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プロローグ 出会いと前日譚
5. 冒険者登録
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5. 冒険者登録
あれから3日後。サーシャはついに王都にたどり着くことができた。だいぶ遠回りをしたけどね……。
「ここが王都かぁ……!すごい!アルハイム国とは全然違う!」
サーシャは初めて見る光景に感動していた。だが、感動している場合ではない。これからどうするかを考えなければ。とりあえずギルドを探してほしいんだけどな……。私としては。
「まずはアイリス様も言ってたけど、ギルドを探さないと!」
良かった。サーシャは目的を忘れていないみたいね。しばらく歩いていると目の前に大きな建物が現れた。看板には『冒険者ギルド』と書かれている。
「あったわ!ここで間違いないよね。」
サーシャは早速中へと入っていく。中に入るとそこには大勢の人で賑わっていた。みんな武器や防具を装備しているので、おそらく依頼をこなしに来たのだろう。そして受付のお姉さんがいるカウンターの方へ向かう。
「すみません。こちらの冒険者ギルドへ登録したいんですが……」
「はい。わかりました。ではこちらの登録用紙に記入してください。」
サーシャが嬉しそうに記入をしていると2人組の男の冒険者が話しかけてきた。
「おいおい。ここは遊び場じゃねぇぞ?早く家に帰りな嬢ちゃん。」
「あぁそうだぜぇ。お前みたいな女がくる場所じゃないんだぜ?」
「なっ何ですかあなたたちは!」
2人はニヤニヤしながら言った。こういう輩はどの時代でもいるのね。私が魔法で一捻りにしてあげたいけど、それは叶わない。今はサーシャの腰に差さっているただの『アイアンソード』だからさ。
「しかも武器はそのアイアンソードかよ?死ぬのがオチじゃねぇのか?ギャハハ!!」
「確かにな!!こんなひょろっちぃ剣で魔物なんか倒せるわけがないだろ!?」
男たちは大声で笑い出した。そんな様子に周りの人たちは冷たい目線を送っていた。それはその男たちの言っていることを肯定しているようなもの。しかも、たった15歳の少女がギルド冒険者登録しているんだものね。それを聞いたサーシャはムッとしながら反論する。
「うるさいわね……この『アイアンソード』は私の相棒なんだから!バカにするんじゃないわよ!!」
「相棒だぁ~?笑わせてくれるぜ!」
「威勢だけはいいみたいだな!!お嬢ちゃん。なら相棒を壊してやるよ!」
男は手を伸ばしてサーシャの腰に差さっている私を無理矢理奪おうとする。いやーん。やめてぇ~!と思った時一人の男が止めに入る。
「うるせぇぞ。恥ずかしくないのかそんな少女に絡んで?」
「ああ?落ちこぼれのヴェインじゃねぇか?何か用か?」
「別に。その子が困ってるように見えたんでな。」
ヴェインと呼ばれた男は屈強な身体つきをしていた。サーシャを助けてくれたようだ。
「へっ!相変わらず弱い奴を守る騎士様気取りかい?」
「そんな大層なものじゃない。」
「けっ!よく言うぜ。まぁいい。せいぜい死なないようになアイアンソードのお嬢ちゃんよぉ?」
男たちはギルドから出て行った。その様子を見ながらヴェインはサーシャに声をかけた。
「大丈夫だったか?」
「はい。助けてくれてありがとうございます。」
「あまりこのギルドを悪く思わないでくれ。それと頑張れな」
ヴェインが立ち去ろうとしたその時、サーシャは呼び止めた。
「あの!待ってください!」
「ん?まだオレに用があるのか?」
「はい。えっとですね……冒険者として仲間になって欲しいんです。私その……何も分からないし、剣だって振るったことないです。それでも強くならなくちゃいけないんです!お願いします!」
「なるほど……。だが、オレには無理だ。悪いな……他を当たってくれ」
サーシャは必死に訴えたがダメだった。何かこの人にも理由があるのかもしれないわね……。
サーシャはその後ギルドの説明を受けて魔物討伐の依頼を受けるようね?うーん。かなり落ち込んでて可哀想になってきたわね……。仕方ないわね。ここは私が励ましてあげるしかないか。
あれから3日後。サーシャはついに王都にたどり着くことができた。だいぶ遠回りをしたけどね……。
「ここが王都かぁ……!すごい!アルハイム国とは全然違う!」
サーシャは初めて見る光景に感動していた。だが、感動している場合ではない。これからどうするかを考えなければ。とりあえずギルドを探してほしいんだけどな……。私としては。
「まずはアイリス様も言ってたけど、ギルドを探さないと!」
良かった。サーシャは目的を忘れていないみたいね。しばらく歩いていると目の前に大きな建物が現れた。看板には『冒険者ギルド』と書かれている。
「あったわ!ここで間違いないよね。」
サーシャは早速中へと入っていく。中に入るとそこには大勢の人で賑わっていた。みんな武器や防具を装備しているので、おそらく依頼をこなしに来たのだろう。そして受付のお姉さんがいるカウンターの方へ向かう。
「すみません。こちらの冒険者ギルドへ登録したいんですが……」
「はい。わかりました。ではこちらの登録用紙に記入してください。」
サーシャが嬉しそうに記入をしていると2人組の男の冒険者が話しかけてきた。
「おいおい。ここは遊び場じゃねぇぞ?早く家に帰りな嬢ちゃん。」
「あぁそうだぜぇ。お前みたいな女がくる場所じゃないんだぜ?」
「なっ何ですかあなたたちは!」
2人はニヤニヤしながら言った。こういう輩はどの時代でもいるのね。私が魔法で一捻りにしてあげたいけど、それは叶わない。今はサーシャの腰に差さっているただの『アイアンソード』だからさ。
「しかも武器はそのアイアンソードかよ?死ぬのがオチじゃねぇのか?ギャハハ!!」
「確かにな!!こんなひょろっちぃ剣で魔物なんか倒せるわけがないだろ!?」
男たちは大声で笑い出した。そんな様子に周りの人たちは冷たい目線を送っていた。それはその男たちの言っていることを肯定しているようなもの。しかも、たった15歳の少女がギルド冒険者登録しているんだものね。それを聞いたサーシャはムッとしながら反論する。
「うるさいわね……この『アイアンソード』は私の相棒なんだから!バカにするんじゃないわよ!!」
「相棒だぁ~?笑わせてくれるぜ!」
「威勢だけはいいみたいだな!!お嬢ちゃん。なら相棒を壊してやるよ!」
男は手を伸ばしてサーシャの腰に差さっている私を無理矢理奪おうとする。いやーん。やめてぇ~!と思った時一人の男が止めに入る。
「うるせぇぞ。恥ずかしくないのかそんな少女に絡んで?」
「ああ?落ちこぼれのヴェインじゃねぇか?何か用か?」
「別に。その子が困ってるように見えたんでな。」
ヴェインと呼ばれた男は屈強な身体つきをしていた。サーシャを助けてくれたようだ。
「へっ!相変わらず弱い奴を守る騎士様気取りかい?」
「そんな大層なものじゃない。」
「けっ!よく言うぜ。まぁいい。せいぜい死なないようになアイアンソードのお嬢ちゃんよぉ?」
男たちはギルドから出て行った。その様子を見ながらヴェインはサーシャに声をかけた。
「大丈夫だったか?」
「はい。助けてくれてありがとうございます。」
「あまりこのギルドを悪く思わないでくれ。それと頑張れな」
ヴェインが立ち去ろうとしたその時、サーシャは呼び止めた。
「あの!待ってください!」
「ん?まだオレに用があるのか?」
「はい。えっとですね……冒険者として仲間になって欲しいんです。私その……何も分からないし、剣だって振るったことないです。それでも強くならなくちゃいけないんです!お願いします!」
「なるほど……。だが、オレには無理だ。悪いな……他を当たってくれ」
サーシャは必死に訴えたがダメだった。何かこの人にも理由があるのかもしれないわね……。
サーシャはその後ギルドの説明を受けて魔物討伐の依頼を受けるようね?うーん。かなり落ち込んでて可哀想になってきたわね……。仕方ないわね。ここは私が励ましてあげるしかないか。
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