8 / 85
8. 運命的な何か?
しおりを挟む
8. 運命的な何か?
今オレの目の前には西城さんと東雲さん。そして隣には高宮さんが座っている。完全に囲まれている。まるで肉食のライオンに狙われたシマウマだ。ここはサバンナだ。オレは今猛獣に囲まれてるんだ。
「っで。聖菜はなんで神坂とデートしてんの?」
ジト目で見ながら西城さんが切り出す。いきなり本題がきたんだけど!?
「隣の席ってだけでそんなに仲がいいとは私も思わなかった。説明してほしいわ」
そして少し不服そうに東雲さんも口を開く。オレは高宮さんの方を向くが、高宮さんはニコニコしながら何も言わない。高宮さん、頼むから何か話してくれよ……。
「ん?なんで私の方見るのかな?」
「なんでってあんたのことでしょ?」
「そうよ聖菜。どう見ても共通の趣味とかあるようには見えないし説明して」
「えぇ……私がクラスの男の子と親睦を深めたらおかしい?」
「「おかしい」」
西城さんと東雲さんは声を揃えて言う。そんな息ぴったりなのかよ。オレはというとこの状況をどうにか打破できないか考えているが、そもそも人と関わることなんて今までほとんどなかったしオレには無理な話だ。
「おかしいのかな?どう思う神坂君?」
そして高宮さんはオレに話を振る。いや今話を振られてもオレには何の武器もないよ高宮さん!?
「え?いや……オレは高宮さんに誘われただけだし」
「そうやってこの可愛い美少女の私に全部押し付けるんだね……酷いなぁ~」
「事実でしょ」
「事実なら何でも言っていいのかな?んん?」
「……それは卑怯だぞ高宮さん」
「時には、ずる賢く生きることも必要な時があるのだよ神坂君」
そんなオレと高宮さんのやり取りを見て溜め息をつきながら西城さんが話す。
「なに?2人は付き合ってんの?」
「付き合ってはいないね」
「はぁ?もしかしてヤったの?」
「どうなのかな?神坂君?」
「ヤってないでしょ!変に誤解されるからやめてくれ高宮さん」
質問の度にオレに振る高宮さん。勘弁してくれ心臓が持たないんだが……。
「じゃあどういう関係なの?なんか仲良さそうだけど、一応友達としてあたしも舞子も心配してるんだから教えなよ聖菜」
「どういう関係って……運命的な何か?」
「……どうなの神坂?」
なんでオレに矛先がくるんだよ!?高宮さんは相変わらず笑顔を崩さない。ダメだ。オレには何1ついい考えが思い付かない。もうやけだ!ここは高宮さんに乗るしかない!
「そうなんだ。運命的な何かなんだよ」
「……なにが?」
「それは……言葉に出来ないというか、オレと高宮さんにしか分からない波長というか。スピリチュアル的な一致というか。長年連れ添った夫婦的な?」
「ぶっ飛んでて話が分からないんだけど。こいつ頭大丈夫なの聖菜?」
……オレも言ってて分からないんだけど。
「ふふ。本当に面白いなぁ神坂君は」
「面白い?あー聖菜は、神坂君とは夫婦漫才みたいな感じで楽しいから一緒にいたのね理解したわ」
理解するなよ。まったく意味が分からない解釈なんだが。
「夫婦漫才?夫婦?……うん。それで合ってるよ舞子ちゃん」
「まぁ……よく分からないけど、聖菜もなんか楽しそうだし、別にいいんじゃない?」
「聖菜が神坂君といて楽しいなら問題はないわね」
なぜか知らないけど、2人は納得しているようだ。耐えたんだろうか。
「じゃああたしたちも注文してくるわ」
そう言って西城さんと東雲さんは一度席を外す。オレは大きく溜め息をつく。そんなオレの様子を見ながら高宮さんはクスクス笑う。
「いやぁ危機管理能力が高いですな神坂君は?」
「どこがだよ。とりあえず耐えたが、余計なことは言わないでくれよ高宮さん?」
「……余計なこと?キスしたこととか?ラブホに泊まったこととかかな?」
「ちょっ!」
「事実だよ?」
「……そうやって未来の旦那様をからかって楽しいのかよ?」
「ふふ。楽しいよ?」
「……子供の性格が悪くならないように祈らないとな」
「ふふ。酷いなぁ神坂君は。でも女の子はパパに似るって言うから大丈夫じゃない?」
そう首を傾げながら唇に人差し指を添える高宮さん。そんな仕草も可愛らしく見えてしまう。唇はやめてくれ……昨日のファーストキスを思い出すから。オレは身体が熱くなる。本当に……高宮さんは不思議な人だ。
今オレの目の前には西城さんと東雲さん。そして隣には高宮さんが座っている。完全に囲まれている。まるで肉食のライオンに狙われたシマウマだ。ここはサバンナだ。オレは今猛獣に囲まれてるんだ。
「っで。聖菜はなんで神坂とデートしてんの?」
ジト目で見ながら西城さんが切り出す。いきなり本題がきたんだけど!?
「隣の席ってだけでそんなに仲がいいとは私も思わなかった。説明してほしいわ」
そして少し不服そうに東雲さんも口を開く。オレは高宮さんの方を向くが、高宮さんはニコニコしながら何も言わない。高宮さん、頼むから何か話してくれよ……。
「ん?なんで私の方見るのかな?」
「なんでってあんたのことでしょ?」
「そうよ聖菜。どう見ても共通の趣味とかあるようには見えないし説明して」
「えぇ……私がクラスの男の子と親睦を深めたらおかしい?」
「「おかしい」」
西城さんと東雲さんは声を揃えて言う。そんな息ぴったりなのかよ。オレはというとこの状況をどうにか打破できないか考えているが、そもそも人と関わることなんて今までほとんどなかったしオレには無理な話だ。
「おかしいのかな?どう思う神坂君?」
そして高宮さんはオレに話を振る。いや今話を振られてもオレには何の武器もないよ高宮さん!?
「え?いや……オレは高宮さんに誘われただけだし」
「そうやってこの可愛い美少女の私に全部押し付けるんだね……酷いなぁ~」
「事実でしょ」
「事実なら何でも言っていいのかな?んん?」
「……それは卑怯だぞ高宮さん」
「時には、ずる賢く生きることも必要な時があるのだよ神坂君」
そんなオレと高宮さんのやり取りを見て溜め息をつきながら西城さんが話す。
「なに?2人は付き合ってんの?」
「付き合ってはいないね」
「はぁ?もしかしてヤったの?」
「どうなのかな?神坂君?」
「ヤってないでしょ!変に誤解されるからやめてくれ高宮さん」
質問の度にオレに振る高宮さん。勘弁してくれ心臓が持たないんだが……。
「じゃあどういう関係なの?なんか仲良さそうだけど、一応友達としてあたしも舞子も心配してるんだから教えなよ聖菜」
「どういう関係って……運命的な何か?」
「……どうなの神坂?」
なんでオレに矛先がくるんだよ!?高宮さんは相変わらず笑顔を崩さない。ダメだ。オレには何1ついい考えが思い付かない。もうやけだ!ここは高宮さんに乗るしかない!
「そうなんだ。運命的な何かなんだよ」
「……なにが?」
「それは……言葉に出来ないというか、オレと高宮さんにしか分からない波長というか。スピリチュアル的な一致というか。長年連れ添った夫婦的な?」
「ぶっ飛んでて話が分からないんだけど。こいつ頭大丈夫なの聖菜?」
……オレも言ってて分からないんだけど。
「ふふ。本当に面白いなぁ神坂君は」
「面白い?あー聖菜は、神坂君とは夫婦漫才みたいな感じで楽しいから一緒にいたのね理解したわ」
理解するなよ。まったく意味が分からない解釈なんだが。
「夫婦漫才?夫婦?……うん。それで合ってるよ舞子ちゃん」
「まぁ……よく分からないけど、聖菜もなんか楽しそうだし、別にいいんじゃない?」
「聖菜が神坂君といて楽しいなら問題はないわね」
なぜか知らないけど、2人は納得しているようだ。耐えたんだろうか。
「じゃああたしたちも注文してくるわ」
そう言って西城さんと東雲さんは一度席を外す。オレは大きく溜め息をつく。そんなオレの様子を見ながら高宮さんはクスクス笑う。
「いやぁ危機管理能力が高いですな神坂君は?」
「どこがだよ。とりあえず耐えたが、余計なことは言わないでくれよ高宮さん?」
「……余計なこと?キスしたこととか?ラブホに泊まったこととかかな?」
「ちょっ!」
「事実だよ?」
「……そうやって未来の旦那様をからかって楽しいのかよ?」
「ふふ。楽しいよ?」
「……子供の性格が悪くならないように祈らないとな」
「ふふ。酷いなぁ神坂君は。でも女の子はパパに似るって言うから大丈夫じゃない?」
そう首を傾げながら唇に人差し指を添える高宮さん。そんな仕草も可愛らしく見えてしまう。唇はやめてくれ……昨日のファーストキスを思い出すから。オレは身体が熱くなる。本当に……高宮さんは不思議な人だ。
0
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。
ながしょー
青春
ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。
このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。


切り札の男
古野ジョン
青春
野球への未練から、毎日のようにバッティングセンターに通う高校一年生の久保雄大。
ある日、野球部のマネージャーだという滝川まなに野球部に入るよう頼まれる。
理由を聞くと、「三年の兄をプロ野球選手にするため、少しでも大会で勝ち上がりたい」のだという。
そんな簡単にプロ野球に入れるわけがない。そう思った久保は、つい彼女と口論してしまう。
その結果、「兄の球を打ってみろ」とけしかけられてしまった。
彼はその挑発に乗ってしまうが……
小説家になろう・カクヨム・ハーメルンにも掲載しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる