いやいや、聖菜さんは友達なんだからそんなこと言わないであげてください。
「とにかく協力してほしいんだよ。今度の花火大会で告白しようと思ってて……」
「で。お前の想いを伝えるためにオレたちに協力しろと?」
「お願いできないかな?」
関原は本気のようだし、協力はしてやりたいが。すると聖菜さんが話し始める。
「いいんじゃない?協力くらいしてあげるよ。2人きりとかにしてあげればいいのかな?」
「いいの聖菜さん?」
「決めるのは彩音ちゃんだし」
「まぁそれもそうか」
「それに彩音ちゃんはああ見えて恋愛には一番真面目だから」
「なんとなく聖菜さんの言ってることは分かる気がする。西城さんは意外ときちんとしてそう。付き合わないとキスとかしなさそうだしな。」
「……ずいぶん彩音ちゃんのこと詳しいんだね?」
「いや。そんなことないでしょ」
聖菜さんはジト目で見てくる。なんかこれ最近のお決まりパターンになってない?それを見た関原が言ってくる。
「なんか。夫婦漫才みたいに仲がいいんだね。羨ましい。」
「ふふ。夫婦だって旦那様?」
「はいはい。良かったな奥様」
「あー。今の全然愛が感じられなかったぁ。……未来変えちゃおうかなぁ?」
「それは絶対ダメだぞ聖菜さん!」
それは禁句だよ?一番やっちゃいけないやつだから!
「でもさ終わり良ければすべて良しだよね?」
「あれ知らなかった?最初から最後まで幸せのほうがより幸せなんだよ」
「かの有名な哲学者は言っていたよ。『本当の幸せは不幸のその先にあるものだ』と。良かったね優斗君。本当の幸せを見つけられてさ」
「ごめんなさい」
「ふふ。仕方ないなぁ。許してあげよう。感謝したまえ優斗君!」
「うわー。これがラブコメ展開?すごい……羨ましい!」
関原は関心している。聖菜さんは満足そうに微笑む。まぁ……こんなやり取りも嫌いではないけど。こうしてオレと聖菜さんは関原の頼みを聞いてあげることになったのだった。
花火大会2日前。オレはオシャレなカフェに来ていた。隣には聖菜さん。今日も夏らしい可愛い格好をしている。しかし、いつもなら凄くうれしいのだが、今日はいつもと違った。
「ご注文はいかがいたしますか?」
「アイスコーヒー3つで」
店員さんは頭を下げてカウンターの方に戻っていった。そう。オレの目の前には隣のクラスの関原拓也がいた。
そう。事の始まりは昨日に遡る。オレのスマホに知らない番号から連絡がきたのだ。その相手が関原。こいつはバスケットボール部だから春人からオレの連絡先を聞いていたそうだ。
で。こいつはオレじゃなくて聖菜さんに頼みごとがあるらしく、オレが仲介役になったのだ。
「本当にごめん。2人のデートの時間奪っちゃって!」
「本当だぞ」
「こらこら。気にしないで関原君。私の誕生日に『した』からさ」
『した』を強調する聖菜さん。この振りに乗ればまたからかわれるのだが……聖菜さんの相方、パートナーとしては乗らざるおえない。というよく分からない感情が無意識に言葉を紡ぐ。
「それデートのことだよね」
「うん。他に何かあるのかな?」
聖菜さんもオレの意図を読み取ったようで、さらに挑発してくる。
「あの日は優斗君がお花をくれて……」
「関原。本題はなんなんだ?」
「そのまま、おめかしバッチリの私をいきなり……」
「関原!本題!本題!」
「え?あー。その……実はさ。ボク……西城さんのことが好きなんだよね。それでさ!2人に協力してほしくて!」
「あー胸が好きなんだな関原は」
「違うよ!?」
「でも彩音ちゃんは胸だよね?」
いやいや、聖菜さんは友達なんだからそんなこと言わないであげてください。
「とにかく協力してほしいんだよ。今度の花火大会で告白しようと思ってて……」
「で。お前の想いを伝えるためにオレたちに協力しろと?」
「お願いできないかな?」
関原は本気のようだし、協力はしてやりたいが。すると聖菜さんが話し始める。
「いいんじゃない?協力くらいしてあげるよ。2人きりとかにしてあげればいいのかな?」
「いいの聖菜さん?」
「決めるのは彩音ちゃんだし」
「まぁそれもそうか」
「それに彩音ちゃんはああ見えて恋愛には一番真面目だから」
「なんとなく聖菜さんの言ってることは分かる気がする。西城さんは意外ときちんとしてそう。付き合わないとキスとかしなさそうだしな。」
「……ずいぶん彩音ちゃんのこと詳しいんだね?」
「いや。そんなことないでしょ」
聖菜さんはジト目で見てくる。なんかこれ最近のお決まりパターンになってない?それを見た関原が言ってくる。
「なんか。夫婦漫才みたいに仲がいいんだね。羨ましい。」
「ふふ。夫婦だって旦那様?」
「はいはい。良かったな奥様」
「あー。今の全然愛が感じられなかったぁ。……未来変えちゃおうかなぁ?」
「それは絶対ダメだぞ聖菜さん!」
それは禁句だよ?一番やっちゃいけないやつだから!
「でもさ終わり良ければすべて良しだよね?」
「あれ知らなかった?最初から最後まで幸せのほうがより幸せなんだよ」
「かの有名な哲学者は言っていたよ。『本当の幸せは不幸のその先にあるものだ』と。良かったね優斗君。本当の幸せを見つけられてさ」
「ごめんなさい」
「ふふ。仕方ないなぁ。許してあげよう。感謝したまえ優斗君!」
「うわー。これがラブコメ展開?すごい……羨ましい!」
関原は関心している。聖菜さんは満足そうに微笑む。まぁ……こんなやり取りも嫌いではないけど。こうしてオレと聖菜さんは関原の頼みを聞いてあげることになったのだった。
0
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説


切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる