【たいむりーぷ?】『私。未来であなたの奥様やらせてもらってます!』~隣の席の美少女はオレの奥様らしい。きっと新手の詐欺だと思う……たぶん。~

夕姫

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34. 夏服マジック

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34. 夏服マジック



 季節は夏に向かっている。正直クラスの女子の夏服に透けるブラジャーは目のやり場に困る。そして男子諸君もそう思っているはずだ。たった一枚脱いだだけなのに、ここまで性欲を掻き立てられるなんて恐るべし夏服と透け。そう夏服マジックだ。

「今日も暑いね~おにぃ」

「だな」

 怜奈も例外ではないようで、半袖の制服を着て、スカートも膝上くらいの短さになっている。そしてうちわでパタパタと扇いでいる。

「怜奈。お前スカート短くないそれ?」

「え?こんなの普通だよ。それにこの方が涼しいし」

 ……座りかたによってパンツが見えるんだよ。ったく色気づきやがって。

「オレは兄として心配してやってんの」

「じゃあ別にいいじゃん……ここにいるのはおにぃだし」

「恥じらいを持てと言ってるんだ」

「見たいの私のパンツ」

「んなわけないだろ!」

「別におにぃならいいよ」

「……バカなこと言ってんじゃねぇよ」

 こいつ。最近聖菜さんに似てきやがった。これは由々しき事態だ。

 一応、聖菜さんは『タイムリープ』をしているから精神は38歳なので、あの余裕は分かる。こいつはそんなところだけ真似しやがって。このままだと将来とんでもない女になる。絶対に彼氏なんて作らせないようにしなければ。妊娠とかされたらたまらんし。

 とか朝から疲れるような会話をしてから家を出て学校に向かう。教室に着くと聖菜さんがいた。

「おはよう聖菜さん」

「おはよ優斗君」

 ……今日の聖菜さんはピンクと。うん。まぁ悪くはないと思うけど、オレは黒の方が好きだな。キャミソールを着ているがそのはみ出した肩ヒモで色を当てるオレ。無意識に聖菜さんの胸に視線がいってしまう。何考えてんだオレ。

「こらこら。そこには可愛い顔はないかな。まだ寝ぼけてる?」

「そこに山があれば登るんだよ登山家はさ」

「大丈夫?私のはエベレストより高いよ」

 聖菜さんがエベレストなら他のもっと大きい方はなんなの?とか言うとさすがに聖菜さんに怒られそうだから黙っておく。

「怜奈ちゃん元気になって良かったね」

「ああ。ありがとう聖菜さん」

「可愛い義妹のためですから!」

 と胸を張る聖菜さん。うん。やっぱりエベレストは言いすぎだな。ちょっと揺れた気がする。いかんいかん。これ以上はやめよう。理性警察に逮捕される。

「義妹って話が早すぎじゃね聖菜?」

「私の聖菜が……どんどん変わっていく……」

 そこに西城さんと東雲さんがやってくる。もう西城さんはキャミソールとかで隠さないんだな色は意外にも白か。……胸が大きいし、柔らかそうだし。

「ん?なに神坂?」

「……いやなんでもない」

「あはは。あたしの胸見てたでしょ?女はそう言うの分かるよ?もしかして聖菜と比べた?」

「ちょっと神坂君!?まさか聖菜の可愛い胸を!?」

「待て比べてないぞ!?見てもないし!?」

 いかんいかん。そこに山があれば登るんだよ登山家は。でも登っちゃいけない山もあるんだ!そして横から冷たい視線を感じたのでゆっくり振り向くとジト目の聖菜さんがいた。

「ふーん。その山は……立ち入り禁止だけど。看板が見えないのかな?」

「いや……最近視力が落ちてきてね」

「ふふ。見えなくなったら死ぬまで私が介護してあげるからね?」

「怖すぎ……。聖菜さん……」

 夏服マジックには2度と惑わされないようにしないと。そのあと聖菜さんは1日中膨れていたけど、帰りにアイスを奢ってあげたら機嫌が直ったので良かった。
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