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19. おかげでいい夢見られたよ?
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19. おかげでいい夢見られたよ?
そして土曜日。ついに聖菜さんとのデートの日だ。待ち合わせは駅前に10時。のはずなのに、オレは緊張のあまり、まだ9時なのに駅に着く。
「早すぎだよな……」
「おやおや?そこにいるのは私の愛しの旦那様じゃないですか?」
「え?聖菜さん」
そこには髪型もメイクも服も全ていつもより気合が入っている……気がする聖菜さんがいた。いつもは制服だけど、改めて私服だとまた雰囲気が違う。オレは聖菜さんに見惚れていた。そんなオレを見て聖菜さんはクスクス笑う。
「優斗君。見すぎだよ」
「あ……悪い」
「それにしても早いね」
「思い立ったらすぐ行動するのが持論だからさ」
「なるほど。楽しみで仕方なかったんだね」
「それは聖菜さんもだろ」
「私はすごく楽しみにしてたよ?」
……それはズルい。可愛すぎる。オレは聖菜さんの顔を見れず、駅の方を見ていた。すると聖菜さんはオレの手を握ってくる。
「せ、聖菜さん?」
「手を繋ぐくらいはいいでしょ?今日はデートなんだし」
「あ、ああ……」
今日は手を繋いで歩くのか。オレ……手汗とか大丈夫か?これは慣れるしかないのか?
そしてオレと聖菜さんは電車に乗って映画館に向かった。
オレたちが観るのは最近話題になっている恋愛映画である。原作小説は読んだことないが、ドラマ化もされたことあるやつで、なんでも幼馴染同士のラブストーリーらしい。
チケットを買って、ポップコーンとドリンクを購入してシアターに入る。座席は中央あたりの真ん中辺り。隣同士で座ることになる。
「ふむふむ。優斗君の割にはセンスあるものを選んだね」
「いやオレはセンスの塊だから」
聖菜さんは恋愛物が好き。という情報は昨日西城さんと東雲さんから聞いている。特にこの映画は聖菜さんが観たいと言っていたらしいし。
映画が始まってから数十分。お互い映画に集中していたが、物語がクライマックスに差し掛かる頃、突然聖菜さんがオレの肩にもたれかかってきた。
え?なに?どういう状況?いきなりの出来事で頭がパニックになる。
「すぅー……すぅー……」
寝てる!?いやいやいやいや!なんで!?なんでオレの隣で!? オレの疑問など知らずに聖菜さんはそのままオレの肩でスヤスヤ眠っている。
どうしようか。起こすべきだろうか? 起こすにしてもどうやって? オレは横目でチラッと聖菜さんを見る。綺麗な顔立ちだ。まつ毛長いし、唇の形もいい。
この唇と2回もキスを……そんなことを考えていると、映画の主人公がヒロインの頬に触れて顔を近づけていく。
それに合わせてオレも無意識に聖菜さんの唇に向かって自分の顔を寄せてしまう。そして軽く唇が触れ、ふと我に返る。
「……っ」
すると聖菜さんが目を覚ましてしまう。まだ眠そうな聖菜さん。その姿を見てしまったオレは咄嵯に聖菜さんから離れるが、聖菜さんはゆっくりと起き上がりながら言う。
「ごめん寝ちゃった」
「そ、そうだな」
「……でもね。おかげでいい夢見られたよ?」
「へぇ……どんな夢?」
「え?……ふふ。内緒」
そう言って軽く微笑むと聖菜さんは席を立って、先にシアターを出て行ってしまう。
「……マジかよ」
オレはその場で頭を抱える。絶対にバレてる。しかも今回は聖菜さんからでもなく、からかわれたわけでもなく、間違いなくオレの意思で聖菜さんにキスをしてしまった……。
そして土曜日。ついに聖菜さんとのデートの日だ。待ち合わせは駅前に10時。のはずなのに、オレは緊張のあまり、まだ9時なのに駅に着く。
「早すぎだよな……」
「おやおや?そこにいるのは私の愛しの旦那様じゃないですか?」
「え?聖菜さん」
そこには髪型もメイクも服も全ていつもより気合が入っている……気がする聖菜さんがいた。いつもは制服だけど、改めて私服だとまた雰囲気が違う。オレは聖菜さんに見惚れていた。そんなオレを見て聖菜さんはクスクス笑う。
「優斗君。見すぎだよ」
「あ……悪い」
「それにしても早いね」
「思い立ったらすぐ行動するのが持論だからさ」
「なるほど。楽しみで仕方なかったんだね」
「それは聖菜さんもだろ」
「私はすごく楽しみにしてたよ?」
……それはズルい。可愛すぎる。オレは聖菜さんの顔を見れず、駅の方を見ていた。すると聖菜さんはオレの手を握ってくる。
「せ、聖菜さん?」
「手を繋ぐくらいはいいでしょ?今日はデートなんだし」
「あ、ああ……」
今日は手を繋いで歩くのか。オレ……手汗とか大丈夫か?これは慣れるしかないのか?
そしてオレと聖菜さんは電車に乗って映画館に向かった。
オレたちが観るのは最近話題になっている恋愛映画である。原作小説は読んだことないが、ドラマ化もされたことあるやつで、なんでも幼馴染同士のラブストーリーらしい。
チケットを買って、ポップコーンとドリンクを購入してシアターに入る。座席は中央あたりの真ん中辺り。隣同士で座ることになる。
「ふむふむ。優斗君の割にはセンスあるものを選んだね」
「いやオレはセンスの塊だから」
聖菜さんは恋愛物が好き。という情報は昨日西城さんと東雲さんから聞いている。特にこの映画は聖菜さんが観たいと言っていたらしいし。
映画が始まってから数十分。お互い映画に集中していたが、物語がクライマックスに差し掛かる頃、突然聖菜さんがオレの肩にもたれかかってきた。
え?なに?どういう状況?いきなりの出来事で頭がパニックになる。
「すぅー……すぅー……」
寝てる!?いやいやいやいや!なんで!?なんでオレの隣で!? オレの疑問など知らずに聖菜さんはそのままオレの肩でスヤスヤ眠っている。
どうしようか。起こすべきだろうか? 起こすにしてもどうやって? オレは横目でチラッと聖菜さんを見る。綺麗な顔立ちだ。まつ毛長いし、唇の形もいい。
この唇と2回もキスを……そんなことを考えていると、映画の主人公がヒロインの頬に触れて顔を近づけていく。
それに合わせてオレも無意識に聖菜さんの唇に向かって自分の顔を寄せてしまう。そして軽く唇が触れ、ふと我に返る。
「……っ」
すると聖菜さんが目を覚ましてしまう。まだ眠そうな聖菜さん。その姿を見てしまったオレは咄嵯に聖菜さんから離れるが、聖菜さんはゆっくりと起き上がりながら言う。
「ごめん寝ちゃった」
「そ、そうだな」
「……でもね。おかげでいい夢見られたよ?」
「へぇ……どんな夢?」
「え?……ふふ。内緒」
そう言って軽く微笑むと聖菜さんは席を立って、先にシアターを出て行ってしまう。
「……マジかよ」
オレはその場で頭を抱える。絶対にバレてる。しかも今回は聖菜さんからでもなく、からかわれたわけでもなく、間違いなくオレの意思で聖菜さんにキスをしてしまった……。
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