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37. オレなりのケジメ
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37. オレなりのケジメ
カラオケ屋の近くのコンビニに入る。そして飲み物を選んでいる西城さん。そんな空間にいれることが少しだけほっとしている自分がいる。
「あたしも烏龍茶でいっか。神坂は?」
「じゃあオレもそれで」
「お菓子も買うか!神坂奢ってくんない?」
「ああ。お菓子くらいなら」
「あとアイスも!」
なぜか全部奢ることになったんだが……。そしてそのままカラオケ店に向かうことにする。
「ねぇ。神坂」
「ん?」
「アイス食べてから行かない?」
そう言って袋からアイスを取り出しコンビニの駐車場で食べ始める西城さん。本当にこの人自由だよな。そんなこととは裏腹に真面目な顔をした西城さんが話しかけてくる。
「なんかあった?」
「え?」
「聖菜も神坂もいつもと違うからさ」
「オレは何もないよ」
「じゃあ聖菜に何かあったんだ。また告白でもされたかなありゃ」
「どうしてわかるんだ?」
「……校門に来たときに寂しそうな顔してたから」
そうアイスを食べながら言う西城さん。親友だもんな聖菜さんの少しの変化にも気づくか。
「神坂さ。いつまでウジウジしてんの」
「え?」
「聖菜のこと好きなんでしょ?それなのになんで告白しないわけ?もう付き合ってるようなもんでしょ?」
「まぁ……そうなんだけどな。分かっちゃいる。」
「あたし言ったよね?グズグズしてると他の男に取られるってさ。聖菜は今の神坂の何倍も不安なんだよ。勇気を持ってアプローチをしても、思い描いた理想に事が進まないから。そりゃ神坂が奥手なのかもしれないけど、それでも聖菜は神坂のこと好きなんじゃないの?待ってるんじゃないの?」
「……。」
「あとさ、好きでもなんでもない男とキスしたり寝泊まりなんかしないよ聖菜は。分かってるでしょそのくらい」
……ド正論。全部悪いのはオレだ。オレは本当の聖菜さんの気持ちを理解していなかったんだ。
「あたしさ。初めてハンバーガーショップで2人を見た時、聖菜は神坂のこと本当に好きなんだと思ったよ。あんな幸せそうな聖菜見たことなかったから。だから正直……今、神坂に超ムカついてる」
それを聞いてオレは胸が熱くなる。そして恥ずかしくなる。『未来の奥様』『運命的な何か』そんなものでオレは……。オレが好きなのは今の聖菜さんだし、これからも好きであり続けたい。それがオレの気持ちだ。
だからオレは西城さんに頼む。自分の決心が揺るがないように。そしてそんな臆病者で愚か者にケジメをつけるために。
「なぁ西城さん。前に言ってたよな『聖菜に何かあったら黙っちゃいない』って」
「言った」
「聖菜さんに何かあった。寂しい顔をさせた。そうなったのはオレのせいだ。だから一発ビンタしてくれないか?」
「は?神坂ってドM?」
「もしかしたらそうかもな」
「だから肯定すんなし!」
「オレなりのケジメなんだ。そして勇気が欲しい。オレの背中を押してくれないか?」
「告白前の女子みたいなこと言うじゃん。でも……嫌いじゃないよそういうの。オッケー。それであたしのモヤモヤを解消すっか。」
そして西城さんは食べているアイスを咥えながら、オレの頬に思い切りビンタをする。
パァンッ!と大きな音を立てる。痛い。その容赦ない一発はすごく痛いけどこれで良かったと思う自分もいる。手加減をしなかった西城さんから聖菜さんのことへの真剣さが伝わる。本当に姉貴は友達想いのいい人だ。
「あっ!アイス落ちたし!勢いありすぎたかも」
「痛すぎ。残念ながらドMじゃないみたいだぞ」
「良かったじゃん。知れて」
「ああ。ありがとう西城さん」
「どっちの意味で?」
「どっちもだな」
「あはは。そっか。じゃあ行くか」
「ああ」
そしてオレと西城さんはカラオケ屋に歩き出す。オレは決めた。聖菜さんに告白する。カラオケ屋に着くと聖菜さんと東雲さんが受付の前で待っていた。
「ちょっと遅いわよ何してたの?」
「いやぁアイス食べてたら遅くなっちゃってさ」
「なんでアイスなんか食べてるのよ」
そう言って怒る東雲さん。オレはそんな中、聖菜さんの腕を掴む。
「え?どうしたの優斗君?」
「話があるんだ」
「えっと……」
いつもはいきなり腕なんか掴んだら、からかわれるのだが、オレの真剣な表情を見てさすがに困惑している聖菜さん。
「ごめん。西城さん東雲さん。カラオケはまた今度で。」
そう言ってオレはそのまま聖菜さんの手を引いてカラオケ屋をあとにする。心臓が爆発するくらい高鳴っている。それでもオレは想いを伝えるんだ。聖菜さんのことが好きだから。
カラオケ屋の近くのコンビニに入る。そして飲み物を選んでいる西城さん。そんな空間にいれることが少しだけほっとしている自分がいる。
「あたしも烏龍茶でいっか。神坂は?」
「じゃあオレもそれで」
「お菓子も買うか!神坂奢ってくんない?」
「ああ。お菓子くらいなら」
「あとアイスも!」
なぜか全部奢ることになったんだが……。そしてそのままカラオケ店に向かうことにする。
「ねぇ。神坂」
「ん?」
「アイス食べてから行かない?」
そう言って袋からアイスを取り出しコンビニの駐車場で食べ始める西城さん。本当にこの人自由だよな。そんなこととは裏腹に真面目な顔をした西城さんが話しかけてくる。
「なんかあった?」
「え?」
「聖菜も神坂もいつもと違うからさ」
「オレは何もないよ」
「じゃあ聖菜に何かあったんだ。また告白でもされたかなありゃ」
「どうしてわかるんだ?」
「……校門に来たときに寂しそうな顔してたから」
そうアイスを食べながら言う西城さん。親友だもんな聖菜さんの少しの変化にも気づくか。
「神坂さ。いつまでウジウジしてんの」
「え?」
「聖菜のこと好きなんでしょ?それなのになんで告白しないわけ?もう付き合ってるようなもんでしょ?」
「まぁ……そうなんだけどな。分かっちゃいる。」
「あたし言ったよね?グズグズしてると他の男に取られるってさ。聖菜は今の神坂の何倍も不安なんだよ。勇気を持ってアプローチをしても、思い描いた理想に事が進まないから。そりゃ神坂が奥手なのかもしれないけど、それでも聖菜は神坂のこと好きなんじゃないの?待ってるんじゃないの?」
「……。」
「あとさ、好きでもなんでもない男とキスしたり寝泊まりなんかしないよ聖菜は。分かってるでしょそのくらい」
……ド正論。全部悪いのはオレだ。オレは本当の聖菜さんの気持ちを理解していなかったんだ。
「あたしさ。初めてハンバーガーショップで2人を見た時、聖菜は神坂のこと本当に好きなんだと思ったよ。あんな幸せそうな聖菜見たことなかったから。だから正直……今、神坂に超ムカついてる」
それを聞いてオレは胸が熱くなる。そして恥ずかしくなる。『未来の奥様』『運命的な何か』そんなものでオレは……。オレが好きなのは今の聖菜さんだし、これからも好きであり続けたい。それがオレの気持ちだ。
だからオレは西城さんに頼む。自分の決心が揺るがないように。そしてそんな臆病者で愚か者にケジメをつけるために。
「なぁ西城さん。前に言ってたよな『聖菜に何かあったら黙っちゃいない』って」
「言った」
「聖菜さんに何かあった。寂しい顔をさせた。そうなったのはオレのせいだ。だから一発ビンタしてくれないか?」
「は?神坂ってドM?」
「もしかしたらそうかもな」
「だから肯定すんなし!」
「オレなりのケジメなんだ。そして勇気が欲しい。オレの背中を押してくれないか?」
「告白前の女子みたいなこと言うじゃん。でも……嫌いじゃないよそういうの。オッケー。それであたしのモヤモヤを解消すっか。」
そして西城さんは食べているアイスを咥えながら、オレの頬に思い切りビンタをする。
パァンッ!と大きな音を立てる。痛い。その容赦ない一発はすごく痛いけどこれで良かったと思う自分もいる。手加減をしなかった西城さんから聖菜さんのことへの真剣さが伝わる。本当に姉貴は友達想いのいい人だ。
「あっ!アイス落ちたし!勢いありすぎたかも」
「痛すぎ。残念ながらドMじゃないみたいだぞ」
「良かったじゃん。知れて」
「ああ。ありがとう西城さん」
「どっちの意味で?」
「どっちもだな」
「あはは。そっか。じゃあ行くか」
「ああ」
そしてオレと西城さんはカラオケ屋に歩き出す。オレは決めた。聖菜さんに告白する。カラオケ屋に着くと聖菜さんと東雲さんが受付の前で待っていた。
「ちょっと遅いわよ何してたの?」
「いやぁアイス食べてたら遅くなっちゃってさ」
「なんでアイスなんか食べてるのよ」
そう言って怒る東雲さん。オレはそんな中、聖菜さんの腕を掴む。
「え?どうしたの優斗君?」
「話があるんだ」
「えっと……」
いつもはいきなり腕なんか掴んだら、からかわれるのだが、オレの真剣な表情を見てさすがに困惑している聖菜さん。
「ごめん。西城さん東雲さん。カラオケはまた今度で。」
そう言ってオレはそのまま聖菜さんの手を引いてカラオケ屋をあとにする。心臓が爆発するくらい高鳴っている。それでもオレは想いを伝えるんだ。聖菜さんのことが好きだから。
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