【たいむりーぷ?】『私。未来であなたの奥様やらせてもらってます!』~隣の席の美少女はオレの奥様らしい。きっと新手の詐欺だと思う……たぶん。~

夕姫

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44. 子供はすぐ屁理屈を言う

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44. 子供はすぐ屁理屈を言う



 今日は怜奈と共にショッピングセンターに買い物に来ている。なんか友達の家に泊まるとか?旅行に行くとか?必要なものがあるから荷物持ってとか。調子に乗っている。そして色気付いてる。まあ、たまには兄としてこういうのもいいだろう。

 それにしても……カップルが多いなここ。特にリア充爆発しろとかは思わないけど、正直この光景は目に毒だ。だって……みんなイチャイチャしててこっちが恥ずかしくなるから。

「ねぇおにぃ。今、夏休みだよ?」

「ああ。夏休みだな」

「カップルが多い中、妹と出かけて寂しくないの?私のこと好きなの?」

「出かけるのはお前が荷物を持ってと頼んできたからだろ。それにオレとお前は家族、兄妹だからそういう概念はないだろうに。まぁ好きか嫌いなら好きなんじゃね」

「キモッ」

「お前が聞いたんだろ!最近お前生意気だぞ?」

「あー分かった。聖菜さんに相手してもらえないんでしょ?」

「安心しろ。明後日遊園地に行く約束しているから」

 そう。オレは聖菜さんと遊園地に行く約束をしている。まぁデートの定番だよな。すると怜奈が不思議そうにジト目で見てくる。

「なんだよその顔?」

「おにぃさ。絶叫系苦手じゃん。あと怖いのも苦手だからお化け屋敷もダメ。高いのも苦手だから観覧車とかもダメ。全部ダメじゃん。」

「バカ野郎。メリーゴーランドがあるだろうが」

「すぐ酔うから回るのもダメじゃん」

「お前な遊園地の目的わかるか?」

「そんなのアトラクションに乗るためでしょ」

「ちっちっちっ。これだから子供は。好きな人と一緒の空間を味わうために決まってるだろうが」

「……じゃあ遊園地じゃなくていいじゃん」

「子供はすぐ屁理屈を言う」

「正論だけど」

 ふっ少しはやるようになったな怜奈。兄としてオレは嬉しいぞ。

「そうだ。遊園地に明後日行くなら、明日聖菜さんに泊まりに来てもらったら?私友達の家でお泊まり勉強会するし」

「お泊まり勉強会?聞いてないぞ」

「昨日も言ったよ!おにぃがゲームやってて聞いてなかったんでしょ!」

「オレは聖徳太子だぞ?そんなわけあるかよ」

「あるんだよ。変なこと言ってないで、ほらほら誘いなよ」

「いや……急すぎるだろ」

「思い立ったが吉日じゃん。それに私がいると色々気を遣って困るでしょ?」

 怜奈はまたウインクしながら親指を立てる。またその姿が腹立たしい。こいつ最近生意気だな。

「色々ってなんだよ……」

「声とか音とか。たまに、おにぃが観てるAVの音とか漏れてるからね?」

「言えよ!」

「言えないでしょ!兄妹とはいえ一応プライバシーだし?私は女の子だよ?」

「なるほど。そのおこぼれでお前は欲情し、1人で致してると。もしかしたらこっそりオレがいない時とか勝手に観たり……」

「ちっ違うもん!それでシてる訳じゃないし!勝手にAVなんか観てないし!最低!おにぃの変態!」

「……怜奈。お前ここ外だぞ?」

 怜奈はハッとした顔をする。そして一気に顔が赤くなり涙目になる。オレをバカにするからこうなるんだよ。因果応報だ。諸行無常だ。大人になれよ怜奈。というか、オレは実の妹と何やってんだこれ。
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