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18. 姉貴とチャッカマン
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18. 姉貴とチャッカマン
今日は金曜日。明日はこの前聖菜さんと約束した映画を観に行く日だ。ある意味初デートである。
今からでも緊張しているが、それと同じく楽しみでもある。こんな気持ちになるなんてオレも成長しているのかもしれない。そんなことを考えていると隣の席の聖菜さんが話しかけてくる。
「ご機嫌だね優斗君」
「いやぁ映画が楽しみで楽しみで仕方なくてな」
「映画に誘ったのは私だよ」
「あれそうだっけ?オレの記憶違いかな。聖菜さん『タイムリープ』してるんじゃない?」
「素直じゃないね。私とのデートが楽しみって言えばいいのに」
聖菜さんはいつものようにクスクスと笑っている。
「まぁそんなに楽しみなら明日のエスコートは任せますよ旦那様」
「おっおう!任せとけ!」
「おっこれは期待できるね」
そして放課後。オレは日直の仕事をして学校に残っていた。聖菜さんに任せとけとは言ったものの、オレは女の子とデートなんてしたことないし、そもそも聖菜さんのこと何も知らない。唯一分かるのは、将来オレの奥様になると言うことだけ。どうしたもんかな……。
「神坂君。終わったかしら?」
「ああ。ゴメン。もう終わる」
「じゃあ私は帰る準備をするわね」
もう一人の日直の東雲さんが帰り支度を始める。ん?待てよ。東雲さんは聖菜さんの親友だよな。これは相談するべきでは?
「あのさ東雲さん」
「なにかしら」
「聖菜さんのことなんだけど……」
オレがそう言うと一瞬身体がピクッとなって、スマホで誰かにメッセージを送り始める。
「あの……」
「神坂君。ちょっと付き合ってもらえるかしら?」
「はい?」
そのまま学校を出て、駅近くのカフェに入る。するとそこには西城さんがいた。
「よっ神坂」
「なんで西城さんが?」
「あたしも呼ばれたんだけど舞子に。なんか緊急事態とかで」
「緊急事態?」
「そこに座って神坂君」
オレは促されるままに席につく。目の前には西城さんと東雲さん。隣に聖菜さんこそいないが、この前のハンバーガーショップの再来なんだが。
「さて尋問を始めるわ」
「尋問!?」
オレ何かしたのか!?
「そうよ。神坂君。あなたいつから高宮さんじゃなく聖菜さんって呼ぶようになったの?詳しく説明して」
「いや……まぁ成り行きで……」
「そんなわけないでしょ!」
バンッと大きな音を立てるテーブル。おいおい穏やかじゃないよ東雲さん。それを聞いた西城さんが話し始める。
「あはは。ならヤったんじゃない?この前コンドーム買ってたもんね神坂。いやぁ聖菜にも春がきたかぁ。先越されたなぁ」
「余計なこと言わないでくれ西城さん。ヤってないからさ」
「そうなの?ダメじゃん神坂!ダサッ!」
「ヤってたら今すぐ殺してたわ」
ケラケラ笑っている西城さんと殺意剥き出しで獰猛な東雲さん。この状況地獄なんだけど……。
「まぁまぁ落ち着きなよ舞子。最近の聖菜楽しそうじゃん?それって神坂のおかげだと思うんだよねあたし」
「それは……そうかもしれないけど」
「もうあたしたちがそこまで気にしなくても聖菜は大丈夫だよ。もちろん聖菜に何かあったらあたしだって黙っちゃいないけどさ?」
西城さんって本当に全然イメージと違う。すごくいい人なんだけどさ。もう姉貴って呼んでいいですか?
「それより神坂。明日この前のお詫びに聖菜を映画デートに誘ったんだって?やるじゃん」
「え?そうだったの?確かにあの時は私と彩音が邪魔したものね。そこまで聖菜のこと考えていたなんて……ごめんなさい神坂君」
……東雲さんもイメージと全然違う。普段クールな割に、この人聖菜さんのことになるとチャッカマンみたいにすぐ燃えるじゃん。でもすぐ冷めるし。
2人共タイプは違うけど聖菜さんのことを心配しているのはすごく伝わった。まぁとにかく収まって良かった。オレはそのあと2人に聖菜さんのことを色々聞いた。その時の2人はとても楽しそうに聖菜さんの話をしてくれた。
「こんなもんかな。まぁ何かあればあたしらに相談してくれれば力になるよ。だからさ……聖菜を頼んだよ?」
「ああ」
「ならよし!ほら行くぞ舞子」
「ちょっ引っ張らないでよ」
そのまま西城さんは、東雲さんの腕を引っ張って帰っていった。親友か。ぼっちのオレには少しうらやましくもあるのだった。
今日は金曜日。明日はこの前聖菜さんと約束した映画を観に行く日だ。ある意味初デートである。
今からでも緊張しているが、それと同じく楽しみでもある。こんな気持ちになるなんてオレも成長しているのかもしれない。そんなことを考えていると隣の席の聖菜さんが話しかけてくる。
「ご機嫌だね優斗君」
「いやぁ映画が楽しみで楽しみで仕方なくてな」
「映画に誘ったのは私だよ」
「あれそうだっけ?オレの記憶違いかな。聖菜さん『タイムリープ』してるんじゃない?」
「素直じゃないね。私とのデートが楽しみって言えばいいのに」
聖菜さんはいつものようにクスクスと笑っている。
「まぁそんなに楽しみなら明日のエスコートは任せますよ旦那様」
「おっおう!任せとけ!」
「おっこれは期待できるね」
そして放課後。オレは日直の仕事をして学校に残っていた。聖菜さんに任せとけとは言ったものの、オレは女の子とデートなんてしたことないし、そもそも聖菜さんのこと何も知らない。唯一分かるのは、将来オレの奥様になると言うことだけ。どうしたもんかな……。
「神坂君。終わったかしら?」
「ああ。ゴメン。もう終わる」
「じゃあ私は帰る準備をするわね」
もう一人の日直の東雲さんが帰り支度を始める。ん?待てよ。東雲さんは聖菜さんの親友だよな。これは相談するべきでは?
「あのさ東雲さん」
「なにかしら」
「聖菜さんのことなんだけど……」
オレがそう言うと一瞬身体がピクッとなって、スマホで誰かにメッセージを送り始める。
「あの……」
「神坂君。ちょっと付き合ってもらえるかしら?」
「はい?」
そのまま学校を出て、駅近くのカフェに入る。するとそこには西城さんがいた。
「よっ神坂」
「なんで西城さんが?」
「あたしも呼ばれたんだけど舞子に。なんか緊急事態とかで」
「緊急事態?」
「そこに座って神坂君」
オレは促されるままに席につく。目の前には西城さんと東雲さん。隣に聖菜さんこそいないが、この前のハンバーガーショップの再来なんだが。
「さて尋問を始めるわ」
「尋問!?」
オレ何かしたのか!?
「そうよ。神坂君。あなたいつから高宮さんじゃなく聖菜さんって呼ぶようになったの?詳しく説明して」
「いや……まぁ成り行きで……」
「そんなわけないでしょ!」
バンッと大きな音を立てるテーブル。おいおい穏やかじゃないよ東雲さん。それを聞いた西城さんが話し始める。
「あはは。ならヤったんじゃない?この前コンドーム買ってたもんね神坂。いやぁ聖菜にも春がきたかぁ。先越されたなぁ」
「余計なこと言わないでくれ西城さん。ヤってないからさ」
「そうなの?ダメじゃん神坂!ダサッ!」
「ヤってたら今すぐ殺してたわ」
ケラケラ笑っている西城さんと殺意剥き出しで獰猛な東雲さん。この状況地獄なんだけど……。
「まぁまぁ落ち着きなよ舞子。最近の聖菜楽しそうじゃん?それって神坂のおかげだと思うんだよねあたし」
「それは……そうかもしれないけど」
「もうあたしたちがそこまで気にしなくても聖菜は大丈夫だよ。もちろん聖菜に何かあったらあたしだって黙っちゃいないけどさ?」
西城さんって本当に全然イメージと違う。すごくいい人なんだけどさ。もう姉貴って呼んでいいですか?
「それより神坂。明日この前のお詫びに聖菜を映画デートに誘ったんだって?やるじゃん」
「え?そうだったの?確かにあの時は私と彩音が邪魔したものね。そこまで聖菜のこと考えていたなんて……ごめんなさい神坂君」
……東雲さんもイメージと全然違う。普段クールな割に、この人聖菜さんのことになるとチャッカマンみたいにすぐ燃えるじゃん。でもすぐ冷めるし。
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「こんなもんかな。まぁ何かあればあたしらに相談してくれれば力になるよ。だからさ……聖菜を頼んだよ?」
「ああ」
「ならよし!ほら行くぞ舞子」
「ちょっ引っ張らないでよ」
そのまま西城さんは、東雲さんの腕を引っ張って帰っていった。親友か。ぼっちのオレには少しうらやましくもあるのだった。
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