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36. 意気投合
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36. 意気投合
そして夏休み最初の週末。ボクは待ち合わせ場所である駅前の広場に立っている。今回のコミケは前回のコミケとは違い、大きな会場で行われている。
「前髪……OK……服装……OK……うん大丈夫」
広場にある鏡張りのオブジェの前で、今日3回目の身だしなみを確認する。何度確認しても不安は取り除けないけど、これは自業自得だから仕方ないと諦める。いつかはこの時が来ると薄々分かっていたんだから……そしてその時がやってくる。
「雪姫ちゃん。おはよう」
「あ。おはよう葵ちゃん」
「紹介するね、私の親友で東城千夏ちゃんと新島由香里ちゃん」
「写真のまんまじゃん。よろしく」
「初めまして。いつも葵ちゃんがお世話になってます」
「白井雪姫です。初めまして」
そう言ってボクは頭を下げる。大丈夫バレてない。どこからどうみても女の子のはず!
そんな恐怖心と戦いながら、細心の注意を払って挨拶をする。すると東城さんはニヤニヤしながらボクを見つめてくる。バレてないはずなんだけど……
「本当に可愛い人じゃん」
「雪姫ちゃんは私のだから渡さないからね?」
「誰もとらないからw」
そう言ってボクの腕を引く葵ちゃん。あの……当たってるんだよね……でもそんなことより内心は穏やかじゃない……本当にバレてないんだよね?不安だ……
そんなボクの気持ちに関係なく、コミケの会場へと向かう。その間もずっとドキドキしっぱなしだ。
そして目的地である大きなイベント会場に到着した。そこにはたくさんの人が集まっていて賑わっている。ボクは葵ちゃんたちと一緒に会場を回ることにする。でも……本当にバレていないのだろうか?不安は募るばかりだ。
「うわぁ……これがコミケか……すごいね!」
「めっちゃコスプレしてる人多くね?外国人も多いし」
「最近は海外から来る人も多いみたい。それに日本のサブカルチャーが海外でも人気らしいし、当日でもコスプレできるんだよ?」
「えっそうなの?雪姫ちゃん知ってた?」
「うん。先行入場券がない人でも当日『ちぇんじ』……コスプレ登録証を買えばその場でコスプレができるよ」
「ほら見て、大きな荷物とかキャリーケースとか持っている人はコスプレイヤーさんが多いんだよ」
………新島さん詳しいんだな。ボクと同じくらいコミケの知識ある?それとも真面目だから色々調べてきたのかな?そして会場内を色々歩く。葵ちゃんは初めて来たコミケを楽しんでいて、一緒に会場を回っているうちに不安はどこかに消えていた。
「ねぇ雪姫ちゃんはどのアニメが好きなの?」
「え?私は……『魔法少女リリカル☆シュガリィ』ってアニメ。その中でもクロエちゃんって女の子が好きかな」
「あ~聞いたことある!私も観てみようかな……」
「そうなの?ならBlu-ray貸してあげようか。私全シリーズ持っているよ?」
「マジ?由香里」
「由香里ちゃんも好きなの?」
「うん。言ったことなかったっけ?」
そう言って微笑む東城さん。全シリーズ持っている……もしかしてボクと話めっちゃ合うかも!?別に女の子のアニメだから好きな人は全然いると思うけど……なんか嬉しい!
「特にね……普段は仲が悪いライバル同士のシュガリィちゃんとクロエちゃんが協力してハートショットを放つシーンがすごく好きなの。ですよね白井さん?」
「えっ?あ。分かる!あれは神作画だよね!今でも普通にイラストとか描かれるし!」
「ね~!」
「なんか……仲良いじゃん……」
「妬くな妬くな葵」
「そんなんじゃないよ葵ちゃん。Blu-ray貸してあげるから、あとで語り合おうね?」
そう言ってボクと新島さんは意気投合する。なんだか嬉しいな……ずっと話してられそうだし。しかも葵ちゃんが少し妬いてくれてるのもまた嬉しいし、初めてボクの前で見せる表情なのも良かった。まだまだ葵ちゃんのことを知りたい。その後も、とても楽しそうに会場を回って、初めてのコミケを有意義に楽しんだのだった。
そして夏休み最初の週末。ボクは待ち合わせ場所である駅前の広場に立っている。今回のコミケは前回のコミケとは違い、大きな会場で行われている。
「前髪……OK……服装……OK……うん大丈夫」
広場にある鏡張りのオブジェの前で、今日3回目の身だしなみを確認する。何度確認しても不安は取り除けないけど、これは自業自得だから仕方ないと諦める。いつかはこの時が来ると薄々分かっていたんだから……そしてその時がやってくる。
「雪姫ちゃん。おはよう」
「あ。おはよう葵ちゃん」
「紹介するね、私の親友で東城千夏ちゃんと新島由香里ちゃん」
「写真のまんまじゃん。よろしく」
「初めまして。いつも葵ちゃんがお世話になってます」
「白井雪姫です。初めまして」
そう言ってボクは頭を下げる。大丈夫バレてない。どこからどうみても女の子のはず!
そんな恐怖心と戦いながら、細心の注意を払って挨拶をする。すると東城さんはニヤニヤしながらボクを見つめてくる。バレてないはずなんだけど……
「本当に可愛い人じゃん」
「雪姫ちゃんは私のだから渡さないからね?」
「誰もとらないからw」
そう言ってボクの腕を引く葵ちゃん。あの……当たってるんだよね……でもそんなことより内心は穏やかじゃない……本当にバレてないんだよね?不安だ……
そんなボクの気持ちに関係なく、コミケの会場へと向かう。その間もずっとドキドキしっぱなしだ。
そして目的地である大きなイベント会場に到着した。そこにはたくさんの人が集まっていて賑わっている。ボクは葵ちゃんたちと一緒に会場を回ることにする。でも……本当にバレていないのだろうか?不安は募るばかりだ。
「うわぁ……これがコミケか……すごいね!」
「めっちゃコスプレしてる人多くね?外国人も多いし」
「最近は海外から来る人も多いみたい。それに日本のサブカルチャーが海外でも人気らしいし、当日でもコスプレできるんだよ?」
「えっそうなの?雪姫ちゃん知ってた?」
「うん。先行入場券がない人でも当日『ちぇんじ』……コスプレ登録証を買えばその場でコスプレができるよ」
「ほら見て、大きな荷物とかキャリーケースとか持っている人はコスプレイヤーさんが多いんだよ」
………新島さん詳しいんだな。ボクと同じくらいコミケの知識ある?それとも真面目だから色々調べてきたのかな?そして会場内を色々歩く。葵ちゃんは初めて来たコミケを楽しんでいて、一緒に会場を回っているうちに不安はどこかに消えていた。
「ねぇ雪姫ちゃんはどのアニメが好きなの?」
「え?私は……『魔法少女リリカル☆シュガリィ』ってアニメ。その中でもクロエちゃんって女の子が好きかな」
「あ~聞いたことある!私も観てみようかな……」
「そうなの?ならBlu-ray貸してあげようか。私全シリーズ持っているよ?」
「マジ?由香里」
「由香里ちゃんも好きなの?」
「うん。言ったことなかったっけ?」
そう言って微笑む東城さん。全シリーズ持っている……もしかしてボクと話めっちゃ合うかも!?別に女の子のアニメだから好きな人は全然いると思うけど……なんか嬉しい!
「特にね……普段は仲が悪いライバル同士のシュガリィちゃんとクロエちゃんが協力してハートショットを放つシーンがすごく好きなの。ですよね白井さん?」
「えっ?あ。分かる!あれは神作画だよね!今でも普通にイラストとか描かれるし!」
「ね~!」
「なんか……仲良いじゃん……」
「妬くな妬くな葵」
「そんなんじゃないよ葵ちゃん。Blu-ray貸してあげるから、あとで語り合おうね?」
そう言ってボクと新島さんは意気投合する。なんだか嬉しいな……ずっと話してられそうだし。しかも葵ちゃんが少し妬いてくれてるのもまた嬉しいし、初めてボクの前で見せる表情なのも良かった。まだまだ葵ちゃんのことを知りたい。その後も、とても楽しそうに会場を回って、初めてのコミケを有意義に楽しんだのだった。
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