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25. 真剣に向き合う
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25. 真剣に向き合う
それから、ボク達はカラオケを楽しんだ。葵ちゃんは歌が上手いし、真凛も上手だった。ボクは……まぁ普通かな?……たぶん。でも2人の前で歌うのはちょっと恥ずかしかったけど、楽しかったから良かったと思う。
そして今は葵ちゃんがお手洗いに行っているので、部屋の中には真凛とボクしかいない。
「ねぇ真凛。今日はどうして来たの?」
「別に?なんか問題あった?」
「いや、ないけどさ……」
てっきりボクに何か言いたいことがあるんじゃないかと思っていたけど……
「おにぃ」
「なに?」
「お手洗い大丈夫?」
「実は行きたいかなとは思ってる……でもここ男女別々だから……」
「は?ならアタシが一緒に行ってあげるよ」
「いやいや大丈夫……コンビニの多目的トイレでしてくから……」
そうボクは女装をしているから、女子トイレには入れない。だから行くときは近くのコンビニか多目的トイレがある場所を使うしかない。
「……そんな大変なことしてるなら、女装やめればいいのに。アホらし」
真凛は呆れ顔で言う。確かに……そうなんだけど……でも、この女装をやめたら葵ちゃんとのデートは終わりな気がするし、『白瀬優輝』ではまだ話す自信もない。だから今のままでもボクは葵ちゃんの側にいたいんだ。
そしてカラオケ屋を出て、帰る前に近くの喫茶店に寄ることにした。
「あ~結構歌いましたね。楽しかった」
「私もだよ。そう言えば雪姫ちゃん最初歌うの嫌がってたけど、結構歌ってたよねw」
「うっうん……アニソンとかボカロの曲ばかりでごめんね……」
「え?そんなことないよ?雪姫ちゃんの好きなもの知れたし」
ボクがアニソンやボカロばかり歌ったせいで、葵ちゃんは気を遣ったんだろう。嬉しいけど……やっぱり恥ずかしい……
そのあとは、他愛もない話をし、来週のデートの約束をして葵ちゃんと別れ、そのまま真凛と共に家に帰ることにする。
それにしても葵ちゃん……可愛かったな~それにボクの好きな曲を歌ってくれたし、歌上手だし、もう最高だよ!
「ニヤニヤしてキモいんだけど」
「え?別にいい……でしょ!」
「その喋り方も声のトーンもキモい!」
仕方ないだろ……今は外だし……でも確かに実の兄が女装してるんだもんな……真凛がそう思うのも無理ないか……
「ねぇおにぃ」
「なに?」
「……少し安心した。変にキャラ作ってるのかと思ってたけど、中身はいつものおにぃだったし。良く考えたらそこまでおにぃは器用じゃないと思うけどさ?」
「真凛……」
どうやら真凛なりに心配してくれていたみたいだ。普段はボクに突っかかって来るし、生意気だけど……やっぱり可愛い所もある。
「あとさ、おにぃ。もっと自信持ったほうがいいよ?おにぃがアニソンとかボカロが好きって知って嬉しそうだったよ葵さん」
「いや気をつかってくれただけだよ……」
「違う。全然わかってない。葵さんは……本当におにぃのこと……『白井雪姫』のことを好きになろうとしてるよ?真剣に恋に向き合ってる。女の子が好きか確認するために。それなのにおにぃはネガティブな考えばかりで、見てるとムカつく」
真凛は真剣な表情でボクに言う。そっか……葵ちゃんは本当に『白井雪姫』のことを好きになろうとしてくれていたんだ。ボクが思っている以上に、葵ちゃんは真剣に恋してくれているんだ……
そう思うと、嬉しくて……そして恥ずかしくて……
でも申し訳なくて……
「女装するなとは言わないけど、真剣に向き合ってる葵ちゃんに失礼にならないようにしなよ?……まぁ……困ったことがあったら相談くらい乗ってあげるしさ……」
「うん。ありがとう真凛」
……ボクはやっぱり葵ちゃんが好きだ。この恋心を捨てることは出来ない!だからこれからも真剣に向き合いたいと思う。ボクみたいな奴でも恋してもいいんだって証明するためにも、葵ちゃんにはボクのことを知ってもらいたい。そう思ったのだった。
それから、ボク達はカラオケを楽しんだ。葵ちゃんは歌が上手いし、真凛も上手だった。ボクは……まぁ普通かな?……たぶん。でも2人の前で歌うのはちょっと恥ずかしかったけど、楽しかったから良かったと思う。
そして今は葵ちゃんがお手洗いに行っているので、部屋の中には真凛とボクしかいない。
「ねぇ真凛。今日はどうして来たの?」
「別に?なんか問題あった?」
「いや、ないけどさ……」
てっきりボクに何か言いたいことがあるんじゃないかと思っていたけど……
「おにぃ」
「なに?」
「お手洗い大丈夫?」
「実は行きたいかなとは思ってる……でもここ男女別々だから……」
「は?ならアタシが一緒に行ってあげるよ」
「いやいや大丈夫……コンビニの多目的トイレでしてくから……」
そうボクは女装をしているから、女子トイレには入れない。だから行くときは近くのコンビニか多目的トイレがある場所を使うしかない。
「……そんな大変なことしてるなら、女装やめればいいのに。アホらし」
真凛は呆れ顔で言う。確かに……そうなんだけど……でも、この女装をやめたら葵ちゃんとのデートは終わりな気がするし、『白瀬優輝』ではまだ話す自信もない。だから今のままでもボクは葵ちゃんの側にいたいんだ。
そしてカラオケ屋を出て、帰る前に近くの喫茶店に寄ることにした。
「あ~結構歌いましたね。楽しかった」
「私もだよ。そう言えば雪姫ちゃん最初歌うの嫌がってたけど、結構歌ってたよねw」
「うっうん……アニソンとかボカロの曲ばかりでごめんね……」
「え?そんなことないよ?雪姫ちゃんの好きなもの知れたし」
ボクがアニソンやボカロばかり歌ったせいで、葵ちゃんは気を遣ったんだろう。嬉しいけど……やっぱり恥ずかしい……
そのあとは、他愛もない話をし、来週のデートの約束をして葵ちゃんと別れ、そのまま真凛と共に家に帰ることにする。
それにしても葵ちゃん……可愛かったな~それにボクの好きな曲を歌ってくれたし、歌上手だし、もう最高だよ!
「ニヤニヤしてキモいんだけど」
「え?別にいい……でしょ!」
「その喋り方も声のトーンもキモい!」
仕方ないだろ……今は外だし……でも確かに実の兄が女装してるんだもんな……真凛がそう思うのも無理ないか……
「ねぇおにぃ」
「なに?」
「……少し安心した。変にキャラ作ってるのかと思ってたけど、中身はいつものおにぃだったし。良く考えたらそこまでおにぃは器用じゃないと思うけどさ?」
「真凛……」
どうやら真凛なりに心配してくれていたみたいだ。普段はボクに突っかかって来るし、生意気だけど……やっぱり可愛い所もある。
「あとさ、おにぃ。もっと自信持ったほうがいいよ?おにぃがアニソンとかボカロが好きって知って嬉しそうだったよ葵さん」
「いや気をつかってくれただけだよ……」
「違う。全然わかってない。葵さんは……本当におにぃのこと……『白井雪姫』のことを好きになろうとしてるよ?真剣に恋に向き合ってる。女の子が好きか確認するために。それなのにおにぃはネガティブな考えばかりで、見てるとムカつく」
真凛は真剣な表情でボクに言う。そっか……葵ちゃんは本当に『白井雪姫』のことを好きになろうとしてくれていたんだ。ボクが思っている以上に、葵ちゃんは真剣に恋してくれているんだ……
そう思うと、嬉しくて……そして恥ずかしくて……
でも申し訳なくて……
「女装するなとは言わないけど、真剣に向き合ってる葵ちゃんに失礼にならないようにしなよ?……まぁ……困ったことがあったら相談くらい乗ってあげるしさ……」
「うん。ありがとう真凛」
……ボクはやっぱり葵ちゃんが好きだ。この恋心を捨てることは出来ない!だからこれからも真剣に向き合いたいと思う。ボクみたいな奴でも恋してもいいんだって証明するためにも、葵ちゃんにはボクのことを知ってもらいたい。そう思ったのだった。
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