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43. 微かな戸惑い
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43. 微かな戸惑い
そして夏休み。夏の太陽が照らす中。オレと怜奈はリビングで夏休みの宿題をしている。別に仲がいいとかそういうことじゃなく、ここにしかエアコンがないからだ。
聖菜さんの夏風邪も治って良かった。ちなみにあのあと案の定オレが軽い夏風邪になったけど……。でも誰かを看病したりすることはなかったからいい経験をした。それに……ヤってこそいないが、また色々経験できたしな。
「おにぃ。どうしたの手なんか見つめて」
「いや最近手相が気になってだな」
「手相?そんなことより宿題やったら」
我が妹ながらドライだな。オレのボケを拾ってくれないとは。その点、聖菜さんは最強のツッコミと言えるだろうな。いやボケ?ベストパートナー?
「ねぇねぇおにぃ。ここの問題分からないから教えてくんない?」
「仕方ないな。『お兄ちゃん教えて』って可愛く甘えてきたら教えてやるよ」
「キモッ。妹に何を求めてんの」
「お前とはコンビ解散だ」
「意味わかんないけど。私たち兄妹じゃん」
ふっ理解できないとは哀れな妹だ。そんなやり取りをしているとインターホンが鳴る。
「怜奈頼む」
「いつも私じゃん」
「文句言うな。兄の特権だ」
怜奈はチッと舌打ちしてそのまま玄関に向かう。性格悪くならないことをお祈りしよう。そして意外な人物が入ってきた。
「いやぁ家の中は涼しいな」
「は?春人?」
「よぉ。夏休みの宿題一緒にやらね?1人だと集中できないからさ」
天川春人。幼稚園からの付き合いで幼馴染み。オレとは違い、容姿端麗、成績優秀でスポーツ万能と非の打ち所がない完璧超人。高校生になってからはクラスも違うし春人はバスケットボール部の部活が忙しいからほとんど絡みがなかった。
「春くん何飲む?麦茶でいい?」
「うん。ありがとう怜奈ちゃん」
「珍しいな。最近ほとんど絡みがなかったのに」
「いや部活が忙しくてさ」
「ねぇ春くん。ここの問題分からないから教えてほしいな?おにぃが教えてくれなくて」
「どれ?ああこれはね」
……怜奈。余所行きの声を出すな。気持ち悪い。まったく色気付きやがって
「そう言えば優斗」
「なんだよ」
「お前さ……彼女できたの?」
「え?」
「聞いて驚かないでよ春くん!おにぃはすごい可愛い彼女が出来たんだから!名前は高宮聖菜さん。おにぃと同じクラスの隣の席の人。私にも優しいの!」
なんでお前がしゃしゃりでて話してんだよ怜奈。
「高宮聖菜さん?おお!あんな美少女良く捕まえたな!すげぇじゃん!あの子人気あったもんな。オレのクラスでも狙ってた人いたよ」
「聖菜さん美人で可愛いもんね」
「おめでとう優斗。応援するよ」
その春人から突然言われた言葉で、忘れかけていた聖菜さんのあの言葉を思い出す。
『ちなみになんだけどさ。私は今年のクリスマスに神坂君の幼馴染みの天川春人君に告白されるんだ。嘘じゃないよ?』
聖菜さんはそう言っていた。でもオレは聖菜さんの彼氏になった。なのに春人から告白されるのか?
『タイムリープ』をしている聖菜さんが未来を変えてしまったの……か?
それとも聖菜さんの未来の通りに事が進んでしまうのか?ならオレは本当にこのまま聖菜さんと上手くいくのか?
はたまた春人が知っていながら聖菜さんを……?まさか今流行りのNTRなのか!?
オレは頭の中が混乱する。そんな様子を不思議に思った春人と怜奈は首を傾げる。
「どうしたのおにぃ?」
「大丈夫か優斗?」
「お前はどうなんだよ春人」
「え?なにが?」
「狙ってたのか?」
「そんな怖い顔するなよ。別に狙ってないよ。高宮さんとは話したことないし。」
「おにぃ。嫉妬してるんだ?確かに春くんには勝てないもんね」
嫉妬。確かにそれもあるかもしれない。でも聖菜さんが『タイムリープ』しているのはほぼ確定的なんだ。なら……それだって起こり得るんじゃないのか。オレに微かな戸惑いがうまれてしまうのだった。
そして夏休み。夏の太陽が照らす中。オレと怜奈はリビングで夏休みの宿題をしている。別に仲がいいとかそういうことじゃなく、ここにしかエアコンがないからだ。
聖菜さんの夏風邪も治って良かった。ちなみにあのあと案の定オレが軽い夏風邪になったけど……。でも誰かを看病したりすることはなかったからいい経験をした。それに……ヤってこそいないが、また色々経験できたしな。
「おにぃ。どうしたの手なんか見つめて」
「いや最近手相が気になってだな」
「手相?そんなことより宿題やったら」
我が妹ながらドライだな。オレのボケを拾ってくれないとは。その点、聖菜さんは最強のツッコミと言えるだろうな。いやボケ?ベストパートナー?
「ねぇねぇおにぃ。ここの問題分からないから教えてくんない?」
「仕方ないな。『お兄ちゃん教えて』って可愛く甘えてきたら教えてやるよ」
「キモッ。妹に何を求めてんの」
「お前とはコンビ解散だ」
「意味わかんないけど。私たち兄妹じゃん」
ふっ理解できないとは哀れな妹だ。そんなやり取りをしているとインターホンが鳴る。
「怜奈頼む」
「いつも私じゃん」
「文句言うな。兄の特権だ」
怜奈はチッと舌打ちしてそのまま玄関に向かう。性格悪くならないことをお祈りしよう。そして意外な人物が入ってきた。
「いやぁ家の中は涼しいな」
「は?春人?」
「よぉ。夏休みの宿題一緒にやらね?1人だと集中できないからさ」
天川春人。幼稚園からの付き合いで幼馴染み。オレとは違い、容姿端麗、成績優秀でスポーツ万能と非の打ち所がない完璧超人。高校生になってからはクラスも違うし春人はバスケットボール部の部活が忙しいからほとんど絡みがなかった。
「春くん何飲む?麦茶でいい?」
「うん。ありがとう怜奈ちゃん」
「珍しいな。最近ほとんど絡みがなかったのに」
「いや部活が忙しくてさ」
「ねぇ春くん。ここの問題分からないから教えてほしいな?おにぃが教えてくれなくて」
「どれ?ああこれはね」
……怜奈。余所行きの声を出すな。気持ち悪い。まったく色気付きやがって
「そう言えば優斗」
「なんだよ」
「お前さ……彼女できたの?」
「え?」
「聞いて驚かないでよ春くん!おにぃはすごい可愛い彼女が出来たんだから!名前は高宮聖菜さん。おにぃと同じクラスの隣の席の人。私にも優しいの!」
なんでお前がしゃしゃりでて話してんだよ怜奈。
「高宮聖菜さん?おお!あんな美少女良く捕まえたな!すげぇじゃん!あの子人気あったもんな。オレのクラスでも狙ってた人いたよ」
「聖菜さん美人で可愛いもんね」
「おめでとう優斗。応援するよ」
その春人から突然言われた言葉で、忘れかけていた聖菜さんのあの言葉を思い出す。
『ちなみになんだけどさ。私は今年のクリスマスに神坂君の幼馴染みの天川春人君に告白されるんだ。嘘じゃないよ?』
聖菜さんはそう言っていた。でもオレは聖菜さんの彼氏になった。なのに春人から告白されるのか?
『タイムリープ』をしている聖菜さんが未来を変えてしまったの……か?
それとも聖菜さんの未来の通りに事が進んでしまうのか?ならオレは本当にこのまま聖菜さんと上手くいくのか?
はたまた春人が知っていながら聖菜さんを……?まさか今流行りのNTRなのか!?
オレは頭の中が混乱する。そんな様子を不思議に思った春人と怜奈は首を傾げる。
「どうしたのおにぃ?」
「大丈夫か優斗?」
「お前はどうなんだよ春人」
「え?なにが?」
「狙ってたのか?」
「そんな怖い顔するなよ。別に狙ってないよ。高宮さんとは話したことないし。」
「おにぃ。嫉妬してるんだ?確かに春くんには勝てないもんね」
嫉妬。確かにそれもあるかもしれない。でも聖菜さんが『タイムリープ』しているのはほぼ確定的なんだ。なら……それだって起こり得るんじゃないのか。オレに微かな戸惑いがうまれてしまうのだった。
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