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34. 本心
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34. 本心
その後も色々な所を回りながら楽しんでいると、時間はあっという間に過ぎてしまい夕方になっていた。ボク達は帰りの電車に揺られながら今日の感想を話していた。
楽しかったとか面白かったねとか……そんな話をしているうちにお互い口数が減っていき……なんだか気恥ずかしくなってきた頃、突然葵ちゃんが口を開いた。
「雪姫ちゃん……」
「……どうしたの?」
この時間、車両にはボク達しか乗っていない。周りは夕焼けに染まり、電車の音だけが響いている。
それはまるで橙色の世界……まるでボク達が世界から隔絶されているような感覚に陥る。
その雰囲気に飲まれて、ボクの心臓の鼓動がどんどん早くなっていくのが分かった。
そして……
ボクの肩に葵ちゃんの頭が乗せられる。ボクは思わずドキッとして体が固まってしまう。心臓の音がうるさいくらい聞こえる……
「雪姫ちゃんと一緒にいると……なんか安心する……」
「葵ちゃん……」
「……雪姫ちゃんが男の子だったら良かったのに……なんてね?」
その一言にボクは思わずドキッとする。そして複雑な気持ちになる。葵ちゃんは『白井雪姫』が好きになっていて、男としての『白瀬優輝』が好きな訳じゃない……
「そんなに見つめられると恥ずかしいよ雪姫ちゃん。……もしかして……私とキスでもしたくなっちゃった?」
そう言ってからかう葵ちゃん……なんだかいつもと違って色っぽく見える。ボクはそんな葵ちゃんから目が離せなくなっていた。それに……ボクはボクだ……たとえ女装していても、ズルくても構わない、これがボクの気持ちだ……!
「……キス……する?」
「え?……うん。雪姫ちゃんならいいよ?」
そう言って微笑む葵ちゃん……ボクはそのまま顔を近づけていく。そしてゆっくりと唇と唇が近づき微かに触れた瞬間、すぐに我に返りボクは離れる。ボクの唇はその微かな柔らかい感触を感じるように、そこだけ神経が研ぎ澄まされたかのようだった。
「ごっごめん!」
「……なんで謝るの?」
「え?だって……その……」
ボクは何をやってるんだ!?本当に……葵ちゃんの気持ちも考えずに勝手にこんなことして……!すると葵ちゃんはボクの唇に人差し指を当てて妖艶に微笑む。
「今のはお預けにしたの?ひどいな~雪姫ちゃんはw」
「そういうつもりじゃなくて……その……」
「責任取って貰わないとね?雪姫ちゃん」
「え?」
「女の子をその気にさせたんだから……責任取ってよね……?」
そう言って葵ちゃんは悪戯っぽく笑う。そして今度は葵ちゃんから顔を近づけて来る。ボクは思わず目を閉じてしまうけど、その直後に唇ではなく頬っぺたに柔らかい感触が伝わってきた。ゆっくりと目を開けると、そこには満面の笑みを浮かべる葵ちゃんがいた。
「ふふっ頬っぺたならいいでしょ?」
「へ?」
あまりのことに驚きの声を上げてしまうボクを見て葵ちゃんは大笑いする。ボクは頬っぺたにキスされ、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「ふふっ。雪姫ちゃん可愛い」
ボクはまだドキドキしていたけど、でもこの胸の高鳴りは心地良いものだった。
こうしてボクは微かに触れた唇とハッキリと触れた頬っぺたの感触を忘れられずに、悶々としたまま帰路につくのだった。
でも後悔はない……だってあのキスはボクの本心だから……
その後も色々な所を回りながら楽しんでいると、時間はあっという間に過ぎてしまい夕方になっていた。ボク達は帰りの電車に揺られながら今日の感想を話していた。
楽しかったとか面白かったねとか……そんな話をしているうちにお互い口数が減っていき……なんだか気恥ずかしくなってきた頃、突然葵ちゃんが口を開いた。
「雪姫ちゃん……」
「……どうしたの?」
この時間、車両にはボク達しか乗っていない。周りは夕焼けに染まり、電車の音だけが響いている。
それはまるで橙色の世界……まるでボク達が世界から隔絶されているような感覚に陥る。
その雰囲気に飲まれて、ボクの心臓の鼓動がどんどん早くなっていくのが分かった。
そして……
ボクの肩に葵ちゃんの頭が乗せられる。ボクは思わずドキッとして体が固まってしまう。心臓の音がうるさいくらい聞こえる……
「雪姫ちゃんと一緒にいると……なんか安心する……」
「葵ちゃん……」
「……雪姫ちゃんが男の子だったら良かったのに……なんてね?」
その一言にボクは思わずドキッとする。そして複雑な気持ちになる。葵ちゃんは『白井雪姫』が好きになっていて、男としての『白瀬優輝』が好きな訳じゃない……
「そんなに見つめられると恥ずかしいよ雪姫ちゃん。……もしかして……私とキスでもしたくなっちゃった?」
そう言ってからかう葵ちゃん……なんだかいつもと違って色っぽく見える。ボクはそんな葵ちゃんから目が離せなくなっていた。それに……ボクはボクだ……たとえ女装していても、ズルくても構わない、これがボクの気持ちだ……!
「……キス……する?」
「え?……うん。雪姫ちゃんならいいよ?」
そう言って微笑む葵ちゃん……ボクはそのまま顔を近づけていく。そしてゆっくりと唇と唇が近づき微かに触れた瞬間、すぐに我に返りボクは離れる。ボクの唇はその微かな柔らかい感触を感じるように、そこだけ神経が研ぎ澄まされたかのようだった。
「ごっごめん!」
「……なんで謝るの?」
「え?だって……その……」
ボクは何をやってるんだ!?本当に……葵ちゃんの気持ちも考えずに勝手にこんなことして……!すると葵ちゃんはボクの唇に人差し指を当てて妖艶に微笑む。
「今のはお預けにしたの?ひどいな~雪姫ちゃんはw」
「そういうつもりじゃなくて……その……」
「責任取って貰わないとね?雪姫ちゃん」
「え?」
「女の子をその気にさせたんだから……責任取ってよね……?」
そう言って葵ちゃんは悪戯っぽく笑う。そして今度は葵ちゃんから顔を近づけて来る。ボクは思わず目を閉じてしまうけど、その直後に唇ではなく頬っぺたに柔らかい感触が伝わってきた。ゆっくりと目を開けると、そこには満面の笑みを浮かべる葵ちゃんがいた。
「ふふっ頬っぺたならいいでしょ?」
「へ?」
あまりのことに驚きの声を上げてしまうボクを見て葵ちゃんは大笑いする。ボクは頬っぺたにキスされ、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「ふふっ。雪姫ちゃん可愛い」
ボクはまだドキドキしていたけど、でもこの胸の高鳴りは心地良いものだった。
こうしてボクは微かに触れた唇とハッキリと触れた頬っぺたの感触を忘れられずに、悶々としたまま帰路につくのだった。
でも後悔はない……だってあのキスはボクの本心だから……
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