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33. 青色の世界
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33. 青色の世界
ボク達は電車を乗り継ぎ、少し都心から離れた海沿いにある目的地の水族館『アクアワールド』に到着した。ここは最近できたばかりの施設で、イルカショーやペンギンの散歩など色々なイベントをやっているらしい。そしてこの施設はなんと全天候型のドーム型になっているので雨の日でも楽しむことができる。
「わぁ!雪姫ちゃん見てみて!」
そう言って葵ちゃんは目を輝かせながらボクを呼ぶ。彼女の視線の先にはペンギンが2羽歩いている姿があった。
「可愛いね」
「うん!可愛い!あのペンギンたちペアかな?それとも親子とか?」
「どうだろう……?でも楽しそうだよね」
2人でそんな会話をしていると、今度はイルカのショーが始まったようだ。ステージの上にはプールがあり、そこにイルカが3頭泳いでいるのが見えた。そしてトレーナーの合図で一斉にジャンプをする。
パシャン!バシャッ!っと水しぶきが上がる。その迫力に思わず息を飲んでしまうほどだ。その後もトレーナーの合図に合わせて様々な芸を見せてくれたり、ボール遊びをしたりと楽しそうに泳ぐ姿には見とれてしまうほどだった。
ショーが終わると会場のお客さんから拍手が起こる。ボクも夢中で手を叩いていたけど……葵ちゃんは目をキラキラさせてステージを見つめていたので思わず笑ってしまった。
「ふふ……」
「え?」
「葵ちゃん。楽しんでるみたいで良かった」
「うん。楽しいよ!雪姫ちゃんは?」
「私も……すごく楽しい!」
そう言って葵ちゃんと笑い合う。本当に幸せだ。こんなに楽しい時間がずっと続いてほしいなと思うくらいだった。
次にこの『アクアワールド』の名物、大水槽に行く。そこは全面ガラス張りでまるで海の中にいるような気分になる場所だ。中にはたくさんの魚たちが泳いでいる。
まさに青色の世界と表現するのが正しいかもしれない。その光景はとても美しく幻想的な雰囲気に包まれていた。
「綺麗だね……」
「うん。すごく綺麗……」
まるでこの青色の世界に2人だけしかいないような感覚になる。とても神秘的で時間が停まっているかのような錯覚さえ感じた。
しばらく見ていたけど、ボクはあることに気づく。それは周りのお客さん達もこの大水槽に見とれているということだ。どうやらこの場所はみんなを魅了する魔法の空間のようになっているのかもしれない……
そしてその後も色々な水槽を観たり、色々なエリア楽しんだ後、最後にお土産屋さんに立ち寄った。そこではイルカやペンギンなどのぬいぐるみが沢山並んでいた。
葵ちゃんは目を輝かせながらぬいぐるみを手に取る。それはイルカのぬいぐるみでとても可愛い。その葵ちゃんの姿にボクは思わず微笑んでしまう。なんか……こういう子供っぽいところもあるんだなぁって。
「雪姫ちゃん!これ可愛いと思わない?」
「うん……可愛いと思う」
ボクは葵ちゃんが持っているぬいぐるみを見ながら答える。すると葵ちゃんは少し照れくさそうに笑う。
どんどん葵ちゃんのイメージが変わっていく。最初はもうちょっと大人っぽいイメージだったけど……今は違う。こんなにも可愛い姿を見せてくれるのが嬉しいし、どんどん色んな葵ちゃんが見れて幸せな気分になっている。
それと同時に気づく……
もうボクは葵ちゃんを理想の女性じゃなくて……1人の女の子として……異性として本当に好きになっているってことを……
ボク達は電車を乗り継ぎ、少し都心から離れた海沿いにある目的地の水族館『アクアワールド』に到着した。ここは最近できたばかりの施設で、イルカショーやペンギンの散歩など色々なイベントをやっているらしい。そしてこの施設はなんと全天候型のドーム型になっているので雨の日でも楽しむことができる。
「わぁ!雪姫ちゃん見てみて!」
そう言って葵ちゃんは目を輝かせながらボクを呼ぶ。彼女の視線の先にはペンギンが2羽歩いている姿があった。
「可愛いね」
「うん!可愛い!あのペンギンたちペアかな?それとも親子とか?」
「どうだろう……?でも楽しそうだよね」
2人でそんな会話をしていると、今度はイルカのショーが始まったようだ。ステージの上にはプールがあり、そこにイルカが3頭泳いでいるのが見えた。そしてトレーナーの合図で一斉にジャンプをする。
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ショーが終わると会場のお客さんから拍手が起こる。ボクも夢中で手を叩いていたけど……葵ちゃんは目をキラキラさせてステージを見つめていたので思わず笑ってしまった。
「ふふ……」
「え?」
「葵ちゃん。楽しんでるみたいで良かった」
「うん。楽しいよ!雪姫ちゃんは?」
「私も……すごく楽しい!」
そう言って葵ちゃんと笑い合う。本当に幸せだ。こんなに楽しい時間がずっと続いてほしいなと思うくらいだった。
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まさに青色の世界と表現するのが正しいかもしれない。その光景はとても美しく幻想的な雰囲気に包まれていた。
「綺麗だね……」
「うん。すごく綺麗……」
まるでこの青色の世界に2人だけしかいないような感覚になる。とても神秘的で時間が停まっているかのような錯覚さえ感じた。
しばらく見ていたけど、ボクはあることに気づく。それは周りのお客さん達もこの大水槽に見とれているということだ。どうやらこの場所はみんなを魅了する魔法の空間のようになっているのかもしれない……
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どんどん葵ちゃんのイメージが変わっていく。最初はもうちょっと大人っぽいイメージだったけど……今は違う。こんなにも可愛い姿を見せてくれるのが嬉しいし、どんどん色んな葵ちゃんが見れて幸せな気分になっている。
それと同時に気づく……
もうボクは葵ちゃんを理想の女性じゃなくて……1人の女の子として……異性として本当に好きになっているってことを……
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