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13. 2000円で牛乳を買う
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13. 2000円で牛乳を買う
ガチャリと扉が開かれる。そこには制服姿の怜奈がいた。そして目が合う。
「おかえり怜奈」
「ただいま……あ。」
「初めまして。私は高宮聖菜って言います。よろしくね怜奈ちゃん」
「本当に……おにぃの彼女なの?」
「おっおう!だから言っただろう!」
「私のアイスが……」
間一髪、高宮さんはオレを離してくれたので急いで起き上がることには成功した。というよりギリギリ焦っているオレを見て楽しんでいたようにしか思えない。
「怜奈ちゃん。アイスってなぁに?」
「え?あの……失礼かもしれないんですけど、おにぃが身長がこのくらいで、黒髪のロングの超絶美少女の彼女を連れて来なかったら、おにぃが今年いっぱいアイス奢ることになってて……」
「ならアイスは食べれるね」
「え?」
「私と神坂君はお付き合いしてないし」
「高宮さん!?」
突然の裏切りに驚くオレ。すると今度は怜奈が不敵な笑みを浮かべた。
「ほう。おにぃの彼女じゃないんだ」
「嘘はダメだなぁ神坂君」
「裏切ったな高宮さん……」
「じゃあおにぃと聖菜さんはお友達ってこと?」
「それも違うかな」
「え?じゃあ……なに?」
「深い関係?」
そう言って高宮さんは妖艶な笑みを見せる。その瞬間、オレは察した。これは絶対にからかわれていると。そんなことを聞かされた中学生の怜奈はすごく動揺しているが興味津々の様子でもある。このマセガキが。
「え?え?え?深い関係?それってつまりセ……むぐっ」
慌ててオレは怜奈の口を塞いだ。危ない……これ以上はまずい。オレの愛しき妹の口からは聞きたくない。
「そんなわけないだろ!ほら!高宮さんもなんか言ってくれよ」
「ふふ。冗談だよ。でも私はかなり好意があるんだけどね?」
「好意!?むぐっ」
「お前は黙ってろ」
そのあとは用はすんだので怜奈は自分の部屋に戻っていく。アイス問題は残ってしまったし、なんか……これただ怜奈に高宮さんを紹介しただけになってないか?どっちが策士だよ。オレが高宮さんを見るとニコニコしている。またその顔が可愛すぎる。
「とりあえず高宮さんありがとな。駅まで送っていくよ」
オレがそう言うと高宮さんは少し考えてから爆弾を投下してくる。
「必要なくなったら、すぐにサヨナラなんだぁ。酷いなぁ。神坂君って男は」
「は?」
「せっかくだからお泊まりしようかなぁ?」
「いや……高宮さんのご両親が……」
「あれ?言ってなかった?私は一人暮らしだよ」
「泊まるって明日学校だよ?」
「それなら一緒に登校できるね」
「それに着替えとかないだろ?」
「下着は買えばいいし、私身長低いから怜奈ちゃんのパジャマでも着れると思うよ」
「いや、でも……」
「私、今日は神坂君の彼女だよね?」
「さっき思い切り否定してたけど。もしかしてオレ『タイムリープ』した?」
「したことにするのも旦那様の務めだよ神坂君」
まったく。本当に勝てる気がしない。まぁ確かにまだ高校生だし、夜遅い時間に女性一人で帰らせるのは抵抗はある。……それに一応オレの未来の奥様らしいしな。
怜奈にも事情を説明したら、なぜかすごく喜んでいた。おそらく、深い関係ってのを聞きたいんだろう。本当に思春期のマセガキは困る。
そして今、オレの目の前には仲良くカレーを作っている高宮さんと怜奈の姿がある。すると怜奈がこちらに来て2000円を出す。
「おにぃ。牛乳買ってきてくれない?」
「牛乳なら予備があるだろ」
オレがそう言うと手招きして耳元で話す。
「空気読んでよ!おにぃ彼女なんていたことないし童貞だから、どうせ持ってないでしょ」
「なにが」
「コンドーム」
……このマセガキ。しかもなぜかニヤニヤしてるのがまたムカつく。年子とは言え、お前はオレの妹だぞ?変なマウント取るなよ。
「余計なお世話だ。そんなのいらないから安心しろ」
「いらない!?ヤバッ!?」
めちゃくちゃ大きい声でしかも生まれて初めて聞いた妹の裏返った声がリビングに響く。その声を聞いて、高宮さんは不思議そうにこちらを見ている。ダメだ。もうあとには引けない。
「おっおお!ちょうど買いにいこうと思ってたんだよ!それじゃ行ってくるな!」
オレは怜奈から2000円を勢い良く奪い取りリビングをあとにする。後ろを振り返ると怜奈がウインクしながら親指を立てていた。ウザすぎるぞ我が妹よ。
こうしてオレは使う予定のないと思われるコンドームと牛乳を買いに外に出るのだった。
ガチャリと扉が開かれる。そこには制服姿の怜奈がいた。そして目が合う。
「おかえり怜奈」
「ただいま……あ。」
「初めまして。私は高宮聖菜って言います。よろしくね怜奈ちゃん」
「本当に……おにぃの彼女なの?」
「おっおう!だから言っただろう!」
「私のアイスが……」
間一髪、高宮さんはオレを離してくれたので急いで起き上がることには成功した。というよりギリギリ焦っているオレを見て楽しんでいたようにしか思えない。
「怜奈ちゃん。アイスってなぁに?」
「え?あの……失礼かもしれないんですけど、おにぃが身長がこのくらいで、黒髪のロングの超絶美少女の彼女を連れて来なかったら、おにぃが今年いっぱいアイス奢ることになってて……」
「ならアイスは食べれるね」
「え?」
「私と神坂君はお付き合いしてないし」
「高宮さん!?」
突然の裏切りに驚くオレ。すると今度は怜奈が不敵な笑みを浮かべた。
「ほう。おにぃの彼女じゃないんだ」
「嘘はダメだなぁ神坂君」
「裏切ったな高宮さん……」
「じゃあおにぃと聖菜さんはお友達ってこと?」
「それも違うかな」
「え?じゃあ……なに?」
「深い関係?」
そう言って高宮さんは妖艶な笑みを見せる。その瞬間、オレは察した。これは絶対にからかわれていると。そんなことを聞かされた中学生の怜奈はすごく動揺しているが興味津々の様子でもある。このマセガキが。
「え?え?え?深い関係?それってつまりセ……むぐっ」
慌ててオレは怜奈の口を塞いだ。危ない……これ以上はまずい。オレの愛しき妹の口からは聞きたくない。
「そんなわけないだろ!ほら!高宮さんもなんか言ってくれよ」
「ふふ。冗談だよ。でも私はかなり好意があるんだけどね?」
「好意!?むぐっ」
「お前は黙ってろ」
そのあとは用はすんだので怜奈は自分の部屋に戻っていく。アイス問題は残ってしまったし、なんか……これただ怜奈に高宮さんを紹介しただけになってないか?どっちが策士だよ。オレが高宮さんを見るとニコニコしている。またその顔が可愛すぎる。
「とりあえず高宮さんありがとな。駅まで送っていくよ」
オレがそう言うと高宮さんは少し考えてから爆弾を投下してくる。
「必要なくなったら、すぐにサヨナラなんだぁ。酷いなぁ。神坂君って男は」
「は?」
「せっかくだからお泊まりしようかなぁ?」
「いや……高宮さんのご両親が……」
「あれ?言ってなかった?私は一人暮らしだよ」
「泊まるって明日学校だよ?」
「それなら一緒に登校できるね」
「それに着替えとかないだろ?」
「下着は買えばいいし、私身長低いから怜奈ちゃんのパジャマでも着れると思うよ」
「いや、でも……」
「私、今日は神坂君の彼女だよね?」
「さっき思い切り否定してたけど。もしかしてオレ『タイムリープ』した?」
「したことにするのも旦那様の務めだよ神坂君」
まったく。本当に勝てる気がしない。まぁ確かにまだ高校生だし、夜遅い時間に女性一人で帰らせるのは抵抗はある。……それに一応オレの未来の奥様らしいしな。
怜奈にも事情を説明したら、なぜかすごく喜んでいた。おそらく、深い関係ってのを聞きたいんだろう。本当に思春期のマセガキは困る。
そして今、オレの目の前には仲良くカレーを作っている高宮さんと怜奈の姿がある。すると怜奈がこちらに来て2000円を出す。
「おにぃ。牛乳買ってきてくれない?」
「牛乳なら予備があるだろ」
オレがそう言うと手招きして耳元で話す。
「空気読んでよ!おにぃ彼女なんていたことないし童貞だから、どうせ持ってないでしょ」
「なにが」
「コンドーム」
……このマセガキ。しかもなぜかニヤニヤしてるのがまたムカつく。年子とは言え、お前はオレの妹だぞ?変なマウント取るなよ。
「余計なお世話だ。そんなのいらないから安心しろ」
「いらない!?ヤバッ!?」
めちゃくちゃ大きい声でしかも生まれて初めて聞いた妹の裏返った声がリビングに響く。その声を聞いて、高宮さんは不思議そうにこちらを見ている。ダメだ。もうあとには引けない。
「おっおお!ちょうど買いにいこうと思ってたんだよ!それじゃ行ってくるな!」
オレは怜奈から2000円を勢い良く奪い取りリビングをあとにする。後ろを振り返ると怜奈がウインクしながら親指を立てていた。ウザすぎるぞ我が妹よ。
こうしてオレは使う予定のないと思われるコンドームと牛乳を買いに外に出るのだった。
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